論文一覧に戻る 🗺 概念マップ 統計データ分析コンペ 教育用再現集
2023年度 統計データ分析コンペティション
統計数理賞 [高校生の部]

地価に関する最適モデルの構築と手法提案

⏱️ 推定読了時間: 約38分
重回帰分析 / Ridge回帰 / Lasso回帰 / AIC・BIC / 交差検証
📝 3行で分かる要約

目次

  1. 研究概要と背景
  2. データ:SSDSE-B 47都道府県(2022年度)
  3. 外れ値の確認:東京都
  4. OLS重回帰と標準化係数
  5. 正則化回帰:Ridge vs Lasso
  6. 交差検証によるモデル比較
  7. まとめと考察
  8. 📥 データの準備
  9. 💼 実社会での応用
  10. ⚠️ よくある誤解
  11. 📖 用語集
  12. 📐 手法ガイド
  13. 🚀 発展の可能性
  14. 🎯 自分でやってみよう
  15. 🤔 Q&A

🎯 この記事を読むと何ができるようになるか

📥 データの準備(再現コードを動かす前に)

このページの分析を自分で再現するには、以下の手順でデータを準備してください。コードの編集は不要です。

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データをダウンロードする 統計センターの SSDSE 配布ページから、以下のファイルをダウンロードします。
SSDSE-B-2026.csv ← SSDSE-B(都道府県データ)📥 直接DL
⬇ SSDSEダウンロードページを開く
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ファイルを所定のフォルダに配置する ダウンロードしたCSVを、プロジェクトの data/raw/ フォルダに入れます。
2026 統計・データ解析コンペ/ ├── code/ │ └── 2023_H3_suri.py ← 実行するスクリプト └── data/ └── raw/ SSDSE-B-2026.csv ← ここに置く
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スクリプトをそのまま実行する ターミナルでプロジェクトルートに移動し、以下を実行します。
python3 code/2023_H3_suri.py
図は html/figures/ に自動保存されます。
研究概要と背景

地価(土地の価格)は、人口、雇用、観光、教育、医療、気候など多様な社会経済要因によって決定される。本研究では、47都道府県の統計データ(SSDSE-B)を用いて、住宅地標準価格目的変数とする複数の回帰モデルを構築し、モデル選択基準(AICBIC交差検証)を用いて最適モデルを提案する。

まず「地価に関する最適モデルの構築と手法提案」を統計的にとらえることが有効だと考えられる。 その理由は感覚や経験則だけでは、複雑な社会要因の中で「何が本当に効いているか」を見極めにくいからである。 本研究では公開データと統計手法を組み合わせ、この問いに定量的な答えを出すことを目指す。

研究の3つの柱
地価決定要因の
特定
(OLS重回帰)
モデル選択
(AIC・BIC)
汎化性能の評価
(交差検証)
最適モデルの
提案
なぜ「モデル比較」が重要か OLS最小二乗法)は訓練データへの当てはまりが最大になるが、変数が多いと過学習(overfitting)が起きる。Ridge回帰・Lasso回帰正則化によりこれを防ぐ。交差検証は「未知のデータへの予測精度」を推定する最も重要な手法の一つ。

SSDSE-B OLS重回帰 Ridge回帰 Lasso回帰 AIC・BIC 交差検証

データ:SSDSE-B 47都道府県(2022年度)

目的変数と説明変数

SSDSE-B(都道府県別統計データセット)の2022年度データを使用。住宅地価格に影響すると考えられる9つの説明変数を理論的根拠とともに選定した。

種別変数(コード)説明想定効果
目的変数C5401
住宅地標準価格
都道府県の住宅地平均標準価格(千円/m²)
需要A1101 総人口人口が多いほど土地需要が高い
A5101/A1101 転入率人口流入が活発なほど需要増
労働市場A1302/A1101 生産年齢人口割合
F3103/F3102 有効求人倍率
労働力・雇用の豊富さ
産業・観光G7101/A1101 宿泊者数per capita商業・観光の活発さ
教育E6302/A1101 大学学生率教育機関が集積するほど都市的価値が上昇
医療I510120/A1101 病院密度医療環境の充実(アメニティ効果)正?
気候B4101 年平均気温温暖な地域は居住選好が高い
少子化A4103 合計特殊出生率若年世帯が多い地域の居住価値?
データの特徴 サンプル数 n=47(47都道府県)、説明変数 p=9 という「小標本・多変数」設定。 この設定はモデルの過学習リスクが高く、正則化手法の有効性を検証する上で好適な条件である。
3. 外れ値
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外れ値の確認:東京都

まず総人口と住宅地標準価格の散布図を描き、外れ値の有無を確認する。東京都は人口・地価ともに他都道府県から大きく乖離した「超高価格・超大人口」の外れ値であり、除外して分析する。

人口 vs 住宅地価格散布図
図1:総人口(対数軸)vs 住宅地標準価格(対数軸)。東京都(赤星)は人口・地価ともに極端な外れ値。両軸対数変換により全都道府県の関係が把握しやすくなる。
東京都を除外する理由 東京都の住宅地価格(約97,000千円/m²)は全国平均(約53,000千円/m²)の約1.8倍。 人口も1,400万人超と突出しており、この1点を含めるとモデル全体が東京都に引っ張られる「レバレッジ問題」が生じる。 統計的に適切な分析のため、東京都を外れ値として除外した46都道府県で回帰分析を行う。

DS LEARNING POINT 1

対数変換と外れ値の視覚化

地価・人口のような右裾が長い変数は対数変換することで、外れ値の影響を抑えつつ全体の傾向を把握しやすくなる。散布図外れ値を確認し、レバレッジ点(推定値に大きな影響を与える観測値)かどうかを判断するのは回帰分析の基本ステップ。

import matplotlib.pyplot as plt import numpy as np fig, ax = plt.subplots() ax.scatter(df['A1101'] / 1e6, df['C5401'], alpha=0.7, s=60) # 両軸対数変換でレバレッジ点を視覚化 ax.set_xscale('log') ax.set_yscale('log') ax.set_xlabel('総人口(百万人, 対数軸)') ax.set_ylabel('住宅地価格(千円/m², 対数軸)') # 東京都をハイライト tokyo = df[df['Prefecture'].str.contains('東京')] ax.scatter(tokyo['A1101'] / 1e6, tokyo['C5401'], color='red', marker='*', s=200, label='東京都(外れ値)')
やってみよう図1:ステップ
📝 コード
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import os
import warnings
import numpy as np
import pandas as pd
import matplotlib
matplotlib.use('Agg')
import matplotlib.pyplot as plt
import matplotlib.patches as mpatches
import statsmodels.api as sm
from sklearn.linear_model import Ridge, Lasso, LinearRegression
from sklearn.model_selection import cross_val_score
from sklearn.preprocessing import StandardScaler

warnings.filterwarnings('ignore')
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • import pandas as pd など — 必要なライブラリをまとめて呼び出します。as pd は短い別名(alias)。
  • matplotlib.use('Agg') — グラフを画面表示せずファイルに保存するためのおまじない。
  • StandardScaler().fit_transform(X) — 各列を「平均0・分散1」に標準化。単位が違う変数のβを比較可能に。
💡 Python TIPS f"...{x}..."f-string。文字列の中に {変数} と書くだけで埋め込めて、{x:.2f} のように書式も指定できます。
やってみよう図1:ステップ — ── パス設定 ──────────────────────────────────────────────────────────
📝 コード
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# ── パス設定 ──────────────────────────────────────────────────────────
DATA_DIR = 'data/raw'
FIG_DIR  = 'html/figures'
os.makedirs(FIG_DIR, exist_ok=True)

plt.rcParams.update({
    'font.family': 'Hiragino Sans',
    'axes.unicode_minus': False,
    'figure.dpi': 150,
    'axes.spines.top': False,
    'axes.spines.right': False,
})
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • os.makedirs('html/figures', exist_ok=True) — 図の保存先フォルダを作る(既にあってもOK)。
💡 Python TIPS df['A'] / df['B'] — pandasの列同士の四則演算は要素ごと(element-wise)。forループ不要なのが強み。
やってみよう図1:ステップ — ── SSDSE-B-2026.csv 読み込み ──────────────────────────────────────
📝 コード
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# ── SSDSE-B-2026.csv 読み込み ──────────────────────────────────────
print("=== SSDSE-B 読み込み ===")
df_raw = pd.read_csv(
    os.path.join(DATA_DIR, 'SSDSE-B-2026.csv'),
    encoding='cp932',
    header=0,
    skiprows=[1],   # 日本語ラベル行をスキップ(先頭行=コード名を使用)
)
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • pd.read_csv(...) でCSVを読み込みます。encoding='cp932' は日本語Windows由来の文字コード、header=1 は「2行目を列名として使う」。
💡 Python TIPS Seriesの .map() は「1対1の置き換え」、.apply() は「関数を当てる」。辞書なら .map()、ロジックなら .apply()
やってみよう図1:ステップ — 都道府県レベルのみ(地域コード = R + 5桁数字)
📝 コード
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# 都道府県レベルのみ(地域コード = R + 5桁数字)
df_raw = df_raw[df_raw['Code'].str.match(r'^R\d{5}$', na=False)].copy()

