降水量の変動は農業・水資源・防災に直結する重要な気象指標である。
本研究では「海水温(SST: Sea Surface Temperature)が降水量の変動を説明できるか」
という問いを出発点に、都道府県別の気候統計データを用いた定量的分析を行う。
まず「海水温からの降水量予測を目指して」 を統計的にとらえることが有効だと考えられる。
その理由は感覚や経験則だけでは、複雑な社会要因の中で「何が本当に効いているか」を見極めにくいから である。
本研究では公開データと統計手法を組み合わせ、この問いに定量的な答えを出すことを目指す。
海水温が降水量に影響するメカニズム
海面水温が高いほど海洋からの蒸発量が増加し、大気中の水蒸気量が増える。
水蒸気が内陸に運ばれて冷却されると降水となる。
したがって、海水温と降水量の間には正の相関 が期待される。
代理変数(Proxy Variable)の活用
SSDSE-B (都道府県統計)には海水温データが収録されていない。
そこで、海水温と密接に連動する「年平均 気温(B4101)」を代理変数として使用する。
また「気温較差(最高気温 − 最低気温)」も気象変動性の代理変数として導入する。
分析の流れ
SSDSE-B 47都道府県 気候データ
→
断面分析 (2022年 47都道府県)
→
時系列 (2012-2023 全国平均)
→
パネル回帰 (年別β係数 の変動)
SSDSE-B
散布図回帰
時系列分析
代理変数
パネルデータ
データ:SSDSE-B 47都道府県 気候変数
使用データの概要
SSDSE-B (社会・人口統計体系 都道府県データ)から気候関連変数を抽出。
47都道府県 × 2012-2023年の12年間 = 564行のパネルデータ を構築した。
変数コード 変数名 単位 役割
B4101 年平均 気温 ℃ 主要説明変数 (海水温の代理)
B4102 最高気温 ℃ 気温較差の計算に使用
B4103 最低気温 ℃ 気温較差の計算に使用
気温較差 B4102 − B4103 ℃ 気象変動性の代理変数
B4106 降水日数 日/年 参考変数
B4109 年降水量 mm 目的変数 (予測したい変数)
2022年データ(断面)の基本統計量
統計量 年平均 気温(B4101) 年降水量(B4109)
平均 16.1 ℃ 1,544 mm
標準偏差 2.3 ℃ 551 mm
最小値 10.2 ℃(北海道) 668 mm
最大値 23.7 ℃(沖縄) 2,997 mm
都道府県間の気候差
北海道(10℃)から沖縄(24℃)まで約14℃の気温差がある。
降水量は日本海側・太平洋南部で多く、内陸・瀬戸内海周辺で少ない傾向がある。
この地理的多様性がパネル 分析の基礎となる。
📝 コード
📋 コピー df_raw = pd . read_csv (
os . path . join ( DATA_DIR , 'SSDSE-B-2026.csv' ),
header = 0 , # 行0がコード名(B4101等)
encoding = 'cp932'
)
# 都道府県行を抽出(地域コードが R##### 形式)
mask_pref = df_raw [ 'Code' ] . astype ( str ) . str . match ( r '^R\d {5} $' , na = False )
df_b = df_raw [ mask_pref ] . copy ()
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
pd.read_csv(...) でCSVを読み込みます。encoding='cp932' は日本語Windows由来の文字コード、header=1 は「2行目を列名として使う」。df['地域コード'].str.match(r'^R\d{5}', ...) — 正規表現で「R+数字5桁」の行(47都道府県)だけTrueにし、真偽値で行をフィルタ。
💡 Python TIPS df['A'] / df['B'] — pandasの列同士の四則演算は要素ごと(element-wise) 。forループ不要なのが強み。
📝 コード
📋 コピー # 列名を分かりやすくリネーム
df_b = df_b . rename ( columns = {
'SSDSE-B-2026' : '年度' ,
'Code' : '地域コード' ,
'Prefecture' : '都道府県' ,
})
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS Seriesの .map() は「1対1の置き換え 」、.apply() は「関数を当てる 」。辞書なら .map()、ロジックなら .apply()。
📝 コード
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29 # 必要列を数値変換
needed_cols = [ 'B4101' , 'B4102' , 'B4103' , 'B4106' , 'B4109' ]
for c in needed_cols :
df_b [ c ] = pd . to_numeric ( df_b [ c ], errors = 'coerce' )
df_b [ '年度' ] = pd . to_numeric ( df_b [ '年度' ], errors = 'coerce' )
# 気温較差(最高 − 最低)を計算
df_b [ '気温較差' ] = df_b [ 'B4102' ] - df_b [ 'B4103' ]
print ( "=" * 60 )
print ( "■ SSDSE-B-2026 読み込み完了" )
print ( f " 全行数: { len ( df_b ) } , 年度: { sorted ( df_b [ '年度' ] . dropna () . unique () . astype ( int )) } " )
print ( f " 2022年度の都道府県数: { ( df_b [ '年度' ] == 2022 ) . sum () } " )
print ( "=" * 60 )
▼ 実行結果
============================================================
■ SSDSE-B-2026 読み込み完了
全行数: 564, 年度: [np.int64(2012), np.int64(2013), np.int64(2014), np.int64(2015), np.int64(2016), np.int64(2017), np.int64(2018), np.int64(2019), np.int64(2020), np.int64(2021), np.int64(2022), np.int64(2023)]
2022年度の都道府県数: 47
============================================================
💡 解説
.astype(int) — 列を整数に変換(年度などを数値比較するため)。
💡 Python TIPS [式 for x in リスト] はリスト内包表記 。forループでappendする代わりに1行でリストを作れます。
2022年の47都道府県を対象に、年平均 気温(B4101)と年降水量(B4109)の
散布図 を描き、相関係数 と単回帰 直線を求める。
📌 この散布図 の読み方
このグラフは 横軸(x)と縦軸(y)に2変数を取り、各都道府県(または自治体)を点で描いたグラフ。
読み方 点の並びに右上がりの傾向があれば正の相関 、右下がりなら負の相関 。点が直線に近いほど相関 が強い。
なぜそう解釈できるか 回帰直線 (赤線など)の傾きが回帰係数 に対応する。直線から大きく外れた点が外れ値 で、特異な地域を示す。
断面相関 の結果(2022年)
