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2023年 統計データ分析コンペティション | 審査員奨励賞 [高校生の部]

都道府県ごとの学力の差

⏱️ 推定読了時間: 約32分
高校生の部 審査員奨励賞 2023年度
📝 3行で分かる要約

目次

  1. 研究概要と背景
  2. データ:SSDSE-B 47都道府県(2022年度)
  3. 都道府県別 大学進学率の分布
  4. 相関分析:学力格差の要因探索
  5. ステップワイズ変数選択(バックワードAIC)
  6. 教育費割合と大学進学率の関係
  7. まとめ
  8. 📥 データの準備
  9. 💼 実社会での応用
  10. ⚠️ よくある誤解
  11. 📖 用語集
  12. 📐 手法ガイド
  13. 🚀 発展の可能性
  14. 🎯 自分でやってみよう
  15. 🤔 Q&A

🎯 この記事を読むと何ができるようになるか

📥 データの準備(再現コードを動かす前に)

このページの分析を自分で再現するには、以下の手順でデータを準備してください。コードの編集は不要です。

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データをダウンロードする 統計センターの SSDSE 配布ページから、以下のファイルをダウンロードします。
SSDSE-B-2026.csv ← SSDSE-B(都道府県データ)📥 直接DL
⬇ SSDSEダウンロードページを開く
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ファイルを所定のフォルダに配置する ダウンロードしたCSVを、プロジェクトの data/raw/ フォルダに入れます。
2026 統計・データ解析コンペ/ ├── code/ │ └── 2023_H5_2_shorei.py ← 実行するスクリプト └── data/ └── raw/ SSDSE-B-2026.csv ← ここに置く
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スクリプトをそのまま実行する ターミナルでプロジェクトルートに移動し、以下を実行します。
python3 code/2023_H5_2_shorei.py
図は html/figures/ に自動保存されます。
研究概要と背景

日本では都道府県間に大きな学力格差が存在することが知られている。本研究は「高校卒業後大学進学率」を学力の代理指標とし、SSDSE-B(都道府県データ)を用いて経済・教育・人口的要因との関係を統計的に検証した。

まず「都道府県ごとの学力の差」を統計的にとらえることが有効だと考えられる。 その理由は感覚や経験則だけでは、複雑な社会要因の中で「何が本当に効いているか」を見極めにくいからである。 本研究では公開データと統計手法を組み合わせ、この問いに定量的な答えを出すことを目指す。

研究の問い 都道府県間の大学進学率の差は、何によって説明されるか。教育費・経済力・教員配置・人口構成・地理的要因のどれが最も影響するか?
分析の流れ
SSDSE-B
47都道府県
2022年度
相関分析
(候補変数)
バックワード
AIC選択
標準化係数
で効果比較

SSDSE-B 相関分析 バックワードAIC選択 標準化係数

データ:SSDSE-B 47都道府県(2022年度)

目的変数:大学進学率

高校卒業者のうち大学・短大等へ進学した者の割合を「学力」の代理指標として用いる。

大学進学率(%) = E4602(高校卒業後進学者数)÷ E4601(高校卒業者数)× 100

説明変数候補

変数名SSDSE-Bコード定義・想定効果
教育費割合L322108 / L3221 × 100家計の消費支出に占める教育費の割合(正)
消費支出L3221所得水準の代理指標(正)
小学教員/児童比E2401 / E2501教員あたり児童数が少ないほど手厚い指導(正)
中学教員/生徒比E3401 / E3501同上(中学)(正)
住宅地価格C5401地域の富裕度の指標(正)
高齢化率A1303 / A1101 × 100高齢化が進む地域は教育投資が少ない(負)
宿泊者per capitaG7101 / A1101都市・観光地の代理(?)
平均気温B4101地理的・地域的差異(?)