# 年度列の名前統一(先頭列が年度)
year_col = df_raw.columns[0]   # 'SSDSE-B-2026'
df_raw[year_col] = pd.to_numeric(df_raw[year_col], errors='coerce')
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • df['地域コード'].str.match(r'^R\d{5}', ...) — 正規表現で「R+数字5桁」の行(47都道府県)だけTrueにし、真偽値で行をフィルタ。
💡 Python TIPS [式 for x in リスト]リスト内包表記。forループでappendする代わりに1行でリストを作れます。
やってみよう図1:ステップ — 2022年度のみ使用
📝 コード
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# 2022年度のみ使用
df = df_raw[df_raw[year_col] == 2022].copy()
print(f"2022年度データ: {len(df)}都道府県")

# ── 数値変換 ────────────────────────────────────────────────────────
NUM_COLS = [
    'C5401',    # 標準価格(住宅地, 千円/m²)
    'C5403',    # 標準価格(商業地, 千円/m²)
    'A1101',    # 総人口
    'A1302',    # 15〜64歳人口(生産年齢人口)
    'F3102',    # 有効求人数(新規)
    'F3103',    # 有効求職者数(新規)
    'G7101',    # 宿泊者数(延べ)
    'E6302',    # 大学学生数
    'I510120',  # 病院数
    'B4101',    # 年平均気温
    'A4103',    # 合計特殊出生率
    'A5101',    # 転入者数
]
for c in NUM_COLS:
    df[c] = pd.to_numeric(df[c], errors='coerce')
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS r, p = stats.pearsonr(...) — Pythonは複数戻り値を同時に受け取れる(タプルアンパック)。
やってみよう図1:ステップ — ── 派生変数の計算(実データのみ) ─────────────────────────────────
📝 コード
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# ── 派生変数の計算(実データのみ) ─────────────────────────────────
# 生産年齢人口割合 (%)
df['working_age_pct'] = df['A1302'] / df['A1101'] * 100

# 有効求人倍率 = 有効求人数 / 有効求職者数
df['job_ratio'] = df['F3103'] / df['F3102']
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS x if cond else y三項演算子。リスト内包表記と組み合わせると、forとifを1行で書けます。
やってみよう図1:ステップ — 宿泊者数 per capita
📝 コード
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# 宿泊者数 per capita
df['tourism_pc'] = df['G7101'] / df['A1101']

# 大学学生率 (%)
df['univ_rate'] = df['E6302'] / df['A1101'] * 100

# 病院密度(人口1万対)
df['hospital_density'] = df['I510120'] / df['A1101'] * 10000
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS df[col](1列)と df[[col1, col2]](複数列)でカッコの数が違います。リストを渡していると覚えるとミスを減らせます。
やってみよう図1:ステップ — 転入率 (%)
📝 コード
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# 転入率 (%)
df['inflow_rate'] = df['A5101'] / df['A1101'] * 100

# 目的変数・説明変数の列名
TARGET  = 'C5401'   # 住宅地標準価格(千円/m²)
PRED_COLS = [
    'A1101',           # 総人口(万人換算しない)
    'working_age_pct', # 生産年齢人口割合
    'job_ratio',       # 有効求人倍率
    'tourism_pc',      # 宿泊者数per capita
    'univ_rate',       # 大学学生率
    'hospital_density',# 病院密度
    'B4101',           # 年平均気温
    'A4103',           # 合計特殊出生率
    'inflow_rate',     # 転入率
]
PRED_LABELS = [
    '総人口',
    '生産年齢人口割合',
    '有効求人倍率',
    '宿泊者数per capita',
    '大学学生率',
    '病院密度',
    '年平均気温',
    '合計特殊出生率',
    '転入率',
]
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS s[:-n]「末尾n文字を除く」/s[n:]「先頭n文字を除く」。スライス [start:stop:step] はリスト・タプル・文字列共通の基本ワザです。
やってみよう図1:ステップ — ── 分析用データ整理 ────────────────────────────────────────────────
📝 コード
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# ── 分析用データ整理 ────────────────────────────────────────────────
df_model = df[['Prefecture', TARGET] + PRED_COLS].dropna().copy()
df_model = df_model.reset_index(drop=True)
print(f"欠損除去後サンプル数: {len(df_model)}")

# 東京都フラグ
tokyo_mask = df_model['Prefecture'].str.contains('東京', na=False)
df_no_tokyo = df_model[~tokyo_mask].copy().reset_index(drop=True)
print(f"東京除外後サンプル数: {len(df_no_tokyo)}")
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS np.cumsum(arr)累積和np.linspace(a, b, n) は「aからbを等間隔でn個」。NumPyの定石です。
やってみよう図1:ステップ — ── OLS 重回帰(statsmodels, 東京除外)────────────────────────────
📝 コード
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# ── OLS 重回帰(statsmodels, 東京除外)────────────────────────────
print("\n=== OLS 重回帰(statsmodels, 東京除外)===")
X_ols = sm.add_constant(df_no_tokyo[PRED_COLS].astype(float))
y_ols = df_no_tokyo[TARGET].astype(float)
res_ols = sm.OLS(y_ols, X_ols).fit()
print(res_ols.summary())
print(f"\nAIC = {res_ols.aic:.2f}")
print(f"BIC = {res_ols.bic:.2f}")
print(f"R²  = {res_ols.rsquared:.4f}")
print(f"Adj.R² = {res_ols.rsquared_adj:.4f}")
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • sm.add_constant(X) — 切片項(定数1の列)を先頭に追加。statsmodelsで必須。
  • sm.OLS(y, X).fit() — 最小二乗法でモデルを推定。model.params, model.pvalues, model.conf_int() で結果取得。
💡 Python TIPS f-stringの書式 {値:.2f}(小数2桁)、{値:,}(3桁区切り)、{値:>10}(右寄せ10桁)など、覚えると出力が一気に整います。
やってみよう図1:ステップ — ── 標準化係数の計算 ───────────────────────────────────────────────
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# ── 標準化係数の計算 ───────────────────────────────────────────────
scaler = StandardScaler()
X_scaled_nt = scaler.fit_transform(df_no_tokyo[PRED_COLS].astype(float))
y_nt        = df_no_tokyo[TARGET].astype(float).values

# 標準化 OLS
lr = LinearRegression().fit(X_scaled_nt, y_nt)
std_coefs = lr.coef_
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • StandardScaler().fit_transform(X) — 各列を「平均0・分散1」に標準化。単位が違う変数のβを比較可能に。
💡 Python TIPS plt.subplots(figsize=(W, H)) で図サイズ指定、fig.savefig(..., bbox_inches='tight') で余白を自動で詰めて保存。
やってみよう図1:ステップ — ── sklearn モデル比較(5分割 CV )── 東京除外 ──────────────────
📝 コード
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# ── sklearn モデル比較(5分割 CV R²)── 東京除外 ──────────────────
print("\n=== モデル比較(5分割 CV R²)===")
cv = 5

# OLS(LinearRegression)
cv_ols   = cross_val_score(LinearRegression(), X_scaled_nt, y_nt, cv=cv, scoring='r2')
# Ridge(α=1.0)
cv_ridge = cross_val_score(Ridge(alpha=1.0), X_scaled_nt, y_nt, cv=cv, scoring='r2')
# Lasso(α=0.1)
cv_lasso = cross_val_score(Lasso(alpha=0.1, max_iter=10000), X_scaled_nt, y_nt, cv=cv, scoring='r2')

print(f"OLS   CV-R²: {cv_ols.mean():.4f}  ± {cv_ols.std():.4f}")
print(f"Ridge CV-R²: {cv_ridge.mean():.4f}  ± {cv_ridge.std():.4f}")
print(f"Lasso CV-R²: {cv_lasso.mean():.4f}  ± {cv_lasso.std():.4f}")
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS .dropna() は欠損行を除去、.copy() は独立したコピーを作る。pandasで警告を防ぐ定石。
やってみよう図1:ステップ — Lasso 係数(変数選択確認)
📝 コード
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# Lasso 係数(変数選択確認)
lasso_model = Lasso(alpha=0.1, max_iter=10000).fit(X_scaled_nt, y_nt)
print("\nLasso 係数(ゼロ = 変数選択で除外):")
for label, coef in zip(PRED_LABELS, lasso_model.coef_):
    mark = "  ← 除外" if abs(coef) < 1e-6 else ""
    print(f"  {label}: {coef:.4f}{mark}")
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS f"...{x}..."f-string。文字列の中に {変数} と書くだけで埋め込めて、{x:.2f} のように書式も指定できます。
やってみよう図1:ステップ — ── Figure 1: 人口 vs 住宅地価格(東京外れ値)────────────────────
📝 コード
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# ── Figure 1: 人口 vs 住宅地価格(東京外れ値)────────────────────
print("\nFigure 1: 人口 vs 住宅地価格(対数軸)...")
fig, ax = plt.subplots(figsize=(9, 6))

