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審査員奨励賞(高校生の部)

製造業・産業構造と地域雇用・所得の関係分析

⏱️ 推定読了時間: 約35分
2020年度(令和2年度)統計データ分析コンペティション
📝 3行で分かる要約

目次

  1. 研究の背景:産業構造と地域経済
  2. データと変数:LQ(特化係数)
  3. 産業構造の地域分布
  4. 重回帰分析:地域所得の決定要因
  5. 製造業と所得水準の関係
  6. 政策的含意
  7. まとめ
  8. 📥 データの準備
  9. 💼 実社会での応用
  10. ⚠️ よくある誤解
  11. 📖 用語集
  12. 📐 手法ガイド
  13. 🚀 発展の可能性
  14. 🎯 自分でやってみよう
  15. 🤔 Q&A

🎯 この記事を読むと何ができるようになるか

📥 データの準備(再現コードを動かす前に)

このページの分析を自分で再現するには、以下の手順でデータを準備してください。コードの編集は不要です。

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データをダウンロードする 統計センターの SSDSE 配布ページから、以下のファイルをダウンロードします。
SSDSE-E-2026.csv ← SSDSE-E(都道府県の指標2)📥 直接DL
SSDSE-B-2026.csv ← SSDSE-B(都道府県データ)📥 直接DL
⬇ SSDSEダウンロードページを開く
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ファイルを所定のフォルダに配置する ダウンロードしたCSVを、プロジェクトの data/raw/ フォルダに入れます。
2026 統計・データ解析コンペ/ ├── code/ │ └── 2020_H5_3_shorei.py ← 実行するスクリプト └── data/ └── raw/ SSDSE-E-2026.csv ← ここに置く SSDSE-B-2026.csv ← ここに置く
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スクリプトをそのまま実行する ターミナルでプロジェクトルートに移動し、以下を実行します。
python3 code/2020_H5_3_shorei.py
図は html/figures/ に自動保存されます。
研究の背景:産業構造と地域経済

日本の地域間経済格差は長年の政策課題である。特に「なぜある地域は豊かで、別の地域は貧しいのか」という問いは、経済地理学・地域経済学の核心的テーマである。本研究は、都道府県の産業構造(特に製造業比率)が地域の雇用・所得水準にどう影響するかを統計的に検証する。

まず「製造業・産業構造と地域雇用・所得の関係分析」を統計的にとらえることが有効だと考えられる。 その理由は感覚や経験則だけでは、複雑な社会要因の中で「何が本当に効いているか」を見極めにくいからである。 本研究では公開データと統計手法を組み合わせ、この問いに定量的な答えを出すことを目指す。

研究の動機 「ものづくり」の強い県では雇用が安定し、所得も高いのではないか。製造業には裾野産業への波及効果があり、その地域への経済的定着効果は大きい。一方、第三次産業(小売・飲食・サービス)偏重の地域では所得水準が低い傾向があるという仮説を検証する。
分析の流れ
産業別従業者割合
LQ計算
相関分析
(Pearson)
重回帰分析
(OLS)
地域比較
政策提言

SSDSE-E-2026(2021年度) SSDSE-B-2026(2022年度) 特化係数(LQ) OLS重回帰 地域比較

データと変数:LQ(特化係数)の活用

使用データ

データセット年度使用変数
SSDSE-E-2026(都道府県横断)2021年度産業別従業者数(建設・製造・情報通信・卸売小売・医療福祉等)、1人当たり県民所得、総人口、65歳以上人口、総面積
SSDSE-B-2026(都道府県時系列2022年度消費支出(二人以上世帯)、月間有効求人数、就職件数(一般)、転入者数、総人口

SSDSE: 社会・人口統計体系データセット(統計センター公表)。産業別従業者数は民営事業所ベース(経済センサス)。

主要変数の定義と統計量

製造業従業者割合(全国平均
17.3%
標準偏差 5.4%
消費支出(全国平均、月額)
28.9万円
標準偏差 1.9万円
製造業LQ 最高
1.77
滋賀県(全国比 77%高)
製造業LQ 最低
0.36
沖縄県(全国比 64%低)

目的変数・説明変数の一覧

役割変数名定義出典年度
目的変数消費支出二人以上世帯の月額消費支出(所得水準の代理)SSDSE-B 2022
説明変数製造業従業者割合民営従業者全体に占める製造業の割合(%)SSDSE-E 2021
情報通信業従業者割合民営従業者全体に占める情報通信業の割合(%)SSDSE-E 2021
高齢化率65歳以上人口 / 総人口(%)SSDSE-E 2021
人口密度総人口 / 総面積(人/km²)SSDSE-E 2021
有効求人倍率(代理)月間有効求人数 / 就職件数(雇用市場の過熱度)SSDSE-B 2022

DS LEARNING POINT 1

特化係数(Location Quotient: LQ)とは

LQは「ある地域のある産業の集中度を全国平均と比較した指標」。LQ = 1.0 なら全国平均と同じ、1.0 超なら特化(集積)、1.0 未満なら相対的に少ないことを意味する。

# 製造業のLQ計算例(47都道府県) # LQ_製造業 = (都道府県の製造業従業者 / 都道府県の全従業者) # / (全国の製造業従業者 / 全国の全従業者) nat_mfg_ratio = nat_mfg / nat_total # 全国製造業割合 df_e_pref['LQ_製造業'] = ( df_e_pref['C220837'] / df_e_pref['C2208'] ) / nat_mfg_ratio # 解釈: # LQ > 1.5 → 強い製造業特化(滋賀・三重・富山・静岡・群馬など) # LQ < 0.5 → 製造業希薄(東京・沖縄・北海道)

製造業LQ 上位・下位都道府県

順位都道府県製造業LQ製造業割合地域特性
1滋賀県1.7726.9%琵琶湖沿岸の工業集積(電機・化学)
2三重県1.7126.1%石油化学・半導体(四日市)
3富山県1.7025.8%アルミ・化学薬品・医薬品
4静岡県1.6825.5%輸送機器・楽器・食品(総合的ものづくり)
5群馬県1.6625.1%輸送機器(SUBARU・スズキ)
43北海道0.578.7%農林水産・観光・サービス業主体
44高知県0.6610.0%林業・農業・水産業主体
45福岡県0.7110.9%九州の経済中心・商業・サービス集積
46東京都0.395.9%情報通信・金融・商業の中心
47沖縄県0.365.5%観光・軍事基地・建設業主体
やってみよう■ 地域マップ
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region_map = {
    '北海道': '北海道・東北', '青森県': '北海道・東北', '岩手県': '北海道・東北',
    '宮城県': '北海道・東北', '秋田県': '北海道・東北', '山形県': '北海道・東北',
    '福島県': '北海道・東北', '茨城県': '関東', '栃木県': '関東', '群馬県': '関東',
    '埼玉県': '関東', '千葉県': '関東', '東京都': '関東', '神奈川県': '関東',
    '新潟県': '中部', '富山県': '中部', '石川県': '中部', '福井県': '中部',
    '山梨県': '中部', '長野県': '中部', '岐阜県': '中部', '静岡県': '中部', '愛知県': '中部',
    '三重県': '近畿', '滋賀県': '近畿', '京都府': '近畿', '大阪府': '近畿',
    '兵庫県': '近畿', '奈良県': '近畿', '和歌山県': '近畿',
    '鳥取県': '中国・四国', '島根県': '中国・四国', '岡山県': '中国・四国',
    '広島県': '中国・四国', '山口県': '中国・四国', '徳島県': '中国・四国',
    '香川県': '中国・四国', '愛媛県': '中国・四国', '高知県': '中国・四国',
    '福岡県': '九州・沖縄', '佐賀県': '九州・沖縄', '長崎県': '九州・沖縄',
    '熊本県': '九州・沖縄', '大分県': '九州・沖縄', '宮崎県': '九州・沖縄',
    '鹿児島県': '九州・沖縄', '沖縄県': '九州・沖縄'
}
region_colors = {
    '北海道・東北': '#4e9af1', '関東': '#e05c5c', '中部': '#f0a500',
    '近畿': '#5cb85c', '中国・四国': '#9b59b6', '九州・沖縄': '#f39c12'
}
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS df['A'] / df['B'] — pandasの列同士の四則演算は要素ごと(element-wise)。forループ不要なのが強み。
やってみようSSDSE-E 読み込み(産業別従業者数・県民所得 2021年度)
📝 コード
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print("SSDSE-E を読み込み中...")
df_e_raw = pd.read_csv(DATA_E, encoding='cp932', header=0)