データ出典:SSDSE(社会・人口統計体系)B版 2026年版 — 統計センター

やってみよう実データ読み込み(SSDSE-B-2026: 都道府県データ)
📝 コード
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df_raw = pd.read_csv(
    os.path.join(DATA_DIR, 'SSDSE-B-2026.csv'),
    encoding='cp932', header=None
)

# 行0がコード行・行1がラベル行・行2以降がデータ
df_raw.columns = df_raw.iloc[0]
df_all = df_raw.iloc[2:].copy().reset_index(drop=True)
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • pd.read_csv(...) でCSVを読み込みます。encoding='cp932' は日本語Windows由来の文字コード、header=1 は「2行目を列名として使う」。
💡 Python TIPS df['A'] / df['B'] — pandasの列同士の四則演算は要素ごと(element-wise)。forループ不要なのが強み。
やってみよう実データ読み込み(SSDSE-B-2026: 都道府県データ) — 都道府県コード(R\d{5}形式)に絞る
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# 都道府県コード(R\d{5}形式)に絞る
mask_pref = df_all['Code'].str.match(r'^R\d{5}$', na=False)
df_pref = df_all[mask_pref].copy()

# 2022年度のみ抽出
df_pref['年度_str'] = df_pref['SSDSE-B-2026'].astype(str).str.strip()
df = df_pref[df_pref['年度_str'] == '2022'].copy().reset_index(drop=True)

print("=" * 60)
print(f"■ 対象都道府県数: N={len(df)}(2022年度)")
print("=" * 60)
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • df['地域コード'].str.match(r'^R\d{5}', ...) — 正規表現で「R+数字5桁」の行(47都道府県)だけTrueにし、真偽値で行をフィルタ。
💡 Python TIPS Seriesの .map() は「1対1の置き換え」、.apply() は「関数を当てる」。辞書なら .map()、ロジックなら .apply()
やってみよう実データ読み込み(SSDSE-B-2026: 都道府県データ) — ── 必要列を数値変換 ─────────────────────────────────────────────
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# ── 必要列を数値変換 ─────────────────────────────────────────────
NUM_COLS = [
    'E4602', 'E4601',            # 大学進学者数・高校卒業者数
    'L322108', 'L3221',          # 教育費・消費支出
    'E2401', 'E2501',            # 小学教員数・児童数
    'E3401', 'E3501',            # 中学教員数・生徒数
    'C5401',                     # 住宅地標準価格
    'A1303', 'A1101',            # 65歳以上人口・総人口
    'G7101',                     # 延べ宿泊者数
    'B4101',                     # 年平均気温
]
for c in NUM_COLS:
    df[c] = pd.to_numeric(df[c], errors='coerce')
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS [式 for x in リスト]リスト内包表記。forループでappendする代わりに1行でリストを作れます。
やってみよう実データ読み込み(SSDSE-B-2026: 都道府県データ) — ── 目的変数 ─────────────────────────────────────────────────────
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# ── 目的変数 ─────────────────────────────────────────────────────
df['大学進学率'] = df['E4602'] / df['E4601'] * 100

# ── 説明変数 ─────────────────────────────────────────────────────
df['教育費割合']     = df['L322108'] / df['L3221'] * 100
df['消費支出']       = df['L3221']
df['小学教員児童比'] = df['E2401'] / df['E2501']
df['中学教員生徒比'] = df['E3401'] / df['E3501']
df['住宅地価格']     = df['C5401']
df['高齢化率']       = df['A1303'] / df['A1101'] * 100
df['宿泊者per capita'] = df['G7101'] / df['A1101']
df['年平均気温']     = df['B4101']