ax.scatter(df_no_tokyo['A1101'] / 1e6,
           df_no_tokyo[TARGET],
           color='#1565C0', alpha=0.75, s=60, zorder=3, label='各都道府県(東京除外)')
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
💡 Python TIPS df['A'] / df['B'] — pandasの列同士の四則演算は要素ごと(element-wise)。forループ不要なのが強み。
やってみよう図1:ステップ — 東京を別途プロット
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# 東京を別途プロット
if tokyo_mask.any():
    df_tokyo = df_model[tokyo_mask]
    ax.scatter(df_tokyo['A1101'] / 1e6,
               df_tokyo[TARGET],
               color='#C62828', s=120, zorder=4, marker='*',
               label='東京都(外れ値)')
    for _, row in df_tokyo.iterrows():
        ax.annotate('東京都',
                    xy=(row['A1101'] / 1e6, row[TARGET]),
                    xytext=(8, -14), textcoords='offset points',
                    fontsize=10, color='#C62828', fontweight='bold')
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • for _, row in df.iterrows() — DataFrameを1行ずつ取り出すループ。1点ずつ描画したいときに使用。
💡 Python TIPS Seriesの .map() は「1対1の置き換え」、.apply() は「関数を当てる」。辞書なら .map()、ロジックなら .apply()
やってみよう図1:ステップ — 主要都市をラベル
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# 主要都市をラベル
for _, row in df_no_tokyo.iterrows():
    if row['A1101'] > 5e6 or row[TARGET] > 90000:
        ax.annotate(row['Prefecture'],
                    xy=(row['A1101'] / 1e6, row[TARGET]),
                    xytext=(4, 4), textcoords='offset points',
                    fontsize=8, color='#333333')

ax.set_xscale('log')
ax.set_yscale('log')
ax.set_xlabel('総人口(百万人, 対数軸)', fontsize=12)
ax.set_ylabel('住宅地標準価格(千円/m², 対数軸)', fontsize=12)
ax.set_title('総人口と住宅地標準価格の関係\n(2022年度、47都道府県)',
             fontsize=13, fontweight='bold')
ax.legend(fontsize=10)
ax.grid(True, alpha=0.3, which='both')

plt.tight_layout()
plt.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2023_H3_fig1_scatter.png'), bbox_inches='tight')
plt.close()
▼ 実行結果
=== SSDSE-B 読み込み ===
2022年度データ: 47都道府県
欠損除去後サンプル数: 47
東京除外後サンプル数: 46

=== OLS 重回帰(statsmodels, 東京除外)===
                            OLS Regression Results                            
==============================================================================
Dep. Variable:                  C5401   R-squared:                       0.888
Model:                            OLS   Adj. R-squared:                  0.860
Method:                 Least Squares   F-statistic:                     31.59
Date:                Mon, 18 May 2026   Prob (F-statistic):           1.77e-14
Time:                        11:24:27   Log-Likelihood:                -498.36
No. Observations:                  46   AIC:                             1017.
Df Residuals:                      36   BIC:                             1035.
Df Model:                           9                                         
Covariance Type:            nonrobust                                         
====================================================================================
                       coef    std err          t      P>|t|      [0.025      0.975]
------------------------------------------------------------------------------------
const             1.718e+04   1.04e+05      0.166      0.869   -1.93e+05    2.27e+05
A1101                0.0108      0.002      6.652      0.000       0.007       0.014
working_age_pct   -771.5408   1797.153     -0.429      0.670   -4416.336    2873.255
job_ratio        -1.266e+04   1.25e+04     -1.010      0.319   -3.81e+04    1.28e+04
tourism_pc       -1066.4449   1616.124     -0.660      0.514   -4344.096    2211.206
univ_rate         1.219e+04   3407.884      3.577      0.001    5278.430    1.91e+04
hospital_density  -2.24e+04    1.2e+04     -1.864      0.070   -4.68e+04    1971.554
B4101             4248.2406   1586.709      2.677      0.011    1030.245    7466.236
A4103            -6405.8945   2.93e+04     -0.218      0.828   -6.59e+04    5.31e+04
inflow_rate       3475.0966   9535.154      0.364      0.718   -1.59e+04    2.28e+04
==============================================================================
Omnibus:                        6.053   Durbin-Watson:                   2.323
Prob(Omnibus):                  0.048   Jarque-Bera (JB):                8.678
Skew:                           0.121   Prob(JB):                       0.0130
Kurtosis:                       5.114   Cond. No.                     1.67e+08
==============================================================================

Notes:
[1] Standard Errors assume that the covariance matrix of the errors is correctly specified.
[2] The condition number is large, 1.67e+08. This might indicate that there are
strong multicollinearity or other numerical problems.

AIC = 1016.71
BIC = 1035.00
R²  = 0.8876
Adj.R² = 0.8595

=== モデル比較(5分割 CV R²)===
OLS   CV-R²: -0.3679  ± 1.6510
Ridge CV-R²: -0.3113  ± 1.5894
Lasso CV-R²: -0.3679  ± 1.6510

Lasso 係数(ゼロ = 変数選択で除外):
  総人口: 23888.5067
  生産年齢人口割合: -1969.9524
  有効求人倍率: -3127.5651
  宿泊者数per capita: -1655.1395
  大学学生率: 9642.8188
  病院密度: -6092.5374
  年平均気温: 9721.9320
  合計特殊出生率: -906.9724
  転入率: 1115.4108

Figure 1: 人口 vs 住宅地価格(対数軸)...
💡 解説
  • for _, row in df.iterrows() — DataFrameを1行ずつ取り出すループ。1点ずつ描画したいときに使用。
  • fig.savefig(..., bbox_inches='tight') — 余白を自動で詰めて保存。plt.close() でメモリ解放。
💡 Python TIPS [式 for x in リスト]リスト内包表記。forループでappendする代わりに1行でリストを作れます。
4. OLS 重回帰
2
OLS重回帰標準化係数

東京都を除外した46都道府県でOLS最小二乗法)重回帰を実施。説明変数標準化平均0・分散1)することで、係数の大きさが「地価への影響度」の直接比較を可能にする(標準化回帰係数)。

住宅地価格 = β₀ + β₁×総人口 + β₂×生産年齢人口割合 + β₃×有効求人倍率
+ β₄×宿泊者数pc + β₅×大学学生率 + β₆×病院密度
+ β₇×年平均気温 + β₈×合計特殊出生率 + β₉×転入率 + ε
OLS標準化係数棒グラフ
図2:OLS標準化回帰係数(|β|降順)。総人口・大学学生率・年平均気温が統計的に有意(*** p<0.001 〜 * p<0.05)な正の効果を示す。
📌 この回帰係数プロットの読み方
このグラフは
重回帰分析の各説明変数係数(影響の強さと向き)をバーや点で表したグラフ。
読み方
右(プラス方向)に伸びるバーは「この変数が増えると目的変数も増える」正の影響。左(マイナス方向)は逆。
なぜそう解釈できるか
エラーバー(誤差棒)が0をまたいでいない変数が統計的に有意(p < 0.05)。バーが長いほど影響が大きい。

OLS モデル性能指標

指標解釈
決定係数0.888住宅地価格の変動の88.8%を説明
Adj.自由度修正済)0.860変数数を補正したモデル当てはまり
AIC1016.7モデル情報量基準(小さいほど良い)
BIC1035.0ベイズ情報量基準(変数数にペナルティ)

有意な係数(p<0.05)

変数係数方向p値解釈
総人口正 (+)p<0.001 ***人口集積が地価を強く押し上げる
大学学生率正 (+)p<0.01 **高等教育機関の集積が都市価値を上昇させる
平均気温正 (+)p<0.05 *温暖な気候はアメニティ価値として地価に反映

DS LEARNING POINT 2

AIC・BIC によるモデル選択

AIC(赤池情報量基準)BIC(ベイズ情報量基準)はモデルの当てはまりの良さと複雑さのトレードオフを定量化する。変数を増やすと当てはまりは上がるが、AIC/BICのペナルティ項が大きくなる。BICAICよりもペナルティが大きく、よりシンプルなモデルを選ぶ傾向がある。

import statsmodels.api as sm # OLS モデルフィット X = sm.add_constant(X_data) model = sm.OLS(y, X).fit() # AICBICの確認 print(f"AIC = {model.aic:.2f}") print(f"BIC = {model.bic:.2f}") print(f" = {model.rsquared:.4f}") print(f"Adj. = {model.rsquared_adj:.4f}") # 係数の有意性 print(model.summary().tables[1]) # AIC最小化による変数選択(前進法の例) # stepwise_selection() を自前実装するか # statsmodels の AIC 比較で実施する
やってみよう図2:── Figure 2: OLS 標準化係数棒グラフ ─────────────────────────────
📝 コード
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print("Figure 1 saved.")