年平均 気温 vs 年降水量:r = 0.333(p = 0.022)有意正相関
気温較差 vs 年降水量:r = −0.526(p = 0.0001)有意負相関
気温較差が大きい(大陸性気候の)地域では降水量が少なく、
気温較差が小さい(海洋性気候の)地域では降水量が多い傾向がある。
OLS(断面 2022年)
年降水量 = 5116 − 8.7×年平均気温 − 107×気温較差
R² = 0.278,F(2,44) = 8.46,p = 0.0008
単独では年平均 気温より「気温較差」の方が降水量をより強く説明する(|r| = 0.53)。
これは気温較差が海洋性気候と大陸性気候を区別する変数として機能しているためと考えられる。
DS LEARNING POINT 1
代理変数(Proxy Variable)の選定
直接測定できない変数(ここでは海水温)の代わりに、相関 が高い別の変数を使う手法を「代理変数」という。
代理変数が有効であるためには、(1) 真の変数と高い相関 を持ち、(2) 目的変数 と独立した影響経路を持たない、という条件が必要。
from scipy import stats
# 代理変数の妥当性確認
r_proxy, p_proxy = stats.pearsonr(df ['B4101'], df ['B4109'])
print(f"気温(代理) vs 降水量: r={r_proxy:.3f}, p={p_proxy:.4f}")
# 気温較差も試す
df ['気温較差'] = df ['B4102'] - df ['B4103']
r_range, p_range = stats.pearsonr(df ['気温較差'], df ['B4109'])
print(f"気温較差(代理) vs 降水量: r={r_range:.3f}, p={p_range:.4f}")
# どちらが better proxy か → 絶対相関係数 で比較
print(f"より良い代理変数: {'気温' if abs(r_proxy) > abs(r_range) else '気温較差'}")
📝 コード
📋 コピー fig1 , ax1 = plt . subplots ( figsize = ( 9 , 6 ))
scatter_colors = [ '#1565C0' ] * len ( df_2022 )
ax1 . scatter ( df_2022 [ 'B4101' ], df_2022 [ 'B4109' ],
color = '#1565C0' , s = 60 , alpha = 0.75 , zorder = 3 , label = '都道府県(2022年)' )
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
💡 Python TIPS x if cond else y は三項演算子 。リスト内包表記と組み合わせると、forとifを1行で書けます。
📝 コード
📋 コピー # 回帰直線(単回帰)
x_cs = df_2022 [ 'B4101' ] . values
y_cs = df_2022 [ 'B4109' ] . values
z_cs = np . polyfit ( x_cs , y_cs , 1 )
xs_cs = np . linspace ( x_cs . min (), x_cs . max (), 200 )
ax1 . plot ( xs_cs , np . poly1d ( z_cs )( xs_cs ), 'r-' , linewidth = 2 , alpha = 0.8 ,
label = f '回帰直線(r= { r_cs : .3f } , p= { p_cs : .3f } )' )
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS df[col](1列)と df[[col1, col2]](複数列)でカッコの数が違います。リストを渡している と覚えるとミスを減らせます。
📝 コード
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60 # 都道府県ラベル(上位・下位5件)
top5_rain = df_2022 . nlargest ( 3 , 'B4109' )
bot5_rain = df_2022 . nsmallest ( 3 , 'B4109' )
for _ , row in pd . concat ([ top5_rain , bot5_rain ]) . iterrows ():
ax1 . annotate (
row [ '都道府県' ],
xy = ( row [ 'B4101' ], row [ 'B4109' ]),
xytext = ( 5 , 5 ), textcoords = 'offset points' ,
fontsize = 8 , color = '#333'
)
ax1 . set_xlabel ( '年平均気温(℃)[B4101]' , fontsize = 12 )
ax1 . set_ylabel ( '年降水量(mm)[B4109]' , fontsize = 12 )
ax1 . set_title ( '年平均気温と年降水量の関係 \n (2022年 47都道府県 SSDSE-B実データ)' ,
fontsize = 13 , fontweight = 'bold' )
ax1 . legend ( fontsize = 10 )
ax1 . grid ( True , alpha = 0.3 )
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
for _, row in df.iterrows() — DataFrameを1行ずつ取り出すループ。1点ずつ描画したいときに使用。
💡 Python TIPS s[:-n]「末尾n文字を除く」/s[n:]「先頭n文字を除く」。スライス [start:stop:step] はリスト・タプル・文字列共通の基本ワザです。
📝 コード
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72 # 相関・回帰情報を枠内に表示
textstr = ( f 'r = { r_cs : .3f } \n '
f 'p = { p_cs : .4f } \n '
f 'N = { len ( df_2022 ) } 都道府県' )
ax1 . text ( 0.03 , 0.97 , textstr , transform = ax1 . transAxes ,
fontsize = 10 , verticalalignment = 'top' ,
bbox = dict ( boxstyle = 'round,pad=0.4' , facecolor = '#E3F2FD' , alpha = 0.8 ))
plt . tight_layout ()
fig1 . savefig ( os . path . join ( FIG_DIR , '2023_H5_4_fig1_scatter2022.png' ), bbox_inches = 'tight' , dpi = 150 )
plt . close ( fig1 )
print ( " \n 図1保存: 2023_H5_4_fig1_scatter2022.png" )
▼ 実行結果
図1保存: 2023_H5_4_fig1_scatter2022.png
💡 解説
このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS np.cumsum(arr) は累積和 、np.linspace(a, b, n) は「aからbを等間隔でn個」。NumPyの定石です。
4.