# 行0: 年度, 行1: 変数名, 行2以降: データ
# 都道府県データ(R01000〜R47000)と全国(R00000)を分離
df_e_all = df_e_raw[df_e_raw['SSDSE-E-2026'] == 'R00000'].copy()  # 全国
df_e_pref = df_e_raw[
    df_e_raw['SSDSE-E-2026'].str.match(r'^R\d{5}$', na=False) &
    (df_e_raw['SSDSE-E-2026'] != 'R00000')
].copy()
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • pd.read_csv(...) でCSVを読み込みます。encoding='cp932' は日本語Windows由来の文字コード、header=1 は「2行目を列名として使う」。
  • df['地域コード'].str.match(r'^R\d{5}', ...) — 正規表現で「R+数字5桁」の行(47都道府県)だけTrueにし、真偽値で行をフィルタ。
💡 Python TIPS Seriesの .map() は「1対1の置き換え」、.apply() は「関数を当てる」。辞書なら .map()、ロジックなら .apply()
やってみようSSDSE-E 読み込み(産業別従業者数・県民所得 2021年度) — 数値変換対象列
📝 コード
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# 数値変換対象列
e_num_cols = [
    'C2208',    # 従業者数(民営)計
    'C220836',  # 建設業
    'C220837',  # 製造業
    'C220839',  # 情報通信業
    'C220841',  # 卸売業・小売業
    'C220847',  # 宿泊業・飲食サービス業
    'C220848',  # 生活関連サービス業・娯楽業
    'C220850',  # 医療・福祉
    'C122101',  # 1人当たり県民所得(万円)
    'A1101',    # 総人口
    'A1303',    # 65歳以上人口
    'B1101',    # 総面積
]
for col in e_num_cols:
    df_e_pref[col] = pd.to_numeric(df_e_pref[col], errors='coerce')
    df_e_all[col]  = pd.to_numeric(df_e_all[col],  errors='coerce')
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS [式 for x in リスト]リスト内包表記。forループでappendする代わりに1行でリストを作れます。
やってみようSSDSE-E 読み込み(産業別従業者数・県民所得 2021年度) — 都道府県名を列として整理
📝 コード
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# 都道府県名を列として整理
df_e_pref = df_e_pref.rename(columns={'SSDSE-E-2026': '地域コード', 'Prefecture': '都道府県'})
df_e_pref = df_e_pref.reset_index(drop=True)
▼ 実行結果
SSDSE-E を読み込み中...
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS r, p = stats.pearsonr(...) — Pythonは複数戻り値を同時に受け取れる(タプルアンパック)。
やってみよう産業別従業者割合の計算(民営事業所ベース)
📝 コード
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total_workers = df_e_pref['C2208']

df_e_pref['従業者割合_製造業']       = df_e_pref['C220837'] / total_workers * 100
df_e_pref['従業者割合_建設業']       = df_e_pref['C220836'] / total_workers * 100
df_e_pref['従業者割合_情報通信業']   = df_e_pref['C220839'] / total_workers * 100
df_e_pref['従業者割合_卸売小売業']   = df_e_pref['C220841'] / total_workers * 100
df_e_pref['従業者割合_宿泊飲食業']   = df_e_pref['C220847'] / total_workers * 100
df_e_pref['従業者割合_生活娯楽業']   = df_e_pref['C220848'] / total_workers * 100
df_e_pref['従業者割合_医療福祉業']   = df_e_pref['C220850'] / total_workers * 100
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS [式 for x in リスト]リスト内包表記。forループでappendする代わりに1行でリストを作れます。
やってみようLQ特化係数)の計算
📝 コード
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nat_total = float(df_e_all['C2208'].values[0])
nat_mfg   = float(df_e_all['C220837'].values[0])
nat_const = float(df_e_all['C220836'].values[0])
nat_ict   = float(df_e_all['C220839'].values[0])
nat_retail= float(df_e_all['C220841'].values[0])
nat_med   = float(df_e_all['C220850'].values[0])

nat_mfg_ratio   = nat_mfg   / nat_total
nat_const_ratio = nat_const / nat_total
nat_ict_ratio   = nat_ict   / nat_total
nat_retail_ratio= nat_retail/ nat_total
nat_med_ratio   = nat_med   / nat_total

df_e_pref['LQ_製造業']     = (df_e_pref['C220837'] / total_workers) / nat_mfg_ratio
df_e_pref['LQ_建設業']     = (df_e_pref['C220836'] / total_workers) / nat_const_ratio
df_e_pref['LQ_情報通信業'] = (df_e_pref['C220839'] / total_workers) / nat_ict_ratio
df_e_pref['LQ_卸売小売業'] = (df_e_pref['C220841'] / total_workers) / nat_retail_ratio
df_e_pref['LQ_医療福祉業'] = (df_e_pref['C220850'] / total_workers) / nat_med_ratio

# 高齢化率・人口密度
df_e_pref['高齢化率'] = df_e_pref['A1303'] / df_e_pref['A1101'] * 100
df_e_pref['人口密度'] = df_e_pref['A1101'] / df_e_pref['B1101']  # 人/km²

print(f"SSDSE-E: {len(df_e_pref)} 都道府県")
▼ 実行結果
SSDSE-E: 47 都道府県
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS r, p = stats.pearsonr(...) — Pythonは複数戻り値を同時に受け取れる(タプルアンパック)。
やってみようSSDSE-B 読み込み(消費支出・求人 2022年度)
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print("SSDSE-B を読み込み中...")
df_b = pd.read_csv(DATA_B, encoding='cp932', header=1)
df_b = df_b[df_b['地域コード'].str.match(r'^R\d{5}', na=False)].copy()
df_b['年度'] = df_b['年度'].astype(int)
df_b2022 = df_b[df_b['年度'] == 2022].copy()

# 数値変換
b_num_cols = [
    '消費支出(二人以上の世帯)',
    '月間有効求人数(一般)',
    '就職件数(一般)',
    '転入者数(日本人移動者)',
    '転出者数(日本人移動者)',
    '総人口',
    '65歳以上人口',
    '15~64歳人口',
]
for col in b_num_cols:
    if col in df_b2022.columns:
        df_b2022[col] = pd.to_numeric(df_b2022[col], errors='coerce')
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • pd.read_csv(...) でCSVを読み込みます。encoding='cp932' は日本語Windows由来の文字コード、header=1 は「2行目を列名として使う」。
  • df['地域コード'].str.match(r'^R\d{5}', ...) — 正規表現で「R+数字5桁」の行(47都道府県)だけTrueにし、真偽値で行をフィルタ。
  • .astype(int) — 列を整数に変換(年度などを数値比較するため)。
💡 Python TIPS x if cond else y三項演算子。リスト内包表記と組み合わせると、forとifを1行で書けます。
やってみようSSDSE-B 読み込み(消費支出・求人 2022年度) — 有効求人倍率(月間有効求人数 / 就職件数(分母として近似))
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# 有効求人倍率(月間有効求人数 / 就職件数(分母として近似))
# 実際はハローワーク統計で算出されるが、代理指標として使用
df_b2022['有効求人倍率_代理'] = (
    df_b2022['月間有効求人数(一般)'] / df_b2022['就職件数(一般)']
)

# 転入率(転入/総人口×1000)
df_b2022['転入率'] = df_b2022['転入者数(日本人移動者)'] / df_b2022['総人口'] * 1000

print(f"SSDSE-B 2022年: {len(df_b2022)} 都道府県")
▼ 実行結果
SSDSE-B を読み込み中...
SSDSE-B 2022年: 47 都道府県
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS df[col](1列)と df[[col1, col2]](複数列)でカッコの数が違います。リストを渡していると覚えるとミスを減らせます。
やってみようデータ結合
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df = pd.merge(
    df_e_pref[['都道府県', '地域コード',
               '従業者割合_製造業', '従業者割合_建設業', '従業者割合_情報通信業',
               '従業者割合_卸売小売業', '従業者割合_宿泊飲食業', '従業者割合_医療福祉業',
               'LQ_製造業', 'LQ_建設業', 'LQ_情報通信業', 'LQ_卸売小売業', 'LQ_医療福祉業',
               'C122101', '高齢化率', '人口密度']],
    df_b2022[['都道府県', '消費支出(二人以上の世帯)',
              '有効求人倍率_代理', '転入率']],
    on='都道府県',
    how='inner'
)

df['地域区分'] = df['都道府県'].map(region_map)
df['地域色']  = df['地域区分'].map(region_colors)

# 1人当たり県民所得を万円単位に(元データは千円単位)
df['県民所得_万円'] = df['C122101'] / 10  # 千円→万円

print(f"結合後: {len(df)} 都道府県")
print()
▼ 実行結果
結合後: 47 都道府県
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS df[col](1列)と df[[col1, col2]](複数列)でカッコの数が違います。リストを渡していると覚えるとミスを減らせます。
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産業構造の地域分布

製造業従業者割合の上位10都道府県と下位10都道府県の産業構成を積み上げ棒グラフで比較する。産業構造の地域差が一目で確認できる。

都道府県別産業構造(積み上げ棒グラフ)
図1:製造業割合 上位・下位各10都道府県の産業別従業者割合(2021年、民営事業所ベース)。左が製造業集積県(滋賀〜静岡)、右が非製造業型(北海道〜沖縄)。
図1 の読み取りポイント
  • 製造業上位県(左側):製造業(赤)が卓越し、医療福祉(橙)・建設業(黄)は相対的に小さい
  • 製造業下位県(右側):医療福祉・卸売小売・宿泊飲食の比率が高い「サービス経済型」
  • 東京都・沖縄県は情報通信業・宿泊飲食業が突出し、他の非製造業県とも構造が異なる

DS LEARNING POINT 2

積み上げ棒グラフによる多変量比較

複数のカテゴリ(産業)の割合を同時に比較するには積み上げ棒グラフが有効。全体(100%)に対する各カテゴリの相対的大きさと、都道府県間の比較が1枚の図で可能になる。

import matplotlib.pyplot as plt import numpy as np # 積み上げ棒グラフの描画 bar_cols = [('製造業割合', '#e05c5c'), ('建設業割合', '#f0a500'), ...] bottom = np.zeros(len(target_prefs)) for col, color in bar_cols: vals = target_prefs[col].values ax.bar(x, vals, bottom=bottom, color=color, label=col, ...) bottom += vals # ポイント:bottom を累積することで積み上げを実現 # 残余分を「その他」として最後に積み上げる
やってみよう図図1: 積み上げ棒グラフ(都道府県別産業構造)
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print()
print("図1 生成中...")