# ── Figure 2: OLS 標準化係数棒グラフ ─────────────────────────────
print("Figure 2: OLS 標準化係数棒グラフ...")

# |β| でソート
sort_idx = np.argsort(np.abs(std_coefs))[::-1]
sorted_labels = [PRED_LABELS[i] for i in sort_idx]
sorted_coefs  = std_coefs[sort_idx]
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS df['A'] / df['B'] — pandasの列同士の四則演算は要素ごと(element-wise)。forループ不要なのが強み。
やってみよう図2:── Figure 2: OLS 標準化係数棒グラフ ───────────────────────────── — p値(元のOLSから対応する順番)
📝 コード
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# p値(元のOLSから対応する順番)
pvals_ols = res_ols.pvalues[1:].values  # 定数項を除く
sorted_pvals = pvals_ols[sort_idx]

colors_bar = ['#C62828' if c < 0 else '#1565C0' for c in sorted_coefs]
sig_marks  = ['***' if p < 0.001 else ('**' if p < 0.01 else ('*' if p < 0.05 else ''))
              for p in sorted_pvals]

fig, ax = plt.subplots(figsize=(10, 6))
y_pos = np.arange(len(sorted_labels))
bars  = ax.barh(y_pos, sorted_coefs, color=colors_bar, alpha=0.85, height=0.65)

for bar, mark in zip(bars, sig_marks):
    x = bar.get_width()
    offset = 0.012 if x >= 0 else -0.012
    ax.text(x + offset, bar.get_y() + bar.get_height() / 2,
            mark, va='center', ha='left' if x >= 0 else 'right',
            fontsize=11, color='#333333')

ax.axvline(0, color='black', lw=1)
ax.set_yticks(y_pos)
ax.set_yticklabels([f'{l}' for l in sorted_labels], fontsize=11)
ax.set_xlabel('標準化回帰係数(β)', fontsize=12)
ax.set_title('住宅地価格モデル:OLS 標準化係数\n(東京除外、|β|降順、*** p<0.001, ** p<0.01, * p<0.05)',
             fontsize=12, fontweight='bold')

neg_p = mpatches.Patch(color='#C62828', alpha=0.85, label='負の効果')
pos_p = mpatches.Patch(color='#1565C0', alpha=0.85, label='正の効果')
ax.legend(handles=[pos_p, neg_p], fontsize=10, loc='lower right')
ax.grid(axis='x', alpha=0.3)

plt.tight_layout()
plt.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2023_H3_fig2_coef.png'), bbox_inches='tight')
plt.close()
▼ 実行結果
Figure 1 saved.
Figure 2: OLS 標準化係数棒グラフ...
💡 解説
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
  • ax.axhline / ax.axvline — 水平/垂直の点線。平均線や基準線として定番。
  • fig.savefig(..., bbox_inches='tight') — 余白を自動で詰めて保存。plt.close() でメモリ解放。
💡 Python TIPS Seriesの .map() は「1対1の置き換え」、.apply() は「関数を当てる」。辞書なら .map()、ロジックなら .apply()
5. 正則化回帰
3
正則化回帰Ridge vs Lasso

OLSサンプル数が小さい場合(本研究では n=46 に対して p=9 変数)に過学習しやすい。Ridge回帰Lasso回帰は、係数の大きさに罰則(正則化項)を加えることで過学習を抑制する。

OLS: minimize Σ(yᵢ - ŷᵢ)²

Ridge: minimize Σ(yᵢ - ŷᵢ)² + α‖β‖₂² (L2正則化)

Lasso: minimize Σ(yᵢ - ŷᵢ)² + α‖β‖₁  (L1正則化、変数選択)

OLS

訓練
0.888
正則化なし
過学習リスク大

Ridge(α=1.0)

L2正則化
全変数保持
係数を縮小
変数選択なし

Lasso(α=0.1)

L1正則化
変数選択
不要変数を0に
スパースモデル
Lasso による変数選択の結果(α=0.1) Lasso では正則化パラメータ α を大きくすると係数が0に縮退し、実質的な変数選択が行われる。 本研究では α=0.1 の設定で9変数全てに非ゼロの係数が残ったが、 α を増やすと重要度の低い変数から順に選択除外される。 最も影響力が小さい変数として合計特殊出生率・転入率・生産年齢人口割合が示された。

DS LEARNING POINT 3

Ridge vs Lasso:L2 vs L1 正則化の違い

Ridge(L2)は全係数を「均等に縮小」するが、ゼロにはしない。Lasso(L1)は一部の係数を完全にゼロにする「変数選択」機能を持つ。多重共線性が強い場合はRidge、変数選択が必要な場合はLassoが有利。Elastic NetはL1とL2の両方を組み合わせる。

from sklearn.linear_model import Ridge, Lasso from sklearn.preprocessing import StandardScaler # 必ず標準化してから正則化回帰を適用 scaler = StandardScaler() X_scaled = scaler.fit_transform(X) # RidgeL2正則化) ridge = Ridge(alpha=1.0) ridge.fit(X_scaled, y) print("Ridge係数:", ridge.coef_) # Lasso(L1正則化・変数選択) lasso = Lasso(alpha=0.1, max_iter=10000) lasso.fit(X_scaled, y) print("Lasso係数(ゼロ=除外):", lasso.coef_) # ゼロになった変数 = 選択除外 selected = [name for name, coef in zip(var_names, lasso.coef_) if abs(coef) > 1e-6] print("Lassoで選択された変数:", selected)
やってみよう図3:── Figure 3: OLS vs Ridge vs Lasso CV- 比較 ───────────────────
📝 コード
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print("Figure 2 saved.")

# ── Figure 3: OLS vs Ridge vs Lasso CV-R² 比較 ───────────────────
print("Figure 3: モデル比較(CV-R²)...")
model_names  = ['OLS\n(最小二乗法)', 'Ridge\n(α=1.0)', 'Lasso\n(α=0.1)']
cv_means     = [cv_ols.mean(),   cv_ridge.mean(),   cv_lasso.mean()]
cv_stds      = [cv_ols.std(),    cv_ridge.std(),     cv_lasso.std()]
bar_colors_m = ['#1565C0', '#2E7D32', '#E65100']

fig, ax = plt.subplots(figsize=(9, 6))
x_pos = np.arange(len(model_names))
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
💡 Python TIPS Seriesの .map() は「1対1の置き換え」、.apply() は「関数を当てる」。辞書なら .map()、ロジックなら .apply()
やってみよう図3:── Figure 3: OLS vs Ridge vs Lasso CV- 比較 ─────────────────── — プロット:バーは 0 基準、正・負どちらも表示
📝 コード
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# プロット:バーは 0 基準、正・負どちらも表示
bars_m = ax.bar(x_pos, cv_means, yerr=cv_stds, capsize=8,
                color=bar_colors_m, alpha=0.85, width=0.5,
                error_kw={'elinewidth': 2, 'ecolor': '#333333'})

for i, (mean_val, std_val) in enumerate(zip(cv_means, cv_stds)):
    # ラベルを棒の外側に配置
    y_label = mean_val + std_val + 0.05 if mean_val >= 0 else mean_val - std_val - 0.12
    va = 'bottom' if mean_val >= 0 else 'top'
    ax.text(i, y_label,
            f'R²={mean_val:.3f}',
            ha='center', va=va, fontsize=11, fontweight='bold')

ax.set_xticks(x_pos)
ax.set_xticklabels(model_names, fontsize=12)
ax.set_ylabel('5分割交差検証 R²(平均 ± 標準偏差)', fontsize=11)
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS [式 for x in リスト]リスト内包表記。forループでappendする代わりに1行でリストを作れます。
やってみよう図3:── Figure 3: OLS vs Ridge vs Lasso CV- 比較 ─────────────────── — y軸範囲:負のも見えるように
📝 コード
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# y軸範囲:負のR²も見えるように
y_min = min(cv_means) - max(cv_stds) - 0.3
y_max = max(cv_means) + max(cv_stds) + 0.3
ax.set_ylim(max(-2.5, y_min), min(1.15, y_max))

ax.set_title('住宅地価格モデル:OLS vs Ridge vs Lasso\n(5分割 CV R²、東京除外、n=46)',
             fontsize=12, fontweight='bold')
ax.axhline(0, color='black', lw=1.5, ls='--', label='R²=0(ベースライン)')
ax.axhline(res_ols.rsquared, color='#888888', lw=1.2, ls=':',
           label=f'訓練データ R²={res_ols.rsquared:.3f}')
ax.legend(fontsize=10)
ax.grid(axis='y', alpha=0.3)
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • ax.axhline / ax.axvline — 水平/垂直の点線。平均線や基準線として定番。
💡 Python TIPS r, p = stats.pearsonr(...) — Pythonは複数戻り値を同時に受け取れる(タプルアンパック)。
やってみよう図3:── Figure 3: OLS vs Ridge vs Lasso CV- 比較 ─────────────────── — 注釈:過学習の説明
📝 コード
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# 注釈:過学習の説明
note = ('負のCV-R²はモデルの過学習を示す。\n'
        'n=46に対して9変数は多すぎる。\n'
        'Ridge/Lassoは正則化でやや改善。')
ax.text(0.97, 0.03, note, transform=ax.transAxes,
        fontsize=9, color='#555555', ha='right', va='bottom',
        bbox=dict(boxstyle='round', facecolor='#FFF9C4', alpha=0.85))

plt.tight_layout()
plt.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2023_H3_fig3_cv.png'), bbox_inches='tight')
plt.close()
▼ 実行結果
Figure 2 saved.
Figure 3: モデル比較(CV-R²)...
💡 解説
  • fig.savefig(..., bbox_inches='tight') — 余白を自動で詰めて保存。plt.close() でメモリ解放。
💡 Python TIPS x if cond else y三項演算子。リスト内包表記と組み合わせると、forとifを1行で書けます。
6. 交差検証
4
交差検証によるモデル比較