47都道府県の全国平均 を年ごとに集計 し、
年平均 気温と年降水量の時系列 変化を2軸グラフで可視化する。
📌 この時系列 グラフの読み方
このグラフは 横軸を時間(年度)、縦軸を指標の値として変化を折れ線で描いたグラフ。
読み方 線が右上がりなら増加トレンド、右下がりなら減少トレンド。急な折れ目が変化点(政策導入・コロナなど)を示す可能性がある。
なぜそう解釈できるか 複数の線(都道府県や指標)を重ねると、どの地域・変数が早く動いたか(リード・ラグ 関係)が視覚的にわかる。
全国平均の年別推移
年度 平均 気温(℃)平均 降水量(mm)
2012 15.2 1,736
2015 15.9 1,775
2018 16.0 1,778
2020 16.2 1,852
2022 16.1 1,544
2023 16.8 1,643
時系列 の観察
全国平均 気温は2012年(15.2℃)から2023年(16.8℃)にかけて緩やかな上昇傾向が見られる。
一方、降水量は年による変動が大きく(1,544〜1,852mm)、気温との単純な対応は読み取りにくい。
年変動の大きさが、降水量予測の難しさを示している。
DS LEARNING POINT 2
2軸グラフ(Twin Axes)の作り方と注意点
単位や大きさが異なる2変数を同一グラフに表示するには twinx() を使う。
ただし軸のスケールを恣意的に設定すると印象操作になるため注意が必要。
fig, ax1 = plt.subplots(figsize=(10, 5))
ax2 = ax1.twinx() # y軸を2本にする
# 左軸:気温(赤)
ax1.plot(years, temp, 'o-', color='#C62828', label='年平均 気温(℃)')
ax1.set_ylabel('年平均 気温(℃)', color='#C62828')
ax1.tick_params(axis='y', labelcolor='#C62828')
# 右軸:降水量(青)
ax2.plot(years, rain, 's--', color='#1565C0', label='年降水量(mm)')
ax2.set_ylabel('年降水量(mm)', color='#1565C0')
ax2.tick_params(axis='y', labelcolor='#1565C0')
# 凡例の統合
lines1, labels1 = ax1.get_legend_handles_labels()
lines2, labels2 = ax2.get_legend_handles_labels()
ax1.legend(lines1 + lines2, labels1 + labels2)
📝 コード
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92 fig2 , ax2a = plt . subplots ( figsize = ( 10 , 5 ))
ax2b = ax2a . twinx ()
years_ts = ts_mean [ '年度' ] . values
temp_ts = ts_mean [ '平均気温' ] . values
rain_ts = ts_mean [ '平均降水量' ] . values
line_temp = ax2a . plot ( years_ts , temp_ts , 'o-' , color = '#C62828' , linewidth = 2 ,
markersize = 7 , label = '年平均気温(℃)' , zorder = 3 )
line_rain = ax2b . plot ( years_ts , rain_ts , 's--' , color = '#1565C0' , linewidth = 2 ,
markersize = 7 , label = '年降水量(mm)' , zorder = 3 )
ax2a . set_xlabel ( '年度' , fontsize = 12 )
ax2a . set_ylabel ( '年平均気温(℃)' , fontsize = 12 , color = '#C62828' )
ax2b . set_ylabel ( '年降水量(mm)' , fontsize = 12 , color = '#1565C0' )
ax2a . tick_params ( axis = 'y' , labelcolor = '#C62828' )
ax2b . tick_params ( axis = 'y' , labelcolor = '#1565C0' )
ax2a . set_xticks ( years_ts )
ax2a . set_xticklabels ([ str ( int ( y )) for y in years_ts ], rotation = 45 , ha = 'right' )
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
💡 Python TIPS df[col](1列)と df[[col1, col2]](複数列)でカッコの数が違います。リストを渡している と覚えるとミスを減らせます。
📝 コード
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101 # 凡例を統合
lines = line_temp + line_rain
labels = [ l . get_label () for l in lines ]
ax2a . legend ( lines , labels , loc = 'upper left' , fontsize = 10 )
ax2a . set_title ( '全国平均気温と全国平均年降水量の時系列推移(2012-2023年) \n '
'(47都道府県平均 SSDSE-B実データ)' ,
fontsize = 12 , fontweight = 'bold' )
ax2a . grid ( True , alpha = 0.3 )
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS s[:-n]「末尾n文字を除く」/s[n:]「先頭n文字を除く」。スライス [start:stop:step] はリスト・タプル・文字列共通の基本ワザです。
📝 コード
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112 # ピアソン相関注記
r_ts , p_ts = stats . pearsonr ( temp_ts , rain_ts )
ax2a . text ( 0.97 , 0.05 ,
f '気温×降水量 相関: r= { r_ts : .3f } (p= { p_ts : .3f } )' ,
transform = ax2a . transAxes , fontsize = 9 , ha = 'right' ,
bbox = dict ( boxstyle = 'round,pad=0.3' , facecolor = '#FFF9C4' , alpha = 0.8 ))
plt . tight_layout ()
fig2 . savefig ( os . path . join ( FIG_DIR , '2023_H5_4_fig2_timeseries.png' ), bbox_inches = 'tight' , dpi = 150 )
plt . close ( fig2 )
print ( "図2保存: 2023_H5_4_fig2_timeseries.png" )
▼ 実行結果
図2保存: 2023_H5_4_fig2_timeseries.png
💡 解説
stats.pearsonr(x, y) — Pearson相関係数 r と p値を同時に返します。
💡 Python TIPS np.cumsum(arr) は累積和 、np.linspace(a, b, n) は「aからbを等間隔でn個」。NumPyの定石です。
5.
2012-2023年の全データを年ごとに色分けしてプロットし(パネル 散布図 )、
さらに各年に独立してOLS回帰 を推定して、
β(気温→降水量)の安定性を年ごとに可視化する。
📌 この散布図 の読み方
このグラフは 横軸(x)と縦軸(y)に2変数を取り、各都道府県(または自治体)を点で描いたグラフ。
読み方 点の並びに右上がりの傾向があれば正の相関 、右下がりなら負の相関 。点が直線に近いほど相関 が強い。
なぜそう解釈できるか 回帰直線 (赤線など)の傾きが回帰係数 に対応する。直線から大きく外れた点が外れ値 で、特異な地域を示す。
📌 この回帰係数 プロットの読み方
このグラフは 重回帰分析 の各説明変数 の係数 (影響の強さと向き)をバーや点で表したグラフ。
読み方 右(プラス方向)に伸びるバーは「この変数が増えると目的変数 も増える」正の影響。左(マイナス方向)は逆。
なぜそう解釈できるか エラーバー(誤差棒)が0をまたいでいない変数が統計的に有意(p < 0.05)。バーが長いほど影響が大きい。
年別OLS回帰の主要結果
年度 β(気温) p値 有意 R²
2012 +16.8 0.761 n.s. 0.373
2015 +143.4 0.008 ** 0.229
2016 +118.9 0.002 ** 0.332
2019 +86.9 0.028 * 0.378
2020 +101.1 0.015 * 0.301
2022 −8.7 0.836 n.s. 0.278
2023 −6.9 0.931 n.s. 0.182
モデル:年降水量 ~ 年平均 気温 + 気温較差 のOLS (N=47都道府県/年)。
** p<0.01, * p<0.05, n.s.=非有意。
パネル 回帰 の考察
年によってβ係数 の大きさと符号が大きく変動する(不安定)
2015・2016・2019・2020年は有意な正の効果が得られた
2022・2023年は有意でなく、気温較差が主な説明力を担っている