# 製造業割合で上位10・下位10を選択
df_sorted_mfg = df.sort_values('従業者割合_製造業', ascending=False)
target_prefs = pd.concat([df_sorted_mfg.head(10), df_sorted_mfg.tail(10)])
target_prefs = target_prefs.reset_index(drop=True)
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • sort_values('列名', ascending=False) — 指定列で並べ替え(降順)。
💡 Python TIPS plt.subplots(figsize=(W, H)) で図サイズ指定、fig.savefig(..., bbox_inches='tight') で余白を自動で詰めて保存。
やってみよう図図1: 積み上げ棒グラフ(都道府県別産業構造) — 積み上げ棒グラフの業種
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# 積み上げ棒グラフの業種
bar_cols = [
    ('従業者割合_製造業',     '製造業',     '#e05c5c'),
    ('従業者割合_建設業',     '建設業',     '#f0a500'),
    ('従業者割合_情報通信業', '情報通信業', '#4e9af1'),
    ('従業者割合_卸売小売業', '卸売・小売業', '#5cb85c'),
    ('従業者割合_宿泊飲食業', '宿泊・飲食業', '#9b59b6'),
    ('従業者割合_医療福祉業', '医療・福祉業', '#f39c12'),
]
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS .dropna() は欠損行を除去、.copy() は独立したコピーを作る。pandasで警告を防ぐ定石。
やってみよう図図1: 積み上げ棒グラフ(都道府県別産業構造) — 残りをその他として計算
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# 残りをその他として計算
listed_cols = [c[0] for c in bar_cols]
target_prefs['その他'] = 100 - target_prefs[listed_cols].sum(axis=1)

fig1, ax1 = plt.subplots(figsize=(14, 7))

x = np.arange(len(target_prefs))
bottom = np.zeros(len(target_prefs))

for col, label, color in bar_cols:
    vals = target_prefs[col].values
    ax1.bar(x, vals, bottom=bottom, label=label, color=color, width=0.72, edgecolor='white', linewidth=0.5)
    bottom += vals
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
💡 Python TIPS f"...{x}..."f-string。文字列の中に {変数} と書くだけで埋め込めて、{x:.2f} のように書式も指定できます。
やってみよう図図1: 積み上げ棒グラフ(都道府県別産業構造) — その他
📝 コード
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# その他
ax1.bar(x, target_prefs['その他'].values, bottom=bottom,
        label='その他', color='#aaaaaa', width=0.72, edgecolor='white', linewidth=0.5)

# 上位10と下位10の境界線
ax1.axvline(x=9.5, color='black', linestyle='--', linewidth=1.2, alpha=0.6)
ax1.text(4.5, 102, '製造業割合 上位10県', ha='center', fontsize=11, fontweight='bold', color='#333333')
ax1.text(14.5, 102, '製造業割合 下位10県', ha='center', fontsize=11, fontweight='bold', color='#666666')
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • ax.axhline / ax.axvline — 水平/垂直の点線。平均線や基準線として定番。
💡 Python TIPS df['A'] / df['B'] — pandasの列同士の四則演算は要素ごと(element-wise)。forループ不要なのが強み。
やってみよう図図1: 積み上げ棒グラフ(都道府県別産業構造) — ラベル設定
📝 コード
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# ラベル設定
ax1.set_xticks(x)
pref_labels = target_prefs['都道府県'].str.replace('県', '').str.replace('府', '').str.replace('都', '').str.replace('道', '')
ax1.set_xticklabels(pref_labels, rotation=45, ha='right', fontsize=9)
ax1.set_ylabel('産業別従業者割合(%)', fontsize=12)
ax1.set_title('都道府県別産業構造(製造業割合 上位・下位各10都道府県)\n─ 民営事業所 従業者数ベース(2021年) ─',
              fontsize=13, fontweight='bold', pad=12)
ax1.legend(loc='upper right', fontsize=9, ncol=2)
ax1.set_ylim(0, 115)
ax1.set_xlim(-0.6, len(target_prefs) - 0.4)
ax1.yaxis.grid(True, alpha=0.3, linestyle='--')
ax1.set_axisbelow(True)

plt.tight_layout()
fig1.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2020_H5_3_fig1.png'), bbox_inches='tight')
plt.close(fig1)
print("  -> 2020_H5_3_fig1.png 保存完了")
▼ 実行結果
図1 生成中...
  -> 2020_H5_3_fig1.png 保存完了
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS Seriesの .map() は「1対1の置き換え」、.apply() は「関数を当てる」。辞書なら .map()、ロジックなら .apply()
4. 重回帰分析
2
重回帰分析:地域所得の決定要因

消費支出(所得の代理変数)を目的変数とし、産業構造・人口構造・雇用環境を説明変数としたOLS重回帰を実施した。変数はすべて標準化平均0・分散1)し、標準化偏回帰係数(β)で効果の大きさを比較する。

消費支出(標準化) = β₁×製造業割合 + β₂×情報通信業割合 + β₃×高齢化率
         + β₄×人口密度 + β₅×有効求人倍率(代理) + ε

回帰係数の推定結果

説明変数標準化係数(β)p値有意性解釈
製造業従業者割合 +0.407 0.009 ** 製造業が多いほど消費支出が高い
有効求人倍率(代理) +0.610 0.048 * 求人超過の地域は消費水準が高い
情報通信業従業者割合 −0.044 0.871 n.s. 有意な効果なし
高齢化率 −0.096 0.606 n.s. 有意な効果なし(単相関では有意)
人口密度 −0.169 0.565 n.s. 有意な効果なし
モデル全体 =0.423, 修正済み=0.352, F(5,41)=6.00, p=0.0003
標準化偏回帰係数プロット
図4:標準化偏回帰係数と95%信頼区間(n=47都道府県)。**p<0.01, *p<0.05。横棒が0をまたがない変数が統計的に有意。
📌 この回帰係数プロットの読み方
このグラフは
重回帰分析の各説明変数係数(影響の強さと向き)をバーや点で表したグラフ。
読み方
右(プラス方向)に伸びるバーは「この変数が増えると目的変数も増える」正の影響。左(マイナス方向)は逆。
なぜそう解釈できるか
エラーバー(誤差棒)が0をまたいでいない変数が統計的に有意(p < 0.05)。バーが長いほど影響が大きい。
重回帰分析の主な発見
  • 製造業割合(β=+0.407, p=0.009):他の変数を制御しても、製造業比率の高い地域ほど消費水準が有意に高い
  • 有効求人倍率(β=+0.610, p=0.048):雇用市場の活性化が消費支出に強く影響。「仕事がある地域ほど豊か」
  • 高齢化率・人口密度は単相関では有意でも、重回帰では有意でない → 多重共線性の影響に注意

DS LEARNING POINT 3

多重共線性(Multicollinearity)の問題

説明変数間の相関が高いと、個々の係数推定が不安定になる「多重共線性」が生じる。VIF分散膨張係数)= 1/(1-ⱼ) で診断する。VIF>10は問題あり。

from statsmodels.stats.outliers_influence import variance_inflation_factor # VIFの計算 vif_data = pd.DataFrame() vif_data['変数'] = reg_vars vif_data['VIF'] = [variance_inflation_factor(X, i) for i in range(X.shape[1])] print(vif_data) # 解釈: # VIF < 5 → 問題なし # VIF 5-10 → 注意が必要 # VIF > 10 → 多重共線性の疑い(変数を除去・結合を検討) # 本分析の場合: # 高齢化率と製造業割合に負の相関(r=−0.46)が見られるが # VIFは全変数で5未満であり、許容範囲内と判断
やってみよう図図2: 散布図(製造業従業者割合 vs 消費支出)
📝 コード
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print("図2 生成中...")

fig2, ax2 = plt.subplots(figsize=(10, 7))

for region, color in region_colors.items():
    mask = df['地域区分'] == region
    ax2.scatter(
        df.loc[mask, '従業者割合_製造業'],
        df.loc[mask, '消費支出(二人以上の世帯)'],
        c=color, label=region, s=70, alpha=0.85, edgecolors='white', linewidth=0.6, zorder=3
    )
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
💡 Python TIPS .dropna() は欠損行を除去、.copy() は独立したコピーを作る。pandasで警告を防ぐ定石。
やってみよう図図2: 散布図(製造業従業者割合 vs 消費支出) — 都道府県ラベル
📝 コード
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# 都道府県ラベル
for _, row in df.iterrows():
    pref_short = row['都道府県'].replace('県', '').replace('府', '').replace('都', '').replace('道', '')
    ax2.annotate(
        pref_short,
        xy=(row['従業者割合_製造業'], row['消費支出(二人以上の世帯)']),
        xytext=(3, 3), textcoords='offset points',
        fontsize=7, color='#444444', zorder=4
    )
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • for _, row in df.iterrows() — DataFrameを1行ずつ取り出すループ。1点ずつ描画したいときに使用。
💡 Python TIPS f"...{x}..."f-string。文字列の中に {変数} と書くだけで埋め込めて、{x:.2f} のように書式も指定できます。
やってみよう図図2: 散布図(製造業従業者割合 vs 消費支出) — 回帰直線
📝 コード
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# 回帰直線
x_mfg = df['従業者割合_製造業'].values
y_csp  = df['消費支出(二人以上の世帯)'].values
mask_valid = ~(np.isnan(x_mfg) | np.isnan(y_csp))
slope, intercept, r_val, p_val, std_err = stats.linregress(x_mfg[mask_valid], y_csp[mask_valid])
x_line = np.linspace(x_mfg[mask_valid].min(), x_mfg[mask_valid].max(), 100)
ax2.plot(x_line, slope * x_line + intercept, 'k--', linewidth=1.5, alpha=0.7, zorder=2, label=f'回帰直線 (r={r_val:.3f})')

ax2.set_xlabel('製造業従業者割合(%)', fontsize=12)
ax2.set_ylabel('消費支出(円/月・二人以上世帯)', fontsize=12)
ax2.set_title(f'製造業割合と消費支出の関係(47都道府県、2021/2022年)\nr={r_val:.3f}, p={p_val:.4f}',
              fontsize=13, fontweight='bold')
ax2.legend(fontsize=9, loc='upper left', ncol=2)
ax2.yaxis.get_major_formatter().set_useOffset(False)
ax2.yaxis.set_major_formatter(plt.FuncFormatter(lambda val, _: f'{val/10000:.0f}万'))
ax2.xaxis.grid(True, alpha=0.3, linestyle='--')
ax2.yaxis.grid(True, alpha=0.3, linestyle='--')
ax2.set_axisbelow(True)

plt.tight_layout()
fig2.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2020_H5_3_fig2.png'), bbox_inches='tight')
plt.close(fig2)
print(f"  -> 2020_H5_3_fig2.png 保存完了 (r={r_val:.3f}, p={p_val:.4f})")
▼ 実行結果
図2 生成中...
  -> 2020_H5_3_fig2.png 保存完了 (r=0.394, p=0.0061)
💡 解説
  • stats.linregress(x, y) — 単回帰の傾き・切片・r値・p値・標準誤差を返します。使わない値は _ で受け取り。
💡 Python TIPS df['A'] / df['B'] — pandasの列同士の四則演算は要素ごと(element-wise)。forループ不要なのが強み。
5. 散布図相関
3
製造業と所得水準の関係