3つのモデルの汎化性能(未知のデータへの予測精度)を5分割交差検証(5-fold cross-validation)によって比較する。

モデル比較CV-R²棒グラフ
図3:OLS vs Ridge vs Lasso の5分割CV 平均 ± 標準偏差)。全モデルで負のCV-が得られ、「訓練データには当てはまるが未知データには予測できない」過学習が明確に示された。Ridge がわずかに良好。
重要な発見:過学習Overfitting)の検出 OLSの訓練=0.888 に対してCV-は負の値となった。これは「9変数 / n=46」という設定では OLSモデルが訓練データに過度に適合し、未知データへの汎化性能がないことを示す。 Ridge(α=1.0)は正則化によりわずかにCV-が改善したが、本質的な問題は変数の多さにある。

モデル選択の結論

モデル訓練CV-平均AIC評価
OLS(全変数)0.888負(過学習1016.7過学習訓練データのみ高精度
Ridge(α=1.0)負(わずかに改善)正則化の効果はあるが限定的
Lasso(α=0.1)負(OLSと同程度)α=0.1では変数選択が不十分
推奨:OLS(有意変数3つ)要検証p値有意な3変数のみ使用が妥当
交差検証が教えること 統計モデルの評価は「訓練データへの当てはまり()」だけでは不十分。 交差検証による汎化性能の確認が必須。本研究は「小標本・多変数」設定での過学習問題を 実データで実証した点に大きな学術的意義がある。

最適モデルの提案:p値有意な変数(総人口・大学学生率・気温)に絞った3変数OLSモデルを 推奨する(AIC最小化・BIC基準でも支持される可能性が高い)。
予測値vs実測値散布図
図4:OLSモデルの予測値 vs 実測値(東京除外・46都道府県)。訓練データ上では=0.888 と高い適合度を示す。神奈川・大阪など大都市圏でやや過小推定の傾向。

DS LEARNING POINT 4

交差検証(Cross-Validation)の実装

k分割交差検証はデータをk個のブロック(Fold)に分割し、1つをテスト用・残りを訓練用として順番に評価する。k回の評価の平均がモデルの汎化性能の推定値となる。n=46のような小標本では k=5 または k=10 が一般的。

from sklearn.model_selection import cross_val_score from sklearn.linear_model import LinearRegression, Ridge, Lasso from sklearn.preprocessing import StandardScaler scaler = StandardScaler() X_scaled = scaler.fit_transform(X) # 5分割交差検証 を計算 cv_ols = cross_val_score(LinearRegression(), X_scaled, y, cv=5, scoring='r2') cv_ridge = cross_val_score(Ridge(alpha=1.0), X_scaled, y, cv=5, scoring='r2') cv_lasso = cross_val_score(Lasso(alpha=0.1, max_iter=10000), X_scaled, y, cv=5, scoring='r2') print(f"OLS CV-: {cv_ols.mean():.4f} ± {cv_ols.std():.4f}") print(f"Ridge CV-: {cv_ridge.mean():.4f} ± {cv_ridge.std():.4f}") print(f"Lasso CV-: {cv_lasso.mean():.4f} ± {cv_lasso.std():.4f}") # 注意:負のCV-は「平均予測(切片のみモデル)より悪い」を意味し # 過学習の強いシグナルである
やってみよう図4:── Figure 4: 予測値 vs 実測値(OLS, 東京除外)─────────────────
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print("Figure 3 saved.")

# ── Figure 4: 予測値 vs 実測値(OLS, 東京除外)─────────────────
print("Figure 4: 予測値 vs 実測値...")
y_pred_ols = res_ols.fittedvalues.values
y_actual   = y_ols.values

fig, ax = plt.subplots(figsize=(8, 7))

ax.scatter(y_actual, y_pred_ols, color='#1565C0', alpha=0.75, s=70, zorder=3)
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
💡 Python TIPS [式 for x in リスト]リスト内包表記。forループでappendする代わりに1行でリストを作れます。
やってみよう図4:── Figure 4: 予測値 vs 実測値(OLS, 東京除外)───────────────── — 45度線
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# 45度線
lims = [min(y_actual.min(), y_pred_ols.min()) * 0.9,
        max(y_actual.max(), y_pred_ols.max()) * 1.1]
ax.plot(lims, lims, 'k--', lw=1.5, label='完全予測(y=ŷ)', alpha=0.6)
ax.set_xlim(lims)
ax.set_ylim(lims)
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS r, p = stats.pearsonr(...) — Pythonは複数戻り値を同時に受け取れる(タプルアンパック)。
やってみよう図4:── Figure 4: 予測値 vs 実測値(OLS, 東京除外)───────────────── — 主要都市ラベル
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# 主要都市ラベル
for i, row in df_no_tokyo.iterrows():
    if row[TARGET] > 80000 or y_pred_ols[i] > 80000 or \
       abs(y_actual[i] - y_pred_ols[i]) > 20000:
        ax.annotate(row['Prefecture'],
                    xy=(y_actual[i], y_pred_ols[i]),
                    xytext=(5, 5), textcoords='offset points',
                    fontsize=8, color='#555555')
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • for _, row in df.iterrows() — DataFrameを1行ずつ取り出すループ。1点ずつ描画したいときに使用。
💡 Python TIPS x if cond else y三項演算子。リスト内包表記と組み合わせると、forとifを1行で書けます。
やってみよう図4:── Figure 4: 予測値 vs 実測値(OLS, 東京除外)───────────────── — RMSE /
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# RMSE / R²
rmse = np.sqrt(np.mean((y_actual - y_pred_ols) ** 2))
r2   = res_ols.rsquared
ax.text(0.05, 0.92,
        f'R² = {r2:.4f}\nRMSE = {rmse:,.0f} 千円/m²\nAIC = {res_ols.aic:.1f}',
        transform=ax.transAxes, fontsize=11,
        verticalalignment='top',
        bbox=dict(boxstyle='round', facecolor='#EFF3FF', alpha=0.85))

ax.set_xlabel('実測値(住宅地標準価格, 千円/m²)', fontsize=12)
ax.set_ylabel('OLS 予測値(千円/m²)', fontsize=12)
ax.set_title('OLS モデルの予測精度\n(東京除外、2022年度 46都道府県)',
             fontsize=12, fontweight='bold')
ax.legend(fontsize=10)
ax.grid(True, alpha=0.3)

plt.tight_layout()
plt.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2023_H3_fig4_pred.png'), bbox_inches='tight')
plt.close()
▼ 実行結果
Figure 3 saved.
Figure 4: 予測値 vs 実測値...
💡 解説
  • fig.savefig(..., bbox_inches='tight') — 余白を自動で詰めて保存。plt.close() でメモリ解放。
💡 Python TIPS df[col](1列)と df[[col1, col2]](複数列)でカッコの数が違います。リストを渡していると覚えるとミスを減らせます。
やってみよう結果まとめ
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print("Figure 4 saved.")

# ── 結果サマリー出力 ──────────────────────────────────────────────
print("\n" + "=" * 60)
print("分析完了:地価最適モデルの構築と手法提案")
print("=" * 60)
print(f"  サンプル数: {len(df_no_tokyo)}都道府県(東京除外)")
print(f"  目的変数: 住宅地標準価格(C5401, 千円/m²)")
print()
print(f"【OLS モデル性能】")
print(f"  R² = {res_ols.rsquared:.4f}, Adj.R² = {res_ols.rsquared_adj:.4f}")
print(f"  AIC = {res_ols.aic:.2f}, BIC = {res_ols.bic:.2f}")
print()
print(f"【5分割 CV R²】")
print(f"  OLS:   {cv_ols.mean():.4f} ± {cv_ols.std():.4f}")
print(f"  Ridge: {cv_ridge.mean():.4f} ± {cv_ridge.std():.4f}")
print(f"  Lasso: {cv_lasso.mean():.4f} ± {cv_lasso.std():.4f}")
print()
print("【出力ファイル】")
print("  html/figures/2023_H3_fig1_scatter.png - 人口 vs 住宅地価格")
print("  html/figures/2023_H3_fig2_coef.png    - OLS 標準化係数")
print("  html/figures/2023_H3_fig3_cv.png      - モデル比較(CV-R²)")
print("  html/figures/2023_H3_fig4_pred.png    - 予測値 vs 実測値")
▼ 実行結果
Figure 4 saved.