R² は 0.10〜0.38 と年によって説明力が大きく異なる
この不安定性は、降水量が気温以外の多くの要因(台風、梅雨、エルニーニョ等)
に左右されることを示している。
DS LEARNING POINT 3
年別クロスセクション回帰の実装
同じ回帰モデル を年ごとに繰り返し推定することで、係数 の安定性(頑健性)を確認できる。
係数 が年によって大きく変わる場合は、モデルに欠落変数がある可能性を疑う。
import statsmodels.api as sm
import pandas as pd
panel_results = []
for yr in sorted(df ['年度'].unique()):
sub = df [df ['年度'] == yr][['B4101', '気温較差', 'B4109']].dropna()
if len(sub) < 10:
continue
X = sm.add_constant(sub[['B4101', '気温較差']])
model = sm.OLS (sub['B4109'], X).fit()
panel_results.append({
'年度': int(yr),
'β_気温': model.params['B4101'],
'p_気温': model.pvalues['B4101'],
'R² ': model.rsquared,
})
df_panel = pd.DataFrame (panel_results)
print(df_panel.to_string(index=False))
DS LEARNING POINT 4
時系列回帰と欠落変数バイアス
β係数 が年ごとに不安定な場合、「欠落変数バイアス(OVB)」が疑われる。
海水温の代わりに気温を使った本分析では、海水温が持つ情報の一部が失われているため、
より良い代理変数や追加変数が必要である。
# 欠落変数バイアスの概念的確認
# 真のモデル: y = α + β₁×SST + β₂×Z + ε
# 推定モデル: y = α + β₁×気温 + ε (Z を省略)
# → β̂₁ = β₁ + β₂×(Zと気温の回帰係数 )
# 気温と台風・エルニーニョの相関 が高ければバイアスが大きくなる
# より頑健な分析には:
# 1. 実際の海水温データを使用(気象庁公開データ等)
# 2. 台風上陸数、ENSO指数などを追加説明変数 として投入
# 3. 固定効果 パネル モデルで都道府県の個別効果を制御
📝 コード
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132 import numpy as np
import pandas as pd
import matplotlib
matplotlib . use ( 'Agg' )
import matplotlib.pyplot as plt
import matplotlib.cm as cm
import statsmodels.api as sm
from scipy import stats
import warnings
warnings . filterwarnings ( 'ignore' )
plt . rcParams [ 'font.family' ] = 'Hiragino Sans'
plt . rcParams [ 'axes.unicode_minus' ] = False
plt . rcParams [ 'figure.dpi' ] = 150
import os
FIG_DIR = 'html/figures'
DATA_DIR = 'data/raw'
os . makedirs ( FIG_DIR , exist_ok = True )
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
import pandas as pd など — 必要なライブラリをまとめて呼び出します。as pd は短い別名(alias)。matplotlib.use('Agg') — グラフを画面表示せずファイルに保存するためのおまじない。plt.rcParams['font.family'] — グラフの日本語表示用フォント指定(Macは Hiragino Sans、Windowsなら Yu Gothic 等)。os.makedirs('html/figures', exist_ok=True) — 図の保存先フォルダを作る(既にあってもOK)。
💡 Python TIPS f"...{x}..." はf-string 。文字列の中に {変数} と書くだけで埋め込めて、{x:.2f} のように書式も指定できます。
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151 df_2022 = df_b [ df_b [ '年度' ] == 2022 ][
[ '都道府県' , '地域コード' , 'B4101' , 'B4102' , 'B4103' , '気温較差' , 'B4106' , 'B4109' ]
] . dropna () . reset_index ( drop = True )
print ( f " \n ■ 2022年 断面データ" )
print ( f " 都道府県数: { len ( df_2022 ) } " )
print ( df_2022 [[ '都道府県' , 'B4101' , 'B4109' ]] . describe () . round ( 2 ))
# ピアソン相関
r_cs , p_cs = stats . pearsonr ( df_2022 [ 'B4101' ], df_2022 [ 'B4109' ])
r_range , p_range = stats . pearsonr ( df_2022 [ '気温較差' ], df_2022 [ 'B4109' ])
print ( f " \n 断面相関: 年平均気温 vs 年降水量 r= { r_cs : .4f } , p= { p_cs : .4f } " )
print ( f " 断面相関: 気温較差 vs 年降水量 r= { r_range : .4f } , p= { p_range : .4f } " )
# OLS(断面):降水量 ~ 気温 + 気温較差
X_cs = sm . add_constant ( df_2022 [[ 'B4101' , '気温較差' ]])
model_cs = sm . OLS ( df_2022 [ 'B4109' ], X_cs ) . fit ()
print ( f " \n OLS(断面): R²= { model_cs . rsquared : .4f } , N= { len ( df_2022 ) } " )
print ( model_cs . summary2 ())
▼ 実行結果
■ 2022年 断面データ
都道府県数: 47
B4101 B4109
count 47.00 47.00
mean 16.07 1544.27
std 2.29 551.31
min 10.20 667.50
25% 15.25 1169.00
50% 16.40 1408.00
75% 17.35 1732.00
max 23.70 2996.50
断面相関: 年平均気温 vs 年降水量 r=0.3330, p=0.0222
断面相関: 気温較差 vs 年降水量 r=-0.5264, p=0.0001
OLS(断面): R²=0.2778, N=47
Results: Ordinary least squares
===================================================================
Model: OLS Adj. R-squared: 0.245
Dependent Variable: B4109 AIC: 716.4276
Date: 2026-05-18 11:24 BIC: 721.9781
No. Observations: 47 Log-Likelihood: -355.21
Df Model: 2 F-statistic: 8.463
Df Residuals: 44 Prob (F-statistic): 0.000777
R-squared: 0.278 Scale: 2.2948e+05
--------------------------------------------------------------------
Coef. Std.Err. t P>|t| [0.025 0.975]
--------------------------------------------------------------------
const 5115.9590 1603.9850 3.1895 0.0026 1883.3396 8348.5784
B4101 -8.6590 41.5705 -0.2083 0.8360 -92.4388 75.1208
気温較差 -107.3466 33.6587 -3.1893 0.0026 -175.1812 -39.5120
-------------------------------------------------------------------
Omnibus: 9.782 Durbin-Watson: 1.342
Prob(Omnibus): 0.008 Jarque-Bera (JB): 9.216
Skew: 1.029 Prob(JB): 0.010
Kurtosis: 3.687 Condition No.: 823
===================================================================
Notes:
[1] Standard Errors assume that the covariance matrix of the errors
is correctly specified.