製造業従業者割合と消費支出の関係を散布図で可視化し、地域ブロック別の傾向を比較する。また相関ヒートマップで変数間の関係構造を俯瞰する。

北海道・東北 関東 中部 近畿 中国・四国 九州・沖縄
製造業割合vs消費支出 散布図
図2:製造業従業者割合と消費支出の散布図(47都道府県、2021/2022年)。r=0.394, p=0.006。黒破線は回帰直線
📌 この散布図の読み方
このグラフは
横軸(x)と縦軸(y)に2変数を取り、各都道府県(または自治体)を点で描いたグラフ。
読み方
点の並びに右上がりの傾向があれば正の相関、右下がりなら負の相関。点が直線に近いほど相関が強い。
なぜそう解釈できるか
回帰直線(赤線など)の傾きが回帰係数に対応する。直線から大きく外れた点が外れ値で、特異な地域を示す。
散布図から読み取れること
  • 中部(橙):愛知・静岡・岐阜などが高製造業割合・高消費支出のゾーンに集中
  • 関東(赤):東京・神奈川は製造業割合は低いが消費支出は高い(情報通信・金融の効果)
  • 九州・沖縄(橙):製造業割合・消費支出ともに相対的に低い傾向
  • 相関係数 r=+0.394(p=0.006):正の有意な相関。ただし東京等の外れ値に注意
相関ヒートマップ
図3:産業構造・経済指標のPearson相関ヒートマップ(47都道府県)。赤が正の相関、青が負の相関
📌 この相関ヒートマップの読み方
このグラフは
複数の変数ペア間の相関係数(−1〜+1)を色の濃淡で示した行列図。
読み方
濃い赤(または青)が強い正(または負)の相関。対角線は自分自身との相関なので常に1.0。
なぜそう解釈できるか
説明変数どうしの相関が高い(|r| > 0.8)」マスが多いと多重共線性の警告サイン。目的変数との相関が高い変数が候補として重要。

主要変数間の相関係数(47都道府県)

変数ペアr値p値解釈
製造業割合 vs 消費支出 +0.394 0.006** 製造業地域で消費水準が高い
建設業割合 vs 消費支出 −0.437 0.002** 建設業依存は消費低迷と関連
有効求人倍率 vs 消費支出 +0.448 0.002** 雇用市場の活況が消費を押し上げ
高齢化率 vs 消費支出 −0.382 0.008** 高齢化が進む地域で消費水準が低い
転入率 vs 消費支出 +0.318 0.029* 転入超過地域が経済的に活力ある傾向
情報通信業割合 vs 消費支出 +0.171 0.251 有意な相関なし(東京集中の効果)

DS LEARNING POINT 4

地域集積効果(Agglomeration Effects)

製造業が地域に集積することで生まれる経済的便益を「集積効果」という。同業種企業の集積(特化経済)と多様な産業の集積(都市化経済)の2種類がある。LQが高い地域では特化経済の恩恵が消費水準向上に貢献していると解釈できる。

# 特化経済(Localization Economies)の測定 # LQ > 1.5 の地域を「製造業特化地域」として抽出 lq_high = df[df['LQ_製造業'] >= 1.5].copy() print(f"製造業特化地域(LQ≥1.5): {len(lq_high)}都道府県") # → 滋賀・三重・富山・静岡・群馬・岐阜・栃木・愛知・長野(9県) # 特化地域 vs 非特化地域の消費支出比較 csp_high = lq_high['消費支出'].mean() csp_low = df[df['LQ_製造業'] < 1.5]['消費支出'].mean() print(f"特化地域の平均消費支出: {csp_high:.0f}円/月") print(f"非特化地域の平均消費支出: {csp_low:.0f}円/月") # → 製造業特化地域の消費支出が約1万〜2万円/月高い傾向
やってみよう図図3: 相関ヒートマップ
📝 コード
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print("図3 生成中...")

heat_vars = {
    '製造業\n従業者割合': '従業者割合_製造業',
    '建設業\n従業者割合': '従業者割合_建設業',
    '情報通信業\n従業者割合': '従業者割合_情報通信業',
    '医療福祉業\n従業者割合': '従業者割合_医療福祉業',
    '製造業\nLQ': 'LQ_製造業',
    '高齢化率': '高齢化率',
    '人口密度': '人口密度',
    '有効求人\n倍率(代理)': '有効求人倍率_代理',
    '転入率': '転入率',
    '消費支出': '消費支出(二人以上の世帯)',
}

heat_df = df[[v for v in heat_vars.values()]].copy()
heat_df.columns = list(heat_vars.keys())
corr_matrix = heat_df.corr()

fig3, ax3 = plt.subplots(figsize=(10, 8))

n = len(corr_matrix)
# ヒートマップ描画
im = ax3.imshow(corr_matrix.values, cmap='RdBu_r', vmin=-1, vmax=1, aspect='auto')
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
💡 Python TIPS f"...{x}..."f-string。文字列の中に {変数} と書くだけで埋め込めて、{x:.2f} のように書式も指定できます。
やってみよう図図3: 相関ヒートマップ — カラーバー
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# カラーバー
cbar = fig3.colorbar(im, ax=ax3, fraction=0.046, pad=0.04)
cbar.set_label('Pearson相関係数', fontsize=10)

# 軸ラベル
labels = list(corr_matrix.columns)
ax3.set_xticks(range(n))
ax3.set_yticks(range(n))
ax3.set_xticklabels(labels, fontsize=9, rotation=45, ha='right')
ax3.set_yticklabels(labels, fontsize=9)
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS df['A'] / df['B'] — pandasの列同士の四則演算は要素ごと(element-wise)。forループ不要なのが強み。
やってみよう図図3: 相関ヒートマップ — セル内に数値を表示
📝 コード
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# セル内に数値を表示
for i in range(n):
    for j in range(n):
        val = corr_matrix.values[i, j]
        text_color = 'white' if abs(val) > 0.6 else 'black'
        ax3.text(j, i, f'{val:.2f}', ha='center', va='center',
                 fontsize=8.5, color=text_color, fontweight='bold' if abs(val) > 0.5 else 'normal')

ax3.set_title('産業構造・経済指標の相関ヒートマップ(47都道府県)\n─ Pearson相関係数 ─',
              fontsize=13, fontweight='bold', pad=14)

plt.tight_layout()
fig3.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2020_H5_3_fig3.png'), bbox_inches='tight')
plt.close(fig3)
print("  -> 2020_H5_3_fig3.png 保存完了")
▼ 実行結果
図3 生成中...
  -> 2020_H5_3_fig3.png 保存完了
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS Seriesの .map() は「1対1の置き換え」、.apply() は「関数を当てる」。辞書なら .map()、ロジックなら .apply()

政策的含意

分析結果から導かれる政策的示唆
  1. 製造業誘致・維持:製造業割合の向上は地域消費水準の改善に有意に寄与する。工場立地支援・産業集積政策が重要
  2. 雇用市場の活性化有効求人倍率(雇用の活況)が消費に最も強く影響。多様な雇用機会の創出が鍵
  3. 人口流入促進:転入率と消費支出の正相関から、UIJターン支援など人口移動政策も効果的
分析の限界と留意点
  • 消費支出は所得の代理変数であり、1人当たり県民所得とは必ずしも一致しない
  • 産業構造データ(2021年)と消費支出(2022年)の年度差があるため、因果関係の解釈には慎重さが必要
  • 都道府県単位の集計データのため「生態学的誤謬」(個人レベルで同じ関係が成り立つとは限らない)に注意
  • 東京都・沖縄県などは産業構造が極めて特殊で、回帰モデルへの影響(外れ値)を確認すべき

製造業特化地域(LQ≥1.5)の一覧

都道府県製造業LQ製造業割合消費支出(月額)
滋賀県1.7726.9%319,456円
三重県1.7126.1%277,102円
富山県1.7025.8%316,801円
静岡県1.6825.5%300,439円
群馬県1.6625.1%310,407円
岐阜県1.6324.8%313,314円
栃木県1.6024.3%297,278円
愛知県1.5723.8%319,344円
長野県1.5323.2%298,965円
全国平均(47都道府県)289,630円

製造業特化地域9県の消費支出平均は約30.6万円/月で、全国平均比約+5.6%高い。

やってみよう共通設定
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import os
import numpy as np
import pandas as pd
import matplotlib
matplotlib.use('Agg')
import matplotlib.pyplot as plt
import statsmodels.api as sm
from scipy import stats
import warnings
warnings.filterwarnings('ignore')

plt.rcParams['font.family'] = 'Hiragino Sans'
plt.rcParams['axes.unicode_minus'] = False
plt.rcParams['figure.dpi'] = 150