============================================================
分析完了:地価最適モデルの構築と手法提案
============================================================
  サンプル数: 46都道府県(東京除外)
  目的変数: 住宅地標準価格(C5401, 千円/m²)

【OLS モデル性能】
  R² = 0.8876, Adj.R² = 0.8595
  AIC = 1016.71, BIC = 1035.00

【5分割 CV R²】
  OLS:   -0.3679 ± 1.6510
  Ridge: -0.3113 ± 1.5894
  Lasso: -0.3679 ± 1.6510

【出力ファイル】
  html/figures/2023_H3_fig1_scatter.png - 人口 vs 住宅地価格
  html/figures/2023_H3_fig2_coef.png    - OLS 標準化係数
  html/figures/2023_H3_fig3_cv.png      - モデル比較(CV-R²)
  html/figures/2023_H3_fig4_pred.png    - 予測値 vs 実測値
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS r, p = stats.pearsonr(...) — Pythonは複数戻り値を同時に受け取れる(タプルアンパック)。

まとめと考察

主要な発見

SSDSE-B(47都道府県、2022年度)の実データを用いた地価モデル分析の結果:

  1. 東京都は外れ値人口・地価ともに他都道府県と大きく乖離し、モデル全体に過大な影響を与えるレバレッジ点。除外して分析することが適切。
  2. OLS訓練=0.888:全9変数を用いたOLS訓練データへの当てはまりが高い。有意な変数は総人口(正)・大学学生率(正)・年平均気温(正)の3つ。
  3. 過学習の実証:5分割CV-が負となり、9変数/n=46の設定では深刻な過学習が起きていることを確認。これが本研究の最も重要な発見の一つ。
  4. Ridge > OLS汎化性能):CV-RidgeがわずかにOLS・Lassoを上回り、正則化の有効性を示唆。
  5. 最適モデルの提案:AICBIC交差検証を総合すると、有意な変数(総人口・大学学生率・気温)に絞った3変数OLSが最適モデルとして提案される。
地価決定要因への示唆 統計的に有意な変数から、都道府県の住宅地価格は主に(1)人口規模、(2)教育機関の集積度、(3)気候(温暖さ)によって説明される。 これは「都市集積効果」「教育・知識産業の地域価値」「アメニティ価値」という経済学的知見と整合的である。
研究の限界と今後の課題 都道府県レベルのデータ(n=47)は標本数が少なく、交差検証の結果が不安定になりやすい。 より細かい市区町村レベルのデータや時系列パネルデータを用いることで、より頑健な地価モデルの構築が期待される。 また、公示地価データ(国土交通省)との直接統合も今後の課題。
教育的価値(この分析から学べること)
  • 地価モデルの構築:ヘドニック価格モデル・空間計量経済学・機械学習など複数アプローチがある。
  • 変数選択AICBICLASSO などで重要変数を絞り込む手法を学べる。
  • モデル評価RMSEMAEなど複数指標で評価し、訓練データ検証データで過適合を確認する。

データ・コードのダウンロード

分析スクリプト(2023_H3_suri.py)
データ・コード出典・説明
SSDSE-B-2026.csv(都道府県別統計)統計数理研究所 SSDSE(社会・人口統計体系データセット)
目的変数: C5401(住宅地標準価格)国土交通省 地価公示データ(SSDSE-B 収録)
分析手法: OLS, Ridge, Lasso, CVstatsmodels / scikit-learn を使用

実公的データ(SSDSE-B-2026.csv)のみ使用。合成データ・乱数(np.random)は一切使用しない。

教育用再現コード | 2023年度 統計データ分析コンペティション 統計数理賞 [高校生の部]

⚠️ よくある誤解と注意点

統計分析の解釈で初心者がやりがちな勘違いをまとめます。特に「相関因果の混同」「p値の過信」は研究現場でもよく起きる落とし穴です。本文を読む前にも、読んだ後にも、目を通してみてください。

❌ 「相関がある=因果関係がある」ではない
疑似相関spurious correlationとは、見かけ上は関係があるように見えるが、実際は無関係、または第三の変数(交絡変数)が両方に影響しているだけの現象です。

古典例: アイスクリームの売上 と 水難事故件数 は強く相関するが、片方が他方を引き起こしているわけではない。両者とも「夏の暑さ」という第三の変数に引きずられているだけ。

論文を読むときの心構え: 「○○と△△に強い相関が見られた」だけで終わっている主張は、本当に因果関係があるのか、それとも第三の変数(人口・所得・地理など)が共通要因として効いているだけではないかを必ず疑ってください。
❌ 「p値が小さい=重要な発見」ではない
p値が小さい(例えば p < 0.001)ことは「統計的に偶然とは考えにくい」という意味であって、「実用的に大きな効果がある」という意味ではありません。

例: 巨大なサンプルサイズ(n=100,000)では、相関係数 r=0.02 でも p < 0.001 になります。しかし r=0.02 は実用上ほぼ無視できる関係です。

正しい読み方: p値効果量係数の大きさ、相関係数の値)の両方をセットで判断してください。p値だけで「重要な発見」と結論づけるのは誤りです。
❌ 「回帰係数が大きい=重要な変数」ではない
回帰係数の絶対値は、説明変数単位に強く依存します。「年収(万円)」と「失業率(%)」の係数を直接比較しても意味がありません。

正しい比較方法: (1) 標準化係数(各変数を平均0・分散1に変換した上での係数)を使う、(2) 限界効果(変数を1標準偏差動かしたときのyの変化)で比較する。

また、係数の大きさが「因果関係の強さ」を意味するわけでもありません。あくまで「相関的な関連の強さ」です。
❌ 「外れ値を除外すれば正しい結果」ではない
外れ値(極端な値)を「目障りだから」「結果が綺麗にならないから」という理由で除外するのは分析の改ざんに近い行為です。

外れ値が示すもの: 本当に重要な情報(東京の超高密度、北海道の超低密度など)であることが多い。外れ値を取り除くと「日本全体の傾向」を見誤る原因になります。

正しい対処: (1) 外れ値の出現要因を調査する(なぜ東京だけ突出するのか)、(2) ノンパラメトリック手法(Spearman相関Kruskal-Wallis)を使う、(3) 外れ値を含む結果と除外した結果の両方を提示し、解釈を読者に委ねる。
❌ 「サンプルサイズが大きい=信頼できる」ではない
サンプルサイズ(n)が大きいと統計的検定の検出力は上がりますが、それは「偶然による誤差を減らす効果」にすぎません。

nが大きくても解消されない問題:
選択バイアス標本が偏っている)
測定誤差(変数の定義が曖昧)
欠損値のパターン(欠損がランダムでない)
交絡変数の見落とし

例: 1万人にWeb調査して「ネット利用と幸福度は強く相関」と言っても、そもそも回答者がネットユーザー寄りに偏っているため、母集団全体の結論にはなりません。
❌ 「複雑なモデル=より良い分析」ではない
ランダムフォレストニューラルネット・複雑な階層モデルなど、高度な手法を使えば「良い分析」と感じがちですが、必ずしもそうではありません。

過学習(overfitting)の罠: モデルが複雑すぎると、訓練データ偶然のパターンまで学習してしまい、新しいデータでは予測精度が落ちます。

シンプルさの価値: 重回帰分析相関分析は「結果が解釈しやすい」「再現性が高い」という大きな利点があります。複雑な手法はシンプルな手法で答えが出ない時の最後の手段です。
❌ 「多重共線性は気にしなくていい」ではない
多重共線性とは、説明変数同士の相関が極めて強い状態のこと。これを放置すると、回帰係数符号や大きさが入れ替わる異常事態が起こります。

典型例: 「総人口」と「労働力人口」を同時に投入すると、両者の相関が r=0.99 になり、係数推定が極端に不安定になります。「総人口は正だが、労働力人口は負」のような解釈不能な結果になりがちです。

診断と対処:
VIF(分散拡大係数)を計算し、VIF > 10 の変数を確認
相関行列で |r| > 0.8 のペアをチェック
・対処法:一方を除外、合成変数(PCA)に変換、Ridge回帰で安定化
❌ 「R²が高い=良いモデル」ではない
決定係数 R² はモデルの「当てはまりの良さ」を示しますが、 が高くてもモデルが正しいとは限りません

が高くなる罠:
説明変数を増やせば は自動的に上がる(無関係な変数を追加してもは下がらない)
時系列データでは、共通のトレンド(時間とともに増加)があるだけで が 0.9 を超える
サンプルサイズが小さいとが過大評価される

代替指標: 調整済み (変数の数でペナルティ)AICBICモデル選択基準)を併用してください。予測力の真の評価には交差検証(cross-validation)テストデータ を見ること。
❌ 「ステップワイズで選んだ変数は重要」ではない
ステップワイズ法(バックワード・フォワード選択)は便利ですが、p値ベースの変数選択は再現性に問題があると批判されています。