💡 解説
.describe() — 件数・平均・標準偏差・四分位・最大/最小を一括計算。データの素性チェックに必須。stats.pearsonr(x, y) — Pearson相関係数 r と p値を同時に返します。sm.add_constant(X) — 切片項(定数1の列)を先頭に追加。statsmodelsで必須。sm.OLS(y, X).fit() — 最小二乗法でモデルを推定。model.params, model.pvalues, model.conf_int() で結果取得。
💡 Python TIPS Seriesの .map() は「1対1の置き換え 」、.apply() は「関数を当てる 」。辞書なら .map()、ロジックなら .apply()。
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163 df_all = df_b [[ '年度' , '都道府県' , '地域コード' , 'B4101' , 'B4109' , '気温較差' ]] . dropna () . copy ()
df_all = df_all [ df_all [ '年度' ] . between ( 2012 , 2023 )]
print ( " \n ■ パネルデータ(2012-2023年)" )
print ( f " 行数: { len ( df_all ) } " )
# 全国平均(年ごと)
ts_mean = df_all . groupby ( '年度' )[[ 'B4101' , 'B4109' ]] . mean () . reset_index ()
ts_mean . columns = [ '年度' , '平均気温' , '平均降水量' ]
ts_mean = ts_mean . sort_values ( '年度' )
print ( " \n 年別全国平均:" )
print ( ts_mean . to_string ( index = False ))
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
df.groupby('列').apply(関数) — グループごとに関数を適用。時系列や地域別の集計でよく使います。sort_values('列名', ascending=False) — 指定列で並べ替え(降順)。
💡 Python TIPS [式 for x in リスト] はリスト内包表記 。forループでappendする代わりに1行でリストを作れます。
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186 # パネル回帰:各年に OLS → β(気温→降水量) を計算
years_for_reg = sorted ( df_all [ '年度' ] . unique ())
panel_results = []
for yr in years_for_reg :
sub = df_all [ df_all [ '年度' ] == yr ][[ 'B4101' , '気温較差' , 'B4109' ]] . dropna ()
if len ( sub ) < 10 :
continue
X_yr = sm . add_constant ( sub [[ 'B4101' , '気温較差' ]])
m = sm . OLS ( sub [ 'B4109' ], X_yr ) . fit ()
panel_results . append ({
'年度' : int ( yr ),
'β_気温' : m . params [ 'B4101' ],
'se_気温' : m . bse [ 'B4101' ],
'p_気温' : m . pvalues [ 'B4101' ],
'β_較差' : m . params [ '気温較差' ],
'se_較差' : m . bse [ '気温較差' ],
'R²' : m . rsquared ,
'N' : len ( sub ),
})
df_panel = pd . DataFrame ( panel_results )
print ( " \n ■ 年別OLS回帰結果:" )
print ( df_panel [[ '年度' , 'β_気温' , 'se_気温' , 'p_気温' , 'R²' , 'N' ]] . to_string ( index = False ))
▼ 実行結果
■ パネルデータ(2012-2023年)
行数: 564
年別全国平均:
年度 平均気温 平均降水量
2012 15.202128 1736.446809
2013 15.614894 1715.021277
2014 15.310638 1756.255319
2015 15.857447 1775.063830
2016 16.189362 1821.680851
2017 15.400000 1648.053191
2018 16.029787 1777.680851
2019 16.172340 1623.946809
2020 16.197872 1851.957447
2021 16.157447 1892.840426
2022 16.065957 1544.265957
2023 16.802128 1643.489362
■ 年別OLS回帰結果:
年度 β_気温 se_気温 p_気温 R² N
2012 16.834996 55.022458 0.761074 0.372812 47
2013 -24.614124 38.553461 0.526496 0.096502 47
2014 13.473311 54.931592 0.807384 0.260693 47
2015 143.395512 51.280859 0.007636 0.228988 47
2016 118.933637 35.926809 0.001866 0.331611 47
2017 12.703969 36.938442 0.732543 0.103905 47
2018 61.809729 40.415679 0.133336 0.208937 47
2019 86.929570 38.316940 0.028245 0.377542 47
2020 101.062485 40.054103 0.015319 0.301032 47
2021 98.172632 66.837506 0.148994 0.285472 47
2022 -8.659005 41.570475 0.835958 0.277811 47
2023 -6.868213 78.849481 0.930983 0.181871 47
💡 解説
sm.add_constant(X) — 切片項(定数1の列)を先頭に追加。statsmodelsで必須。sm.OLS(y, X).fit() — 最小二乗法でモデルを推定。model.params, model.pvalues, model.conf_int() で結果取得。
💡 Python TIPS r, p = stats.pearsonr(...) — Pythonは複数戻り値を同時に受け取れる (タプルアンパック)。
📝 コード
📋 コピー YEARS_ALL = sorted ( df_all [ '年度' ] . unique ())
N_YEARS = len ( YEARS_ALL )
cmap_year = cm . get_cmap ( 'tab20' , N_YEARS )
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS r, p = stats.pearsonr(...) — Pythonは複数戻り値を同時に受け取れる (タプルアンパック)。
📝 コード
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196 fig3 , ax3 = plt . subplots ( figsize = ( 10 , 7 ))
for i , yr in enumerate ( YEARS_ALL ):
sub = df_all [ df_all [ '年度' ] == yr ][[ 'B4101' , 'B4109' ]] . dropna ()
c = cmap_year ( i )
ax3 . scatter ( sub [ 'B4101' ], sub [ 'B4109' ],