FIG_DIR = 'html/figures'
DATA_B  = 'data/raw/SSDSE-B-2026.csv'
DATA_E  = 'data/raw/SSDSE-E-2026.csv'
os.makedirs(FIG_DIR, exist_ok=True)
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • import pandas as pd など — 必要なライブラリをまとめて呼び出します。as pd は短い別名(alias)。
  • matplotlib.use('Agg') — グラフを画面表示せずファイルに保存するためのおまじない。
  • plt.rcParams['font.family'] — グラフの日本語表示用フォント指定(Macは Hiragino Sans、Windowsなら Yu Gothic 等)。
  • os.makedirs('html/figures', exist_ok=True) — 図の保存先フォルダを作る(既にあってもOK)。
💡 Python TIPS f"...{x}..."f-string。文字列の中に {変数} と書くだけで埋め込めて、{x:.2f} のように書式も指定できます。
やってみよう統計サマリー出力
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print("=" * 60)
print("産業別従業者割合 (2021年度) 統計サマリー")
print("=" * 60)
for col in ['従業者割合_製造業', '従業者割合_建設業', '従業者割合_情報通信業']:
    m = df[col].mean()
    s = df[col].std()
    print(f"  {col}: 平均={m:.1f}%, 標準偏差={s:.1f}%")

print()
print("=" * 60)
print("LQ(製造業特化係数)上位・下位5都道府県")
print("=" * 60)
lq_sorted = df[['都道府県', 'LQ_製造業', '従業者割合_製造業']].sort_values('LQ_製造業', ascending=False)
print("製造業LQ 上位5:")
print(lq_sorted.head(5).to_string(index=False))
print("製造業LQ 下位5:")
print(lq_sorted.tail(5).to_string(index=False))
▼ 実行結果
============================================================
産業別従業者割合 (2021年度) 統計サマリー
============================================================
  従業者割合_製造業: 平均=17.3%, 標準偏差=5.4%
  従業者割合_建設業: 平均=7.2%, 標準偏差=1.4%
  従業者割合_情報通信業: 平均=1.6%, 標準偏差=1.6%

============================================================
LQ(製造業特化係数)上位・下位5都道府県
============================================================
製造業LQ 上位5:
都道府県   LQ_製造業  従業者割合_製造業
 滋賀県 1.768323  26.864036
 三重県 1.714782  26.050648
 富山県 1.700213  25.829312
 静岡県 1.677043  25.477323
 群馬県 1.655047  25.143170
製造業LQ 下位5:
都道府県   LQ_製造業  従業者割合_製造業
 福岡県 0.714358  10.852389
 高知県 0.660001  10.026608
 北海道 0.569658   8.654145
 東京都 0.385602   5.857991
 沖縄県 0.362910   5.513265
💡 解説
  • sort_values('列名', ascending=False) — 指定列で並べ替え(降順)。
💡 Python TIPS s[:-n]「末尾n文字を除く」/s[n:]「先頭n文字を除く」。スライス [start:stop:step] はリスト・タプル・文字列共通の基本ワザです。
やってみよう相関分析
📝 コード
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print()
print("=" * 60)
print("消費支出との相関分析")
print("=" * 60)
corr_vars = ['従業者割合_製造業', '従業者割合_建設業', '従業者割合_情報通信業',
             'LQ_製造業', '高齢化率', '人口密度', '有効求人倍率_代理', '転入率']
for var in corr_vars:
    r, p = stats.pearsonr(df[var].dropna(), df.loc[df[var].notna(), '消費支出(二人以上の世帯)'])
    sig = "**" if p < 0.01 else "*" if p < 0.05 else "  "
    print(f"  {var:20s}: r={r:+.3f} (p={p:.4f}) {sig}")
▼ 実行結果
============================================================
消費支出との相関分析
============================================================
  従業者割合_製造業           : r=+0.394 (p=0.0061) **
  従業者割合_建設業           : r=-0.437 (p=0.0021) **
  従業者割合_情報通信業         : r=+0.171 (p=0.2511)   
  LQ_製造業              : r=+0.394 (p=0.0061) **
  高齢化率                : r=-0.382 (p=0.0080) **
  人口密度                : r=+0.236 (p=0.1106)   
  有効求人倍率_代理           : r=+0.448 (p=0.0016) **
  転入率                 : r=+0.318 (p=0.0292) *
💡 解説
  • stats.pearsonr(x, y) — Pearson相関係数 r と p値を同時に返します。
💡 Python TIPS np.cumsum(arr)累積和np.linspace(a, b, n) は「aからbを等間隔でn個」。NumPyの定石です。
やってみよう重回帰分析
📝 コード
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print()
print("=" * 60)
print("OLS 重回帰分析(目的変数:消費支出)")
print("=" * 60)

reg_vars = ['従業者割合_製造業', '従業者割合_情報通信業',
            '高齢化率', '人口密度', '有効求人倍率_代理']

df_reg = df[['消費支出(二人以上の世帯)'] + reg_vars].dropna()
y = df_reg['消費支出(二人以上の世帯)'].values
X = df_reg[reg_vars].values
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS f-stringの書式 {値:.2f}(小数2桁)、{値:,}(3桁区切り)、{値:>10}(右寄せ10桁)など、覚えると出力が一気に整います。
やってみよう重回帰分析標準化
📝 コード
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# 標準化
y_std = (y - y.mean()) / y.std()
X_std = (X - X.mean(axis=0)) / X.std(axis=0)

X_sm = sm.add_constant(X_std)
model = sm.OLS(y_std, X_sm).fit()
print(model.summary())
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • sm.add_constant(X) — 切片項(定数1の列)を先頭に追加。statsmodelsで必須。
  • sm.OLS(y, X).fit() — 最小二乗法でモデルを推定。model.params, model.pvalues, model.conf_int() で結果取得。
💡 Python TIPS plt.subplots(figsize=(W, H)) で図サイズ指定、fig.savefig(..., bbox_inches='tight') で余白を自動で詰めて保存。
やってみよう重回帰分析標準化偏回帰係数
📝 コード
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# 標準化偏回帰係数
coefs = model.params[1:]  # 定数項除く
pvals = model.pvalues[1:]
conf = pd.DataFrame(model.conf_int()).iloc[1:]

print()
print("標準化偏回帰係数:")
for name, c, p in zip(reg_vars, coefs, pvals):
    sig = "**" if p < 0.01 else "*" if p < 0.05 else "  "
    print(f"  {name:25s}: β={c:+.4f} (p={p:.4f}) {sig}")
▼ 実行結果
============================================================
OLS 重回帰分析(目的変数:消費支出)
============================================================
                            OLS Regression Results                            
==============================================================================
Dep. Variable:                      y   R-squared:                       0.423
Model:                            OLS   Adj. R-squared:                  0.352
Method:                 Least Squares   F-statistic:                     6.001
Date:                Mon, 18 May 2026   Prob (F-statistic):           0.000297
Time:                        11:23:38   Log-Likelihood:                -53.784
No. Observations:                  47   AIC:                             119.6
Df Residuals:                      41   BIC:                             130.7
Df Model:                           5                                         
Covariance Type:            nonrobust                                         
==============================================================================
                 coef    std err          t      P>|t|      [0.025      0.975]
------------------------------------------------------------------------------
const      -7.355e-16      0.119   -6.2e-15      1.000      -0.240       0.240
x1             0.4067      0.148      2.742      0.009       0.107       0.706
x2            -0.0445      0.272     -0.164      0.871      -0.593       0.504
x3            -0.0961      0.185     -0.520      0.606      -0.470       0.277
x4            -0.1694      0.292     -0.580      0.565      -0.760       0.421
x5             0.6101      0.300      2.036      0.048       0.005       1.215
==============================================================================
Omnibus:                        4.062   Durbin-Watson:                   2.167
Prob(Omnibus):                  0.131   Jarque-Bera (JB):                2.912
Skew:                          -0.534   Prob(JB):                        0.233
Kurtosis:                       3.588   Cond. No.                         5.67
==============================================================================

Notes:
[1] Standard Errors assume that the covariance matrix of the errors is correctly specified.

標準化偏回帰係数:
  従業者割合_製造業                : β=+0.4067 (p=0.0090) **
  従業者割合_情報通信業              : β=-0.0445 (p=0.8707)   
  高齢化率                     : β=-0.0961 (p=0.6060)   
  人口密度                     : β=-0.1694 (p=0.5654)   
  有効求人倍率_代理                : β=+0.6101 (p=0.0482) *
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS .dropna() は欠損行を除去、.copy() は独立したコピーを作る。pandasで警告を防ぐ定石。
やってみよう図図4: 標準化偏回帰係数プロット
📝 コード
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print("図4 生成中...")

var_labels_jp = {
    '従業者割合_製造業': '製造業\n従業者割合',
    '従業者割合_情報通信業': '情報通信業\n従業者割合',
    '高齢化率': '高齢化率',
    '人口密度': '人口密度',
    '有効求人倍率_代理': '有効求人倍率\n(代理)',
}

coef_vals = np.array(model.params[1:])
pval_vals = np.array(model.pvalues[1:])
ci_low    = pd.DataFrame(model.conf_int()).iloc[1:, 0].values
ci_high   = pd.DataFrame(model.conf_int()).iloc[1:, 1].values

labels_jp = [var_labels_jp[v] for v in reg_vars]
colors_bar = ['#e05c5c' if c > 0 else '#4e9af1' for c in coef_vals]
sig_markers = ['**' if p < 0.01 else '*' if p < 0.05 else '' for p in pval_vals]

fig4, ax4 = plt.subplots(figsize=(9, 6))

y_pos = np.arange(len(labels_jp))
bars = ax4.barh(y_pos, coef_vals, color=colors_bar, alpha=0.82, edgecolor='white', linewidth=0.5, height=0.55)
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
💡 Python TIPS df['A'] / df['B'] — pandasの列同士の四則演算は要素ごと(element-wise)。forループ不要なのが強み。
やってみよう図図4: 標準化偏回帰係数プロット — 信頼区間
📝 コード
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# 信頼区間
for i, (lo, hi) in enumerate(zip(ci_low, ci_high)):
    ax4.plot([lo, hi], [i, i], 'k-', linewidth=2.5, alpha=0.7)
    ax4.plot([lo, lo], [i-0.08, i+0.08], 'k-', linewidth=1.5, alpha=0.7)
    ax4.plot([hi, hi], [i-0.08, i+0.08], 'k-', linewidth=1.5, alpha=0.7)