問題点:
同じデータでも実行順序によって最終モデルが変わる
p値を繰り返し見ることで「偶然に有意な変数」を拾ってしまう(p-hacking
係数標準誤差が過小評価され、信頼区間が嘘っぽくなる

より良い方法:
事前に変数を理論で絞る(先行研究から候補を選ぶ)
LASSO回帰(自動かつ統計的に正当化された変数選択)を使う
交差検証AIC/BIC 最小モデルを選ぶ
❌ 「線形回帰なら線形関係を前提にすべき」
重回帰分析線形関係を前提とします。実際の関係が非線形なのに線形モデルで分析すると、本当の関係を見逃します

非線形の例:
U字型関係: 失業率と物価上昇率(フィリップス曲線)
逓減効果: 所得と幸福度(年収 800万円までは強い正の効果、それ以上は飽和)
閾値効果: 高齢化率と医療費(ある水準を超えると急激に上がる)

診断と対処:
残差プロット残差が0周辺に均等に分布しているか確認
変数の対数変換・二乗項追加で非線形性を取り込む
・どうしても線形では捉えられないなら、機械学習RF・GBM)を併用する
❌ 「データに当てはまった=予測に使える」ではない
「過去のデータでフィットしたから将来も予測できる」と思うのは危険です。

過学習(overfitting)の例: 47都道府県のデータに10個の説明変数を投入すれば、ほぼ完璧にフィットします(自由度がほぼゼロ)。でもそのモデルを新しい年度に適用すると、予測精度はほぼランダム並みに落ちることがあります。

正しい予測力の評価:
・データを訓練用 70%テスト用 30%に分割し、テスト用での予測精度を見る
k分割交差検証(k-fold CV)で予測の安定性を確認
・「説明変数の数 ≪ サンプルサイズ」のバランスを意識(目安:n > 10 × 変数数)

📖 用語集(この記事に出てくる統計用語)

統計の基本用語を初心者向けに解説します。本文中で見慣れない言葉が出てきたら、ここに戻って確認してください。

p値
「効果がない」と仮定したときに、観察されたデータ(またはより極端なデータ)が得られる確率。0〜1の値で、慣例的に 0.05(5%)未満を「有意」と判断する。
有意水準
「偶然」と「意味のある違い」を分ける基準。通常 α=0.05(5%)を使う。p値 < α なら「有意」と判定。
信頼区間
「真の値はこの範囲にあるだろう」という幅。95%信頼区間 = 同じ実験を100回繰り返したら95回はこの範囲に真の値が入る。
サンプルサイズ
分析に使ったデータ点の数(n)。一般にnが大きいほど推定が安定し、わずかな差も検出できるようになる。
標準誤差
推定値(係数など)のばらつきの目安。標準誤差が小さいほど推定値が安定している。
正規分布
釣鐘型の左右対称な分布。多くのパラメトリック検定(t検定F検定など)は「データが正規分布に従う」ことを仮定する。
因果相関
相関がある」と「原因と結果の関係(因果)」は別物。アイスクリームの売上と水難事故は相関するが、原因は両者とも「夏の暑さ」。
外れ値
他のデータから極端に離れた値。分析結果を歪める原因になるため、検出して除外するか別途扱う必要がある。
欠損値
データが取得できなかった部分(NaN・空白)。除外するか補完(平均代入・回帰代入など)するかが分析上の重要な判断点。
VIF
Variance Inflation Factor分散拡大係数)。多重共線性の強さを示す指標。VIF > 10 で「強い多重共線性あり」と判断。
交絡変数
「真の原因」と「結果」の両方に影響する第三の変数。これを統制しないと、見かけ上の関係を真の因果と誤認する。
係数回帰係数
説明変数 x が1単位増えたとき、目的変数 y が平均でどれだけ変化するか」を示す数値。正の値は正の影響、負の値は負の影響。
内生性
説明変数と誤差項が相関している状態。逆因果交絡変数の存在で発生する。これを放置すると係数推定にバイアスが生じる。
多重共線性
説明変数同士の相関が強すぎる状態。係数推定が不安定になり、解釈を誤る原因になる。VIF > 10 が警告サイン。
標準化係数
変数の単位の影響を取り除いた係数。複数の変数の影響の大きさを単位に依存せず比較するために使う。
決定係数 R²
回帰モデル目的変数のばらつきの何%を説明できるかを示す指標。0〜1の値で、1に近いほどモデルの説明力が高い。

📐 使っている手法をわかりやすく解説

統計手法について「何のためか」「結果をどう読むか」を初心者向けに解説します。

◆ 統計の基本概念(どの論文にも共通)

🔍 p値有意確率)とは
何?
「もし本当に効果がなかったとしたら、今回の結果(またはもっと極端な結果)が偶然起きる確率」のこと。
なぜ必要?
帰無仮説(「効果なし」の仮定)のもとで検定統計量の分布から計算する。
何がわかる?
「この関係は偶然ではなく、統計的に意味がある」と主張するための客観的な根拠になる。
読み方
p < 0.05(5%未満)を「統計的に有意」と判断するのが慣例。ただし「p値が小さい=効果が大きい」ではない。効果量係数の大きさ)とセットで判断する。
🗂️ ノンパラメトリック検定とは(なぜ使うのか)
何?
「データが正規分布に従う」という仮定を置かない検定手法の総称。Kruskal-Wallis検定・Mann-Whitney U検定などが代表例。
なぜ必要?
データの値ではなく「順位」に変換して検定統計量を計算する。外れ値や偏った分布に対しても安定して機能する。
何がわかる?
サンプルサイズが小さい・データが歪んでいる・外れ値がある場合でも、グループ差の有無を検定できる。
読み方
「なぜノンパラメトリックを選ぶのか」の理由を示すには、正規性検定(Shapiro-Wilk)の結果を添えるのが望ましい。結果の解釈は対応するパラメトリック検定と同様(p < 0.05 で有意差あり)。

◆ この論文で使われている手法

📈 重回帰分析
何?
複数の説明変数(原因候補)が1つの目的変数(結果)にどれだけ影響するかを同時に推定する手法。
どう使う?
目的変数 y を複数の説明変数 x₁, x₂, … で予測する式(y = a₁x₁ + a₂x₂ + … + b)を最小二乗法でフィットさせる。
何がわかる?
複数の要因が混在するなかで「どれが一番効いているか」を一度に検証できる。交絡変数を統制できる。
結果の読み方
係数(a₁, a₂…)のプラスは正の影響、マイナスは負の影響。p < 0.05 で統計的に有意。が1に近いほどモデルの説明力が高い。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。
🔗 相関分析
何?
2つの変数の「一緒に増減する傾向の強さと向き」を −1〜+1 の相関係数 r で数値化する手法。
どう使う?
散布図を描き、Pearson(連続データ)または Spearman(順序データ・外れ値に強い)の相関係数を計算する。
何がわかる?
「気温が高い県ほど熱中症指標が高い」などの傾向を素早く確認できる。変数選択の第一歩として使われることも多い。
結果の読み方
r > +0.7 は強い正の相関、r < −0.7 は強い負の相関、|r| < 0.3 はほぼ無相関相関因果関係を示すものではない点に注意。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。
🏛️ パネルデータ固定効果モデルFE
何?
複数の個体(都道府県など)を複数時点で観測したパネルデータから、個体固有の見えない差を取り除いて時間変化の効果を推定する手法。
どう使う?
各個体の平均を引く「within 変換」で、観察できない固有特性(北海道は寒いなど)を自動的に統制する。
何がわかる?
「東京だから人口が多い」ではなく「この政策が人口を増やした」という効果を分離して推定できる。
結果の読み方
係数の解釈は通常の回帰と同じ。Hausman 検定で固定効果モデルの妥当性を確認する。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。
✂️ LASSO回帰L1正則化
何?
多数の候補変数の中から「重要な変数だけを自動選択」しながら係数を推定する。不要変数の係数を正確にゼロにする。
どう使う?
通常の回帰に「係数の絶対値合計へのペナルティ」を加え、λ(ラムダ)で絞り込みの強さを調整する。λは交差検証で最適化。
何がわかる?
変数が50個あっても「実質的に効く5〜10変数」を自動選択できる。過学習も防げる。
結果の読み方
ゼロでない係数を持つ変数が「選ばれた変数」。符号と大きさで影響の方向・強さを読む。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。
🛡️ Ridge回帰L2正則化
何?
多重共線性説明変数間の相関が高い状態)があっても安定した係数を推定するための手法。
どう使う?
係数の二乗和にペナルティを加えることで係数を小さく縮小させる。変数を完全にゼロにはしない。
何がわかる?
相関の高い変数を同時投入しても係数が不安定にならない。
結果の読み方
全変数の係数は残る。係数の大きさで相対的な重要度を比較する。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。
📅 時系列分析
何?
時間順に並んだデータのトレンドや周期性、変化点を分析する手法群の総称。
どう使う?
折れ線グラフでトレンドを視覚化し、移動平均指数平滑・AR/MA モデルを適用する。
何がわかる?
「出生率がいつから下がり始めたか」「コロナ前後で変化したか」などの変化を客観的に捉えられる。
結果の読み方
傾きが正なら上昇トレンド、負なら下降トレンド。変化点の前後で傾きが変わる場合は構造変化として解釈する。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。
🎛️ AIC基準によるステップワイズ変数選択
何?
多数の候補変数からモデルの「精度」と「複雑さ」のバランスが最良な変数の組み合わせを自動選択する手法。
どう使う?
バックワード(全変数から除去)またはフォワード(空から追加)で、AIC最小を目指して変数を探索する。
何がわかる?
「30変数中で最も説明力が高い5変数はどれか」を客観基準で決められる。恣意的な変数選択を回避できる。
結果の読み方
AICは小さいほど良い。最終的に残った変数がモデルに「有効」と判断された変数。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。
↔️ VAR(ベクトル自己回帰)/ Granger因果検定
何?
複数の時系列変数が互いに影響し合う関係を分析する手法(VAR)と、「AがBの予測に役立つか」を検定する手法(Granger因果)。
どう使う?
VARは全変数を互いに説明変数として同時回帰Granger因果F検定でAのラグ変数がBの予測精度を向上させるかを確認する。
何がわかる?
「女性就業率と出生率はどちらが先に動くか」「リード・ラグ関係」を特定できる。
結果の読み方
Granger因果 p < 0.05 → 「Aの過去値はBの予測に役立つ」(ただし真の因果とは限らない)。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。