color = c , s = 30 , alpha = 0.65 , zorder = 2 , label = str ( int ( yr )))
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
💡 Python TIPS s[:-n]「末尾n文字を除く」/s[n:]「先頭n文字を除く」。スライス [start:stop:step] はリスト・タプル・文字列共通の基本ワザです。
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226 # 全データの回帰直線
x_all = df_all [ 'B4101' ] . values
y_all = df_all [ 'B4109' ] . values
z_all = np . polyfit ( x_all , y_all , 1 )
xs_all = np . linspace ( x_all . min (), x_all . max (), 200 )
ax3 . plot ( xs_all , np . poly1d ( z_all )( xs_all ),
'k-' , linewidth = 2.5 , alpha = 0.7 , zorder = 4 , label = '全年度回帰直線' )
r_all , p_all = stats . pearsonr ( x_all , y_all )
ax3 . set_xlabel ( '年平均気温(℃)[B4101]' , fontsize = 12 )
ax3 . set_ylabel ( '年降水量(mm)[B4109]' , fontsize = 12 )
ax3 . set_title ( '年平均気温と年降水量(パネル散布図 2012-2023年) \n '
'(色 = 年度、各点 = 都道府県)' ,
fontsize = 12 , fontweight = 'bold' )
ax3 . legend ( loc = 'upper left' , fontsize = 8 , ncol = 3 ,
title = '年度' , title_fontsize = 8 )
ax3 . grid ( True , alpha = 0.3 )
textstr3 = ( f '全データ: r= { r_all : .3f } , p< { max ( p_all , 1e-4 ) : .4f } \n '
f 'N= { len ( df_all ) } (都道府県×年)' )
ax3 . text ( 0.97 , 0.97 , textstr3 , transform = ax3 . transAxes ,
fontsize = 10 , va = 'top' , ha = 'right' ,
bbox = dict ( boxstyle = 'round,pad=0.4' , facecolor = '#E8F5E9' , alpha = 0.85 ))
plt . tight_layout ()
fig3 . savefig ( os . path . join ( FIG_DIR , '2023_H5_4_fig3_panel_scatter.png' ), bbox_inches = 'tight' , dpi = 150 )
plt . close ( fig3 )
print ( "図3保存: 2023_H5_4_fig3_panel_scatter.png" )
▼ 実行結果
図3保存: 2023_H5_4_fig3_panel_scatter.png
💡 解説
stats.pearsonr(x, y) — Pearson相関係数 r と p値を同時に返します。
💡 Python TIPS np.cumsum(arr) は累積和 、np.linspace(a, b, n) は「aからbを等間隔でn個」。NumPyの定石です。
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255 fig4 , axes4 = plt . subplots ( 1 , 2 , figsize = ( 13 , 5 ))
fig4 . suptitle ( '年別OLS回帰:β(年平均気温→年降水量) の変動 \n '
'(各年 47都道府県クロスセクション SSDSE-B実データ)' ,
fontsize = 12 , fontweight = 'bold' )
# (a) β_気温 の時系列(エラーバー付き)
ax4a = axes4 [ 0 ]
yrs_reg = df_panel [ '年度' ] . values
betas = df_panel [ 'β_気温' ] . values
ses = df_panel [ 'se_気温' ] . values
pvals4 = df_panel [ 'p_気温' ] . values
colors4 = [ '#C62828' if p < 0.05 else '#9E9E9E' for p in pvals4 ]
ax4a . bar ( yrs_reg , betas , color = colors4 , alpha = 0.7 , width = 0.6 , zorder = 2 )
ax4a . errorbar ( yrs_reg , betas , yerr = 1.96 * ses ,
fmt = 'none' , color = '#333' , capsize = 4 , linewidth = 1.3 , zorder = 3 )
ax4a . axhline ( 0 , color = 'black' , linewidth = 1.0 , linestyle = '--' , alpha = 0.6 )
ax4a . set_xlabel ( '年度' , fontsize = 11 )
ax4a . set_ylabel ( '回帰係数 β(気温→降水量)' , fontsize = 11 )
ax4a . set_title ( 'β(気温)の年別推定値(±1.96SE) \n 赤=p<0.05 有意' , fontsize = 11 , fontweight = 'bold' )
ax4a . set_xticks ( yrs_reg )
ax4a . set_xticklabels ([ str ( y ) for y in yrs_reg ], rotation = 45 , ha = 'right' )
ax4a . grid ( axis = 'y' , alpha = 0.3 )
from matplotlib.patches import Patch
ax4a . legend ( handles = [
Patch ( color = '#C62828' , alpha = 0.7 , label = 'p<0.05 有意' ),
Patch ( color = '#9E9E9E' , alpha = 0.7 , label = 'n.s.' )
], fontsize = 9 , loc = 'upper right' )
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
import pandas as pd など — 必要なライブラリをまとめて呼び出します。as pd は短い別名(alias)。fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。ax.axhline / ax.axvline — 水平/垂直の点線。平均線や基準線として定番。
💡 Python TIPS np.cumsum(arr) は累積和 、np.linspace(a, b, n) は「aからbを等間隔でn個」。NumPyの定石です。
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268 # (b) R² の時系列
ax4b = axes4 [ 1 ]
r2_vals = df_panel [ 'R²' ] . values
ax4b . plot ( yrs_reg , r2_vals , 'o-' , color = '#1565C0' , linewidth = 2 , markersize = 8 , zorder = 3 )