# 係数値と有意性マーカー
for i, (c, sig) in enumerate(zip(coef_vals, sig_markers)):
    offset = 0.02 if c >= 0 else -0.02
    align = 'left' if c >= 0 else 'right'
    ax4.text(c + offset, i, f'{c:+.3f}{sig}',
             va='center', ha=align, fontsize=10, fontweight='bold',
             color='#333333')

ax4.axvline(x=0, color='black', linewidth=1.2, alpha=0.7)
ax4.set_yticks(y_pos)
ax4.set_yticklabels(labels_jp, fontsize=10)
ax4.set_xlabel('標準化偏回帰係数(β)', fontsize=12)
ax4.set_title('重回帰分析:地域消費支出の決定要因\n(標準化偏回帰係数と95%信頼区間、n=47都道府県)',
              fontsize=13, fontweight='bold')
ax4.xaxis.grid(True, alpha=0.3, linestyle='--')
ax4.set_axisbelow(True)
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • ax.axhline / ax.axvline — 水平/垂直の点線。平均線や基準線として定番。
💡 Python TIPS Seriesの .map() は「1対1の置き換え」、.apply() は「関数を当てる」。辞書なら .map()、ロジックなら .apply()
やってみよう図図4: 標準化偏回帰係数プロット — 凡例(有意性)
📝 コード
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# 凡例(有意性)
ax4.text(0.99, 0.02, '**p<0.01  *p<0.05  (95%CI)', transform=ax4.transAxes,
         ha='right', va='bottom', fontsize=9, color='#555555',
         bbox=dict(boxstyle='round,pad=0.3', fc='white', alpha=0.7))

# 統計値の注記
r2_adj = model.rsquared_adj
ax4.text(0.99, 0.98, f'修正済みR²={r2_adj:.3f}',
         transform=ax4.transAxes, ha='right', va='top',
         fontsize=10, color='#222222',
         bbox=dict(boxstyle='round,pad=0.3', fc='#fff9c4', ec='#f9a825', alpha=0.9))

plt.tight_layout()
fig4.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2020_H5_3_fig4.png'), bbox_inches='tight')
plt.close(fig4)
print(f"  -> 2020_H5_3_fig4.png 保存完了 (修正済みR²={r2_adj:.3f})")
▼ 実行結果
図4 生成中...
  -> 2020_H5_3_fig4.png 保存完了 (修正済みR²=0.352)
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS [式 for x in リスト]リスト内包表記。forループでappendする代わりに1行でリストを作れます。
やってみよう最終サマリー出力
📝 コード
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print()
print("=" * 60)
print("最終統計サマリー(HTML作成用)")
print("=" * 60)

# 製造業LQが高い都道府県(製造業特化地域)
lq_high = df[df['LQ_製造業'] >= 1.5][['都道府県', 'LQ_製造業', '従業者割合_製造業', '消費支出(二人以上の世帯)']].sort_values('LQ_製造業', ascending=False)
print("製造業LQ≥1.5の都道府県:")
print(lq_high.to_string(index=False))

print()
mfg_csp_r, mfg_csp_p = stats.pearsonr(
    df['従業者割合_製造業'].dropna(),
    df.loc[df['従業者割合_製造業'].notna(), '消費支出(二人以上の世帯)']
)
print(f"製造業割合 vs 消費支出: r={mfg_csp_r:.3f}, p={mfg_csp_p:.4f}")

ict_csp_r, ict_csp_p = stats.pearsonr(
    df['従業者割合_情報通信業'].dropna(),
    df.loc[df['従業者割合_情報通信業'].notna(), '消費支出(二人以上の世帯)']
)
print(f"情報通信業割合 vs 消費支出: r={ict_csp_r:.3f}, p={ict_csp_p:.4f}")

aging_csp_r, aging_csp_p = stats.pearsonr(
    df['高齢化率'].dropna(),
    df.loc[df['高齢化率'].notna(), '消費支出(二人以上の世帯)']
)
print(f"高齢化率 vs 消費支出: r={aging_csp_r:.3f}, p={aging_csp_p:.4f}")

mfg_mean = df['従業者割合_製造業'].mean()
mfg_std  = df['従業者割合_製造業'].std()
csp_mean = df['消費支出(二人以上の世帯)'].mean()
csp_std  = df['消費支出(二人以上の世帯)'].std()

print()
print(f"製造業従業者割合 全国平均: {mfg_mean:.1f}% ± {mfg_std:.1f}%")
print(f"消費支出 全国平均: {csp_mean:.0f}円 ± {csp_std:.0f}円")

print()
print("全図生成完了。")
▼ 実行結果
============================================================
最終統計サマリー(HTML作成用)
============================================================
製造業LQ≥1.5の都道府県:
都道府県   LQ_製造業  従業者割合_製造業  消費支出(二人以上の世帯)
 滋賀県 1.768323  26.864036         319456
 三重県 1.714782  26.050648         277102
 富山県 1.700213  25.829312         316801
 静岡県 1.677043  25.477323         300439
 群馬県 1.655047  25.143170         310407
 岐阜県 1.631964  24.792493         313314
 栃木県 1.597127  24.263251         297278
 愛知県 1.566532  23.798455         319344
 長野県 1.528785  23.225020         298965

製造業割合 vs 消費支出: r=0.394, p=0.0061
情報通信業割合 vs 消費支出: r=0.171, p=0.2511
高齢化率 vs 消費支出: r=-0.382, p=0.0080

製造業従業者割合 全国平均: 17.3% ± 5.4%
消費支出 全国平均: 289630円 ± 19187円

全図生成完了。
💡 解説
  • sort_values('列名', ascending=False) — 指定列で並べ替え(降順)。
  • stats.pearsonr(x, y) — Pearson相関係数 r と p値を同時に返します。
💡 Python TIPS Seriesの .map() は「1対1の置き換え」、.apply() は「関数を当てる」。辞書なら .map()、ロジックなら .apply()

まとめ

本研究は、SSDSE-E(産業別従業者数・県民所得)とSSDSE-B(消費支出・雇用)を用いて、47都道府県の産業構造と地域経済水準の関係を相関分析・重回帰分析によって検証した。

主要な発見事項
  1. 製造業の正の効果:製造業従業者割合は消費支出と有意な正の相関(r=+0.394, p=0.006)を示し、重回帰でも有意な説明変数(β=+0.407, p=0.009)
  2. 雇用市場の効果有効求人倍率(雇用の需給)が消費支出に最も強く影響(β=+0.610, p=0.048)し、「仕事の多い地域ほど豊か」を数量的に確認
  3. 建設業依存の負の効果:建設業割合は消費支出と負の相関(r=−0.437)。公共事業依存型経済の限界を示唆
  4. 地域の特化(LQ:製造業LQ≥1.5の9県は平均消費支出が全国より約5.6%高く、産業集積の経済的恩恵を確認
  5. モデルの説明力:修正済み=0.352 で、地域消費水準の35%を産業構造・雇用環境で説明

政策的含意:製造業の集積・維持と雇用創出が地域経済の底上げに有効であることが統計的に支持された。「ものづくり地域」の競争力強化は、単に産業政策にとどまらず、地域住民の消費水準向上と生活の質(QoL)改善につながると考えられる。

統計的手法の学習ポイント(まとめ)
  • LQ特化係数:地域の産業特性を全国比で測る、地域経済分析の基本指標
  • 積み上げ棒グラフ:複数カテゴリの割合を比較する多変量可視化手法
  • 相関ヒートマップ:多変数間の相関構造を一覧するための可視化
  • 標準化偏回帰係数:単位の異なる変数の「影響の大きさ」を比較できる重回帰分析の指標
  • 多重共線性への注意:単相関で有意でも重回帰では有意でなくなる変数は共線性を疑う

データ出典: SSDSE-E-2026(産業別従業者数・県民所得 2021年度)、SSDSE-B-2026(消費支出・雇用 2022年度) — 統計センター公表実データ。 再現コード: code/2020_H5_3_shorei.py

⚠️ よくある誤解と注意点

統計分析の解釈で初心者がやりがちな勘違いをまとめます。特に「相関因果の混同」「p値の過信」は研究現場でもよく起きる落とし穴です。本文を読む前にも、読んだ後にも、目を通してみてください。

❌ 「相関がある=因果関係がある」ではない
疑似相関spurious correlationとは、見かけ上は関係があるように見えるが、実際は無関係、または第三の変数(交絡変数)が両方に影響しているだけの現象です。

古典例: アイスクリームの売上 と 水難事故件数 は強く相関するが、片方が他方を引き起こしているわけではない。両者とも「夏の暑さ」という第三の変数に引きずられているだけ。

論文を読むときの心構え: 「○○と△△に強い相関が見られた」だけで終わっている主張は、本当に因果関係があるのか、それとも第三の変数(人口・所得・地理など)が共通要因として効いているだけではないかを必ず疑ってください。
❌ 「p値が小さい=重要な発見」ではない
p値が小さい(例えば p < 0.001)ことは「統計的に偶然とは考えにくい」という意味であって、「実用的に大きな効果がある」という意味ではありません。

例: 巨大なサンプルサイズ(n=100,000)では、相関係数 r=0.02 でも p < 0.001 になります。しかし r=0.02 は実用上ほぼ無視できる関係です。

正しい読み方: p値効果量係数の大きさ、相関係数の値)の両方をセットで判断してください。p値だけで「重要な発見」と結論づけるのは誤りです。
❌ 「回帰係数が大きい=重要な変数」ではない
回帰係数の絶対値は、説明変数単位に強く依存します。「年収(万円)」と「失業率(%)」の係数を直接比較しても意味がありません。

正しい比較方法: (1) 標準化係数(各変数を平均0・分散1に変換した上での係数)を使う、(2) 限界効果(変数を1標準偏差動かしたときのyの変化)で比較する。

また、係数の大きさが「因果関係の強さ」を意味するわけでもありません。あくまで「相関的な関連の強さ」です。
❌ 「外れ値を除外すれば正しい結果」ではない
外れ値(極端な値)を「目障りだから」「結果が綺麗にならないから」という理由で除外するのは分析の改ざんに近い行為です。