🚀 発展の可能性(結果 X → 新仮説 Y → 課題 Z)

この研究をさらに発展させるための3つの方向性を示します。「今回わかったこと(X)」から「次に検証すべき仮説(Y)」を立て、「具体的に何をするか(Z)」まで考えてみましょう。

① データ・時間的拡張
結果 X
本論文は特定の年度・地域の断面データ(または限られた時系列)で分析を行った。
新仮説 Y
より新しい年度のデータや市区町村レベルの細粒度データを使えば、知見の時間的頑健性や地域内格差を検証できる。
課題 Z
(1)統計センターから最新の SSDSE をダウンロードし、同じ分析を再実行する。(2)結果が変わった場合、その要因(コロナ・政策変化など)を考察する。(3)市区町村データ(SSDSE-A/C/F)で分析単位を細かくした場合の結果と比較する。
② 手法の発展:重回帰分析 の次のステップ
結果 X
本論文は 重回帰分析 を用いた推定を行った。
新仮説 Y
パネルデータ固定効果モデルFE)による都道府県固有の差の統制 により、本分析では統制できていない問題を解消できる可能性がある。
課題 Z
(1)パネルデータ固定効果モデルFE)による都道府県固有の差の統制 を実装し、本論文の係数推定と比較する。(2)操作変数法IV)による内生性の解消 も試し、結果の頑健性を確認する。(3)推定結果の変化から、元の分析の仮定のどれが重要だったかを考察する。
③ 政策提言・実践への応用
結果 X
本論文は分析結果から特定の変数が目的変数に影響することを示した。
新仮説 Y
分析対象を日本全国から特定地域に絞ること、または逆に国際比較に拡張することで、政策の移転可能性と文脈依存性を検証できる。
課題 Z
(1)有意な変数を「政策で変えられるもの」と「変えにくいもの」に分類する。(2)政策で変えられる変数について、係数の大きさから「どれだけ変えればどれだけ効果があるか」を試算する。(3)自治体・政策立案者への提言として、実現可能なアクションプランを1枚にまとめる。

🎯 自分でやってみよう(5つのチャレンジ)

学んだだけでは身につきません。実際に手を動かすのが最強の学習方法です。本論文のスクリプトをベースに、以下のチャレンジに挑戦してみてください。難易度別に5つ用意しました。

★☆☆☆☆ 入門
CH1. 同じデータで分析を再現する
まずは付属の Python スクリプトをそのまま実行し、論文と同じ図を再現してみてください。
ポイント: 各図がどのコード行から生成されているか辿る。エラーが出たら原因を考える。
★★☆☆☆ 初級
CH2. 説明変数を1つ追加・除外して結果を比較
本論文の分析モデルから説明変数を1つ抜いて再実行、あるいは1つ追加して再実行してください。
ポイント: 係数p値 がどう変わったか観察する。多重共線性が原因で結果が変わる例を見つけられたら理想的。
★★★☆☆ 中級
CH3. 別の年度・別の都道府県で同じ分析を試す
SSDSE の別の年度(例:2015年度・2020年度)または特定都道府県のみのデータで同じ分析を実行してください。
ポイント: 時代や地域によって結論が変わるか? 変わるならその理由を考察する。
★★★★☆ 上級
CH4. 別の手法を組み合わせる
本論文の手法 + 1つの追加手法(例:重回帰 + LASSO相関分析 + 主成分分析)で結果を比較してください。
ポイント: 手法の違いで結論が変わるか? どちらが妥当かを「なぜ」とともに説明できるように。
★★★★★ 発展
CH5. オリジナルの問いを立てて分析する
本論文の手法を借りて、あなた自身の問いを立てて分析してください。 例:「カフェの数と幸福度に関連はあるか」「教育費の高い県は出生率も高いか」など。
ポイント: 問い・データ・手法・結論を1ページのレポートにまとめる。これがデータサイエンスの「実践」。
💡 ヒント: 詰まったら本サイトの他の論文(同じ手法を使っている)のスクリプトをコピーして組み合わせるのが効率的です。手法ガイド・用語集も参考に。

💼 この手法は実社会でこう使われている

本論文で学んだ手法は、研究の世界だけでなく、行政・企業・NPO の現場でも様々に活用されています。具体的なシーンを紹介します。

🏛️
行政の政策立案
都道府県・市区町村の政策担当者は、本論文と同様のデータ分析を用いて「どこに予算を投じれば効果が出るか」を検討します。 例えば医療費削減策、移住促進策、子育て支援策などの効果予測・効果検証に直結します。
🏢
企業のマーケティング・出店戦略
小売チェーン・サービス業の出店戦略では、地域特性(人口構成、所得、ライフスタイル)と売上の関係を本論文と同じ手法で分析します。 ECサイトでも顧客セグメント分析・購買要因分析に類似手法が使われます。
🏥
医療・公衆衛生
感染症の流行予測、医療資源配分の最適化、健康格差の地域要因分析などで、本論文の統計手法は標準的に使われています。 WHO・厚労省レベルの政策評価でも同じ手法が活躍しています。
📊
メディア・ジャーナリズム
新聞・テレビの社会調査記事、選挙予測、世論調査の分析でも、本論文と同じ手法(回帰分析・クラスタリングなど)が使われています。 データジャーナリズムの記事はこの種の分析が中核です。
🎓
学術研究(隣接分野)
経済学・社会学・公衆衛生学・教育学・地理学などの実証研究では、本論文と同じ手法が日常的に使われます。 専門誌に掲載される論文の8割以上が、こうした統計手法に基づいて結論を出しています。
💰
金融・保険業界
与信判断(融資審査)、保険料の地域別設定、不動産価格予測などで、本論文と同様のモデリング手法が広く活用されています。 統計分析の能力は金融業界の必須スキルになっています。

🤔 よくある質問(読者からの想定Q&A)

この論文を読んで初心者が抱きやすい疑問に、教育的観点から答えます。

Q1. この分析、自分でもできますか?
はい、できます。SSDSE データは無料で公開されており、Python の pandas, scikit-learn, statsmodels を使えば全く同じ手順で再現可能です。本ページ下部のスクリプトを実行するだけで結果が得られます。
Q2. 使われている手法は他の分野にも応用できますか?
十分応用可能です。本論文の[手法]は、医療・教育・経済・環境など他のドメインでも標準的に使われる手法です。データの中身(変数)を入れ替えるだけで、別の問いにも適用できます。
Q3. 結論は本当に「因果関係」を示していますか?
本論文は「観察データ」を使った分析であり、厳密な意味での「因果関係」を完全に証明したわけではありません。あくまで「強い関連が見られた」という事実を提示しているにとどまります。真の因果を示すには、無作為化比較試験(RCT)か、自然実験を活用したIVDiD 等の手法が必要です。
Q4. データの最新版を使うとどうなりますか?
SSDSE は毎年更新されているため、最新版を使えば近年のトレンド(特にコロナ禍以降の変化)も含めて分析できます。ただし、結論が変わる可能性もあります。それ自体が新しい発見につながります。
Q5. もっと深く学ぶには何を読めばいいですか?
「計量経済学」「データサイエンス入門」「統計的因果推論」などのテキストが入門に向いています。Python の場合は『Python ではじめる機械学習』(オライリー)、R の場合は『R で学ぶ統計学』が定番です。本サイトの他の論文も読み比べてみてください。