ax4b . fill_between ( yrs_reg , 0 , r2_vals , color = '#BBDEFB' , alpha = 0.4 )
ax4b . set_xlabel ( '年度' , fontsize = 11 )
ax4b . set_ylabel ( '決定係数 R²' , fontsize = 11 )
ax4b . set_title ( 'モデルの説明力(R²)の年別変動 \n (降水量 ~ 気温 + 気温較差)' ,
fontsize = 11 , fontweight = 'bold' )
ax4b . set_xticks ( yrs_reg )
ax4b . set_xticklabels ([ str ( y ) for y in yrs_reg ], rotation = 45 , ha = 'right' )
ax4b . set_ylim ( 0 , 1 )
ax4b . grid ( axis = 'y' , alpha = 0.3 )
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
ax.fill_between(...) — 2つの曲線で囲まれた領域を塗りつぶし。Lorenz曲線の格差面積などを可視化。
💡 Python TIPS f-stringの書式 {値:.2f}(小数2桁)、{値:,}(3桁区切り)、{値:>10}(右寄せ10桁)など、覚えると出力が一気に整います。
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278 # R² の平均値を注記
mean_r2 = r2_vals . mean ()
ax4b . axhline ( mean_r2 , color = '#C62828' , linestyle = '--' , linewidth = 1.5 , alpha = 0.7 ,
label = f '平均 R²= { mean_r2 : .3f } ' )
ax4b . legend ( fontsize = 10 )
plt . tight_layout ()
fig4 . savefig ( os . path . join ( FIG_DIR , '2023_H5_4_fig4_beta_ts.png' ), bbox_inches = 'tight' , dpi = 150 )
plt . close ( fig4 )
print ( "図4保存: 2023_H5_4_fig4_beta_ts.png" )
▼ 実行結果
図4保存: 2023_H5_4_fig4_beta_ts.png
💡 解説
ax.axhline / ax.axvline — 水平/垂直の点線。平均線や基準線として定番。
💡 Python TIPS plt.subplots(figsize=(W, H)) で図サイズ指定、fig.savefig(..., bbox_inches='tight') で余白を自動で詰めて保存。
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290 print ( " \n " + "=" * 60 )
print ( "全図の生成完了(4枚)" )
print ( " fig1: 2023_H5_4_fig1_scatter2022.png — 断面散布図(2022年)" )
print ( " fig2: 2023_H5_4_fig2_timeseries.png — 時系列 2軸グラフ" )
print ( " fig3: 2023_H5_4_fig3_panel_scatter.png — パネル散布図(複数年)" )
print ( " fig4: 2023_H5_4_fig4_beta_ts.png — 回帰係数の時系列" )
print ( "=" * 60 )
print ( " \n 【代理変数について】" )
print ( " 本コードでは「海水温」の代わりに「年平均気温(B4101)」を使用。" )
print ( " 海水温と大気気温は密接に連動するため、代理変数として有効と考えられる。" )
print ( " 海水温の実データ(例:気象庁 日本近海の海面水温データ)を" )
print ( " 入手できれば、B4101 と置き換えることでより直接的な分析が可能。" )
▼ 実行結果
============================================================
全図の生成完了(4枚)
fig1: 2023_H5_4_fig1_scatter2022.png — 断面散布図(2022年)
fig2: 2023_H5_4_fig2_timeseries.png — 時系列 2軸グラフ
fig3: 2023_H5_4_fig3_panel_scatter.png — パネル散布図(複数年)
fig4: 2023_H5_4_fig4_beta_ts.png — 回帰係数の時系列
============================================================
【代理変数について】
本コードでは「海水温」の代わりに「年平均気温(B4101)」を使用。
海水温と大気気温は密接に連動するため、代理変数として有効と考えられる。
海水温の実データ(例:気象庁 日本近海の海面水温データ)を
入手できれば、B4101 と置き換えることでより直接的な分析が可能。
💡 解説
このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS f-stringの書式 {値:.2f}(小数2桁)、{値:,}(3桁区切り)、{値:>10}(右寄せ10桁)など、覚えると出力が一気に整います。
⚠️ よくある誤解と注意点
統計分析の解釈で初心者がやりがちな勘違い をまとめます。特に「相関 と因果 の混同」「p値 の過信」は研究現場でもよく起きる落とし穴です。本文を読む前にも、読んだ後にも、目を通してみてください。
❌ 「相関がある=因果関係がある」ではない
疑似相関 (spurious correlation ) とは、見かけ上は関係があるように見えるが、実際は無関係、または第三の変数(交絡変数 )が両方に影響しているだけの現象です。古典例: アイスクリームの売上 と 水難事故件数 は強く相関 するが、片方が他方を引き起こしているわけではない。両者とも「夏の暑さ」という第三の変数 に引きずられているだけ。論文を読むときの心構え: 「○○と△△に強い相関 が見られた」だけで終わっている主張は、本当に因果関係 があるのか、それとも第三の変数(人口・所得・地理など)が共通要因として効いているだけではないかを必ず疑ってください。
❌ 「p値が小さい=重要な発見」ではない
p値 が小さい(例えば p < 0.001)ことは「統計的に偶然とは考えにくい 」という意味であって、「実用的に大きな効果がある 」という意味ではありません。例: 巨大なサンプルサイズ (n=100,000)では、相関係数 r=0.02 でも p < 0.001 になります。しかし r=0.02 は実用上ほぼ無視できる関係です。正しい読み方: p値 と効果量 (係数 の大きさ、相関係数 の値)の両方 をセットで判断してください。p値 だけで「重要な発見」と結論づけるのは誤りです。
❌ 「回帰係数が大きい=重要な変数」ではない
回帰係数 の絶対値は、説明変数 の単位 に強く依存します。「年収(万円)」と「失業率(%)」の係数 を直接比較しても意味がありません。正しい比較方法: (1) 標準化係数 (各変数を平均 0・分散 1に変換した上での係数 )を使う、(2) 限界効果 (変数を1標準偏差 動かしたときのyの変化)で比較する。 また、係数 の大きさが「因果関係 の強さ 」を意味するわけでもありません。あくまで「相関 的な関連の強さ」です。
❌ 「外れ値を除外すれば正しい結果」ではない
外れ値 (極端な値)を「目障りだから」「結果が綺麗にならないから」という理由で除外するのは分析の改ざん に近い行為です。外れ値 が示すもの: 本当に重要な情報(東京の超高密度、北海道の超低密度など)であることが多い。外れ値 を取り除くと「日本全体の傾向」を見誤る原因になります。正しい対処: (1) 外れ値 の出現要因を調査する(なぜ東京だけ突出するのか)、(2) ノンパラ メトリック手法(Spearman相関 ・Kruskal-Wallis )を使う、(3) 外れ値 を含む結果と除外した結果の両方を提示し、解釈を読者に委ねる。