外れ値が示すもの: 本当に重要な情報(東京の超高密度、北海道の超低密度など)であることが多い。外れ値を取り除くと「日本全体の傾向」を見誤る原因になります。

正しい対処: (1) 外れ値の出現要因を調査する(なぜ東京だけ突出するのか)、(2) ノンパラメトリック手法(Spearman相関Kruskal-Wallis)を使う、(3) 外れ値を含む結果と除外した結果の両方を提示し、解釈を読者に委ねる。
❌ 「サンプルサイズが大きい=信頼できる」ではない
サンプルサイズ(n)が大きいと統計的検定の検出力は上がりますが、それは「偶然による誤差を減らす効果」にすぎません。

nが大きくても解消されない問題:
選択バイアス標本が偏っている)
測定誤差(変数の定義が曖昧)
欠損値のパターン(欠損がランダムでない)
交絡変数の見落とし

例: 1万人にWeb調査して「ネット利用と幸福度は強く相関」と言っても、そもそも回答者がネットユーザー寄りに偏っているため、母集団全体の結論にはなりません。
❌ 「複雑なモデル=より良い分析」ではない
ランダムフォレストニューラルネット・複雑な階層モデルなど、高度な手法を使えば「良い分析」と感じがちですが、必ずしもそうではありません。

過学習(overfitting)の罠: モデルが複雑すぎると、訓練データ偶然のパターンまで学習してしまい、新しいデータでは予測精度が落ちます。

シンプルさの価値: 重回帰分析相関分析は「結果が解釈しやすい」「再現性が高い」という大きな利点があります。複雑な手法はシンプルな手法で答えが出ない時の最後の手段です。
❌ 「多重共線性は気にしなくていい」ではない
多重共線性とは、説明変数同士の相関が極めて強い状態のこと。これを放置すると、回帰係数符号や大きさが入れ替わる異常事態が起こります。

典型例: 「総人口」と「労働力人口」を同時に投入すると、両者の相関が r=0.99 になり、係数推定が極端に不安定になります。「総人口は正だが、労働力人口は負」のような解釈不能な結果になりがちです。

診断と対処:
VIF(分散拡大係数)を計算し、VIF > 10 の変数を確認
相関行列で |r| > 0.8 のペアをチェック
・対処法:一方を除外、合成変数(PCA)に変換、Ridge回帰で安定化
❌ 「R²が高い=良いモデル」ではない
決定係数 R² はモデルの「当てはまりの良さ」を示しますが、 が高くてもモデルが正しいとは限りません

が高くなる罠:
説明変数を増やせば は自動的に上がる(無関係な変数を追加してもは下がらない)
時系列データでは、共通のトレンド(時間とともに増加)があるだけで が 0.9 を超える
サンプルサイズが小さいとが過大評価される

代替指標: 調整済み (変数の数でペナルティ)AICBICモデル選択基準)を併用してください。予測力の真の評価には交差検証(cross-validation)テストデータ を見ること。
❌ 「ステップワイズで選んだ変数は重要」ではない
ステップワイズ法(バックワード・フォワード選択)は便利ですが、p値ベースの変数選択は再現性に問題があると批判されています。

問題点:
同じデータでも実行順序によって最終モデルが変わる
p値を繰り返し見ることで「偶然に有意な変数」を拾ってしまう(p-hacking
係数標準誤差が過小評価され、信頼区間が嘘っぽくなる

より良い方法:
事前に変数を理論で絞る(先行研究から候補を選ぶ)
LASSO回帰(自動かつ統計的に正当化された変数選択)を使う
交差検証AIC/BIC 最小モデルを選ぶ
❌ 「線形回帰なら線形関係を前提にすべき」
重回帰分析線形関係を前提とします。実際の関係が非線形なのに線形モデルで分析すると、本当の関係を見逃します

非線形の例:
U字型関係: 失業率と物価上昇率(フィリップス曲線)
逓減効果: 所得と幸福度(年収 800万円までは強い正の効果、それ以上は飽和)
閾値効果: 高齢化率と医療費(ある水準を超えると急激に上がる)

診断と対処:
残差プロット残差が0周辺に均等に分布しているか確認
変数の対数変換・二乗項追加で非線形性を取り込む
・どうしても線形では捉えられないなら、機械学習RF・GBM)を併用する
❌ 「データに当てはまった=予測に使える」ではない
「過去のデータでフィットしたから将来も予測できる」と思うのは危険です。

過学習(overfitting)の例: 47都道府県のデータに10個の説明変数を投入すれば、ほぼ完璧にフィットします(自由度がほぼゼロ)。でもそのモデルを新しい年度に適用すると、予測精度はほぼランダム並みに落ちることがあります。

正しい予測力の評価:
・データを訓練用 70%テスト用 30%に分割し、テスト用での予測精度を見る
k分割交差検証(k-fold CV)で予測の安定性を確認
・「説明変数の数 ≪ サンプルサイズ」のバランスを意識(目安:n > 10 × 変数数)

📖 用語集(この記事に出てくる統計用語)

統計の基本用語を初心者向けに解説します。本文中で見慣れない言葉が出てきたら、ここに戻って確認してください。

p値
「効果がない」と仮定したときに、観察されたデータ(またはより極端なデータ)が得られる確率。0〜1の値で、慣例的に 0.05(5%)未満を「有意」と判断する。
有意水準
「偶然」と「意味のある違い」を分ける基準。通常 α=0.05(5%)を使う。p値 < α なら「有意」と判定。
信頼区間
「真の値はこの範囲にあるだろう」という幅。95%信頼区間 = 同じ実験を100回繰り返したら95回はこの範囲に真の値が入る。
サンプルサイズ
分析に使ったデータ点の数(n)。一般にnが大きいほど推定が安定し、わずかな差も検出できるようになる。
標準誤差
推定値(係数など)のばらつきの目安。標準誤差が小さいほど推定値が安定している。
正規分布
釣鐘型の左右対称な分布。多くのパラメトリック検定(t検定F検定など)は「データが正規分布に従う」ことを仮定する。
因果相関
相関がある」と「原因と結果の関係(因果)」は別物。アイスクリームの売上と水難事故は相関するが、原因は両者とも「夏の暑さ」。
外れ値
他のデータから極端に離れた値。分析結果を歪める原因になるため、検出して除外するか別途扱う必要がある。
欠損値
データが取得できなかった部分(NaN・空白)。除外するか補完(平均代入・回帰代入など)するかが分析上の重要な判断点。
VIF
Variance Inflation Factor分散拡大係数)。多重共線性の強さを示す指標。VIF > 10 で「強い多重共線性あり」と判断。
係数回帰係数
説明変数 x が1単位増えたとき、目的変数 y が平均でどれだけ変化するか」を示す数値。正の値は正の影響、負の値は負の影響。
多重共線性
説明変数同士の相関が強すぎる状態。係数推定が不安定になり、解釈を誤る原因になる。VIF > 10 が警告サイン。
標準化係数
変数の単位の影響を取り除いた係数。複数の変数の影響の大きさを単位に依存せず比較するために使う。
決定係数 R²
回帰モデル目的変数のばらつきの何%を説明できるかを示す指標。0〜1の値で、1に近いほどモデルの説明力が高い。

📐 使っている手法をわかりやすく解説

統計手法について「何のためか」「結果をどう読むか」を初心者向けに解説します。

◆ 統計の基本概念(どの論文にも共通)

🔍 p値有意確率)とは
何?
「もし本当に効果がなかったとしたら、今回の結果(またはもっと極端な結果)が偶然起きる確率」のこと。
なぜ必要?
帰無仮説(「効果なし」の仮定)のもとで検定統計量の分布から計算する。
何がわかる?
「この関係は偶然ではなく、統計的に意味がある」と主張するための客観的な根拠になる。
読み方
p < 0.05(5%未満)を「統計的に有意」と判断するのが慣例。ただし「p値が小さい=効果が大きい」ではない。効果量係数の大きさ)とセットで判断する。
🗂️ ノンパラメトリック検定とは(なぜ使うのか)
何?
「データが正規分布に従う」という仮定を置かない検定手法の総称。Kruskal-Wallis検定・Mann-Whitney U検定などが代表例。
なぜ必要?
データの値ではなく「順位」に変換して検定統計量を計算する。外れ値や偏った分布に対しても安定して機能する。
何がわかる?
サンプルサイズが小さい・データが歪んでいる・外れ値がある場合でも、グループ差の有無を検定できる。
読み方
「なぜノンパラメトリックを選ぶのか」の理由を示すには、正規性検定(Shapiro-Wilk)の結果を添えるのが望ましい。結果の解釈は対応するパラメトリック検定と同様(p < 0.05 で有意差あり)。