❌ 「サンプルサイズが大きい=信頼できる」ではない
サンプルサイズ (n)が大きいと統計的検定の検出力 は上がりますが、それは「偶然による誤差 を減らす効果」にすぎません。nが大きくても解消されない問題: ・選択バイアス (標本 が偏っている) ・測定誤差 (変数の定義が曖昧) ・欠損値 のパターン(欠損 がランダムでない) ・交絡変数 の見落とし例: 1万人にWeb調査して「ネット利用と幸福度は強く相関 」と言っても、そもそも回答者がネットユーザー寄りに偏っているため、母集団 全体の結論にはなりません。
❌ 「複雑なモデル=より良い分析」ではない
ランダムフォレスト ・ニューラルネット ・複雑な階層モデルなど、高度な手法を使えば「良い分析」と感じがちですが、必ずしもそうではありません。過学習 (overfitting)の罠: モデルが複雑すぎると、訓練データ の偶然のパターン まで学習してしまい、新しいデータでは予測精度 が落ちます。シンプルさの価値: 重回帰分析 や相関 分析は「結果が解釈しやすい」「再現性が高い」という大きな利点があります。複雑な手法はシンプルな手法で答えが出ない時の最後の手段 です。
❌ 「多重共線性は気にしなくていい」ではない
多重共線性 とは、説明変数 同士の相関 が極めて強い状態のこと。これを放置すると、回帰係数 の符号や大きさが入れ替わる 異常事態が起こります。典型例: 「総人口」と「労働力人口」を同時に投入すると、両者の相関 が r=0.99 になり、係数 推定が極端に不安定になります。「総人口は正だが、労働力人口は負」のような解釈不能な結果 になりがちです。診断と対処: ・VIF(分散拡大係数) を計算し、VIF > 10 の変数を確認 ・相関 行列 で |r| > 0.8 のペアをチェック ・対処法:一方を除外、合成変数(PCA )に変換、Ridge回帰 で安定化
❌ 「R²が高い=良いモデル」ではない
決定係数 R² はモデルの「当てはまりの良さ」を示しますが、R² が高くてもモデルが正しいとは限りません 。R² が高くなる罠: ・説明変数 を増やせば R² は自動的に上がる (無関係な変数を追加してもR² は下がらない) ・時系列 データでは、共通のトレンド(時間とともに増加)があるだけで R² が 0.9 を超える ・サンプルサイズ が小さいとR² が過大評価される代替指標: 調整済み R² (変数の数でペナルティ) 、AIC ・BIC (モデル選択 基準)を併用してください。予測力の真の評価には交差検証 (cross-validation) でテストデータ の R² を見ること。
❌ 「ステップワイズで選んだ変数は重要」ではない
ステップワイズ法 (バックワード・フォワード選択)は便利ですが、p値 ベースの変数選択は再現性に問題がある と批判されています。問題点: ・同じデータでも実行順序によって最終モデルが変わる ・p値 を繰り返し見ることで「偶然に有意な変数」を拾ってしまう(p-hacking ) ・係数 の標準誤差 が過小評価され、信頼区間 が嘘っぽくなるより良い方法: ・事前に変数を理論で絞る (先行研究から候補を選ぶ) ・LASSO回帰 (自動かつ統計的に正当化された変数選択)を使う ・交差検証 で AIC /BIC 最小モデルを選ぶ
❌ 「線形回帰なら線形関係を前提にすべき」
重回帰分析 は線形関係 を前提とします。実際の関係が非線形なのに線形モデルで分析すると、本当の関係を見逃します 。非線形の例: ・U字型関係: 失業率と物価上昇率(フィリップス曲線) ・逓減効果: 所得と幸福度(年収 800万円までは強い正の効果、それ以上は飽和) ・閾値効果: 高齢化率 と医療費(ある水準を超えると急激に上がる)診断と対処: ・残差 プロット で残差 が0周辺に均等に分布しているか確認 ・変数の対数変換 ・二乗項追加 で非線形性を取り込む ・どうしても線形では捉えられないなら、機械学習 (RF ・GBM)を併用する
❌ 「データに当てはまった=予測に使える」ではない
「過去のデータでフィットしたから将来も予測できる」と思うのは危険です。過学習 (overfitting)の例: 47都道府県のデータに10個の説明変数 を投入すれば、ほぼ完璧にフィットします(自由度 がほぼゼロ)。でもそのモデルを新しい年度 に適用すると、予測精度 はほぼランダム並みに落ちることがあります。正しい予測力の評価: ・データを訓練用 70% とテスト用 30% に分割し、テスト用での予測精度 を見る ・k分割交差検証 (k-fold CV )で予測の安定性を確認 ・「説明変数 の数 ≪ サンプルサイズ 」のバランスを意識(目安:n > 10 × 変数数)
🎯 自分でやってみよう(5つのチャレンジ)
学んだだけでは身につきません。実際に手を動かす のが最強の学習方法です。本論文のスクリプトをベースに、以下のチャレンジに挑戦してみてください。難易度別に5つ用意しました。
★☆☆☆☆ 入門
CH1. 同じデータで分析を再現する
まずは付属の Python スクリプトをそのまま実行し、論文と同じ図を再現してみてください。
ポイント: 各図がどのコード行から生成されているか辿る。エラーが出たら原因を考える。
★★☆☆☆ 初級
CH2. 説明変数 を1つ追加・除外して結果を比較
本論文の分析モデルから説明変数 を1つ抜いて再実行、あるいは1つ追加して再実行してください。
ポイント: 係数 ・p値 ・R² がどう変わったか観察する。多重共線性 が原因で結果が変わる例を見つけられたら理想的。
★★★☆☆ 中級
CH3. 別の年度・別の都道府県で同じ分析を試す
SSDSE の別の年度(例:2015年度・2020年度)または特定都道府県のみのデータで同じ分析を実行してください。
ポイント: 時代や地域によって結論が変わるか? 変わるならその理由を考察する。
★★★★☆ 上級
CH4. 別の手法を組み合わせる
本論文の手法 + 1つの追加手法(例:重回帰 + LASSO 、相関 分析 + 主成分分析 )で結果を比較してください。
ポイント: 手法の違いで結論が変わるか? どちらが妥当かを「なぜ」とともに説明できるように。
★★★★★ 発展
CH5. オリジナルの問いを立てて分析する
本論文の手法を借りて、あなた自身の問い を立てて分析してください。
例:「カフェの数と幸福度に関連はあるか」「教育費の高い県は出生率も高いか」など。
ポイント: 問い・データ・手法・結論を1ページのレポートにまとめる。これがデータサイエンス の「実践」。
💡 ヒント: 詰まったら本サイトの他の論文(同じ手法を使っている)のスクリプト をコピーして組み合わせるのが効率的です。手法ガイド・用語集も参考に。
🤔 よくある質問(読者からの想定Q&A)
この論文を読んで初心者が抱きやすい疑問に、教育的観点から答えます。
Q1. この分析、自分でもできますか?
はい、できます。SSDSE データは無料で公開されており、Python の pandas , scikit-learn , statsmodels を使えば全く同じ手順で再現可能です。本ページ下部のスクリプトを実行するだけで結果が得られます。
Q2. 使われている手法は他の分野にも応用できますか?
十分応用可能です。本論文の[手法]は、医療・教育・経済・環境など他のドメインでも標準的に使われる手法です。データの中身(変数)を入れ替えるだけで、別の問いにも適用できます。
Q3. 結論は本当に「因果関係」を示していますか?
本論文は「観察データ」を使った分析であり、厳密な意味での「因果関係 」を完全に証明したわけではありません。あくまで「強い関連が見られた」という事実を提示しているにとどまります。真の因果 を示すには、無作為化比較試験(RCT)か、自然実験 を活用したIV ・DiD 等の手法が必要です。
Q4. データの最新版を使うとどうなりますか?
SSDSE は毎年更新されているため、最新版を使えば近年のトレンド(特にコロナ禍以降の変化)も含めて分析できます。ただし、結論が変わる可能性もあります。それ自体が新しい発見につながります。
Q5. もっと深く学ぶには何を読めばいいですか?
「計量経済学」「データサイエンス 入門」「統計的因果 推論」などのテキストが入門に向いています。Python の場合は『Python ではじめる機械学習 』(オライリー)、R の場合は『R で学ぶ統計学』が定番です。本サイトの他の論文も読み比べてみてください。