◆ この論文で使われている手法

📈 重回帰分析
何?
複数の説明変数(原因候補)が1つの目的変数(結果)にどれだけ影響するかを同時に推定する手法。
どう使う?
目的変数 y を複数の説明変数 x₁, x₂, … で予測する式(y = a₁x₁ + a₂x₂ + … + b)を最小二乗法でフィットさせる。
何がわかる?
複数の要因が混在するなかで「どれが一番効いているか」を一度に検証できる。交絡変数を統制できる。
結果の読み方
係数(a₁, a₂…)のプラスは正の影響、マイナスは負の影響。p < 0.05 で統計的に有意。が1に近いほどモデルの説明力が高い。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。
🔗 相関分析
何?
2つの変数の「一緒に増減する傾向の強さと向き」を −1〜+1 の相関係数 r で数値化する手法。
どう使う?
散布図を描き、Pearson(連続データ)または Spearman(順序データ・外れ値に強い)の相関係数を計算する。
何がわかる?
「気温が高い県ほど熱中症指標が高い」などの傾向を素早く確認できる。変数選択の第一歩として使われることも多い。
結果の読み方
r > +0.7 は強い正の相関、r < −0.7 は強い負の相関、|r| < 0.3 はほぼ無相関相関因果関係を示すものではない点に注意。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。
📅 時系列分析
何?
時間順に並んだデータのトレンドや周期性、変化点を分析する手法群の総称。
どう使う?
折れ線グラフでトレンドを視覚化し、移動平均指数平滑・AR/MA モデルを適用する。
何がわかる?
「出生率がいつから下がり始めたか」「コロナ前後で変化したか」などの変化を客観的に捉えられる。
結果の読み方
傾きが正なら上昇トレンド、負なら下降トレンド。変化点の前後で傾きが変わる場合は構造変化として解釈する。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。
🌲 ランダムフォレスト + SHAP機械学習による変数重要度)
何?
多数の決定木を組み合わせた予測モデル(RF)と、各変数の寄与度を個別に説明する SHAP値の組み合わせ。
どう使う?
RFで予測モデルを構築し、SHAPでゲーム理論的アプローチによって各変数の寄与を計算する。
何がわかる?
線形モデルでは捉えにくい非線形・交互作用関係も含めて「どの変数が重要か」を視覚的に示せる。
結果の読み方
SHAP値プラスが予測値を上昇させる貢献、マイナスが低下させる貢献。変数重要度グラフの上位変数が最も影響力が大きい。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。
📍 特化係数(LQ)分析
何?
ある地域のある指標の「全国平均と比べた特化度」を数値化する手法。LQ > 1 なら全国平均より高い。
どう使う?
LQ = (地域シェア)÷(全国シェア)。CO₂排出量のLQなら製造業比率の地域/全国比で計算。
何がわかる?
「この地域はCO₂排出が全国平均の何倍か」「どの産業が特化しているか」を比較できる。
結果の読み方
LQ = 1.0 が全国平均LQ > 1.5 で高特化、LQ < 0.5 で著しく低い。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。
↔️ VAR(ベクトル自己回帰)/ Granger因果検定
何?
複数の時系列変数が互いに影響し合う関係を分析する手法(VAR)と、「AがBの予測に役立つか」を検定する手法(Granger因果)。
どう使う?
VARは全変数を互いに説明変数として同時回帰Granger因果F検定でAのラグ変数がBの予測精度を向上させるかを確認する。
何がわかる?
「女性就業率と出生率はどちらが先に動くか」「リード・ラグ関係」を特定できる。
結果の読み方
Granger因果 p < 0.05 → 「Aの過去値はBの予測に役立つ」(ただし真の因果とは限らない)。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。

🚀 発展の可能性(結果 X → 新仮説 Y → 課題 Z)

この研究をさらに発展させるための3つの方向性を示します。「今回わかったこと(X)」から「次に検証すべき仮説(Y)」を立て、「具体的に何をするか(Z)」まで考えてみましょう。

① データ・時間的拡張
結果 X
本論文は特定の年度・地域の断面データ(または限られた時系列)で分析を行った。
新仮説 Y
より新しい年度のデータや市区町村レベルの細粒度データを使えば、知見の時間的頑健性や地域内格差を検証できる。
課題 Z
(1)統計センターから最新の SSDSE をダウンロードし、同じ分析を再実行する。(2)結果が変わった場合、その要因(コロナ・政策変化など)を考察する。(3)市区町村データ(SSDSE-A/C/F)で分析単位を細かくした場合の結果と比較する。
② 手法の発展:重回帰分析 の次のステップ
結果 X
本論文は 重回帰分析 を用いた推定を行った。
新仮説 Y
パネルデータ固定効果モデルFE)による都道府県固有の差の統制 により、本分析では統制できていない問題を解消できる可能性がある。
課題 Z
(1)パネルデータ固定効果モデルFE)による都道府県固有の差の統制 を実装し、本論文の係数推定と比較する。(2)操作変数法IV)による内生性の解消 も試し、結果の頑健性を確認する。(3)推定結果の変化から、元の分析の仮定のどれが重要だったかを考察する。
③ 政策提言・実践への応用
結果 X
本論文は分析結果から特定の変数が目的変数に影響することを示した。
新仮説 Y
分析対象を日本全国から特定地域に絞ること、または逆に国際比較に拡張することで、政策の移転可能性と文脈依存性を検証できる。
課題 Z
(1)有意な変数を「政策で変えられるもの」と「変えにくいもの」に分類する。(2)政策で変えられる変数について、係数の大きさから「どれだけ変えればどれだけ効果があるか」を試算する。(3)自治体・政策立案者への提言として、実現可能なアクションプランを1枚にまとめる。

🎯 自分でやってみよう(5つのチャレンジ)

学んだだけでは身につきません。実際に手を動かすのが最強の学習方法です。本論文のスクリプトをベースに、以下のチャレンジに挑戦してみてください。難易度別に5つ用意しました。

★☆☆☆☆ 入門
CH1. 同じデータで分析を再現する
まずは付属の Python スクリプトをそのまま実行し、論文と同じ図を再現してみてください。
ポイント: 各図がどのコード行から生成されているか辿る。エラーが出たら原因を考える。
★★☆☆☆ 初級
CH2. 説明変数を1つ追加・除外して結果を比較
本論文の分析モデルから説明変数を1つ抜いて再実行、あるいは1つ追加して再実行してください。
ポイント: 係数p値 がどう変わったか観察する。多重共線性が原因で結果が変わる例を見つけられたら理想的。
★★★☆☆ 中級
CH3. 別の年度・別の都道府県で同じ分析を試す
SSDSE の別の年度(例:2015年度・2020年度)または特定都道府県のみのデータで同じ分析を実行してください。
ポイント: 時代や地域によって結論が変わるか? 変わるならその理由を考察する。
★★★★☆ 上級
CH4. 別の手法を組み合わせる
本論文の手法 + 1つの追加手法(例:重回帰 + LASSO相関分析 + 主成分分析)で結果を比較してください。
ポイント: 手法の違いで結論が変わるか? どちらが妥当かを「なぜ」とともに説明できるように。
★★★★★ 発展
CH5. オリジナルの問いを立てて分析する
本論文の手法を借りて、あなた自身の問いを立てて分析してください。 例:「カフェの数と幸福度に関連はあるか」「教育費の高い県は出生率も高いか」など。
ポイント: 問い・データ・手法・結論を1ページのレポートにまとめる。これがデータサイエンスの「実践」。
💡 ヒント: 詰まったら本サイトの他の論文(同じ手法を使っている)のスクリプトをコピーして組み合わせるのが効率的です。手法ガイド・用語集も参考に。

💼 この手法は実社会でこう使われている

本論文で学んだ手法は、研究の世界だけでなく、行政・企業・NPO の現場でも様々に活用されています。具体的なシーンを紹介します。

🏛️
行政の政策立案
都道府県・市区町村の政策担当者は、本論文と同様のデータ分析を用いて「どこに予算を投じれば効果が出るか」を検討します。 例えば医療費削減策、移住促進策、子育て支援策などの効果予測・効果検証に直結します。
🏢
企業のマーケティング・出店戦略
小売チェーン・サービス業の出店戦略では、地域特性(人口構成、所得、ライフスタイル)と売上の関係を本論文と同じ手法で分析します。 ECサイトでも顧客セグメント分析・購買要因分析に類似手法が使われます。
🏥
医療・公衆衛生
感染症の流行予測、医療資源配分の最適化、健康格差の地域要因分析などで、本論文の統計手法は標準的に使われています。 WHO・厚労省レベルの政策評価でも同じ手法が活躍しています。
📊
メディア・ジャーナリズム
新聞・テレビの社会調査記事、選挙予測、世論調査の分析でも、本論文と同じ手法(回帰分析・クラスタリングなど)が使われています。 データジャーナリズムの記事はこの種の分析が中核です。
🎓
学術研究(隣接分野)
経済学・社会学・公衆衛生学・教育学・地理学などの実証研究では、本論文と同じ手法が日常的に使われます。 専門誌に掲載される論文の8割以上が、こうした統計手法に基づいて結論を出しています。
💰
金融・保険業界
与信判断(融資審査)、保険料の地域別設定、不動産価格予測などで、本論文と同様のモデリング手法が広く活用されています。 統計分析の能力は金融業界の必須スキルになっています。

🤔 よくある質問(読者からの想定Q&A)

この論文を読んで初心者が抱きやすい疑問に、教育的観点から答えます。

Q1. この分析、自分でもできますか?
はい、できます。SSDSE データは無料で公開されており、Python の pandas, scikit-learn, statsmodels を使えば全く同じ手順で再現可能です。本ページ下部のスクリプトを実行するだけで結果が得られます。
Q2. 使われている手法は他の分野にも応用できますか?
十分応用可能です。本論文の[手法]は、医療・教育・経済・環境など他のドメインでも標準的に使われる手法です。データの中身(変数)を入れ替えるだけで、別の問いにも適用できます。
Q3. 結論は本当に「因果関係」を示していますか?
本論文は「観察データ」を使った分析であり、厳密な意味での「因果関係」を完全に証明したわけではありません。あくまで「強い関連が見られた」という事実を提示しているにとどまります。真の因果を示すには、無作為化比較試験(RCT)か、自然実験を活用したIVDiD 等の手法が必要です。
Q4. データの最新版を使うとどうなりますか?
SSDSE は毎年更新されているため、最新版を使えば近年のトレンド(特にコロナ禍以降の変化)も含めて分析できます。ただし、結論が変わる可能性もあります。それ自体が新しい発見につながります。
Q5. もっと深く学ぶには何を読めばいいですか?
「計量経済学」「データサイエンス入門」「統計的因果推論」などのテキストが入門に向いています。Python の場合は『Python ではじめる機械学習』(オライリー)、R の場合は『R で学ぶ統計学』が定番です。本サイトの他の論文も読み比べてみてください。