VAR_NAMES = [
    '教育費割合', '消費支出', '小学教員児童比', '中学教員生徒比',
    '住宅地価格', '高齢化率', '宿泊者per capita', '年平均気温'
]
VAR_LABELS = {
    '教育費割合':     '教育費割合(%)',
    '消費支出':       '消費支出(円/月)',
    '小学教員児童比': '小学教員/児童比',
    '中学教員生徒比': '中学教員/生徒比',
    '住宅地価格':     '住宅地価格(千円/m²)',
    '高齢化率':       '高齢化率(%)',
    '宿泊者per capita': '宿泊者per capita',
    '年平均気温':     '年平均気温(℃)',
}
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS r, p = stats.pearsonr(...) — Pythonは複数戻り値を同時に受け取れる(タプルアンパック)。
やってみよう実データ読み込み(SSDSE-B-2026: 都道府県データ) — 都道府県名
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# 都道府県名
pref_names = df['Prefecture'].values

# 有効データ確認
y = df['大学進学率'].values
X_df = df[VAR_NAMES].copy()

valid_mask = (
    np.isfinite(y) &
    X_df.apply(lambda col: np.isfinite(col)).all(axis=1).values
)
df_valid = df[valid_mask].reset_index(drop=True)
y = df_valid['大学進学率'].values
X_df = df_valid[VAR_NAMES].copy()
pref_names = df_valid['Prefecture'].values

N = len(y)
print(f"有効都道府県数(欠損除外後): N={N}")

print()
print(df_valid[['Prefecture', '大学進学率'] + VAR_NAMES].describe().round(3).to_string())
▼ 実行結果
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■ 対象都道府県数: N=47(2022年度)
============================================================
有効都道府県数(欠損除外後): N=47

0       大学進学率   教育費割合        消費支出  小学教員児童比  中学教員生徒比       住宅地価格    高齢化率  宿泊者per capita   年平均気温
count  47.000  47.000      47.000   47.000   47.000      47.000  47.000         47.000  47.000
mean   56.623   3.631  289630.362    0.075    0.084   53372.340  31.350          3.265  16.066
std     7.006   1.284   19186.908    0.009    0.011   61991.622   3.269          1.553   2.289
min    46.199   1.955  245054.000    0.058    0.064   13200.000  22.810          0.563  10.200
25%    50.761   2.829  276834.500    0.071    0.078   25300.000  29.847          2.395  15.250
50%    56.768   3.439  287781.000    0.073    0.083   30800.000  31.421          2.951  16.400
75%    61.330   3.973  302255.000    0.080    0.091   55500.000  33.720          3.632  17.350
max    72.986   8.608  324793.000    0.094    0.119  389100.000  38.602          9.930  23.700
💡 解説
  • .describe() — 件数・平均・標準偏差・四分位・最大/最小を一括計算。データの素性チェックに必須。
  • .apply(lambda x: ...) — その場限りの無名関数を適用。短いロジックなら def せずに書けます。
💡 Python TIPS x if cond else y三項演算子。リスト内包表記と組み合わせると、forとifを1行で書けます。
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都道府県別 大学進学率の分布

2022年度の47都道府県の大学進学率を降順に並べた横棒グラフ。上位10都道府県を赤で強調し、全国平均を点線で示す。

都道府県別大学進学率横棒グラフ
図1:47都道府県の大学進学率(2022年度)。赤:上位10都道府県。橙点線:全国平均
格差の規模 最高(京都府 約73%)と最低(鹿児島・沖縄等 約46%)の差は約27ポイント。上位は大都市圏(東京・京都・大阪・神奈川・兵庫)が占め、下位は地方圏が多い。この格差の要因を次節以降で統計的に検証する。

DS LEARNING POINT 1

代理指標(Proxy Variable)の使い方

「学力」を直接測定する都道府県全体の共通指標は公開されていない。そこで「大学進学率」を学力の代理指標として用いる。代理指標はターゲット概念と正の相関を持つが、完全一致ではないため限界(バイアス)を意識することが重要。

# 大学進学率の計算 df['大学進学率'] = df['E4602'] / df['E4601'] * 100 # 代理指標の妥当性確認(記述統計) print(df['大学進学率'].describe()) # mean≈56.6%, std≈7.0%, range≈[46.2%, 73.0%] # 上位・下位を確認 print(df[['Prefecture','大学進学率']].sort_values( '大学進学率', ascending=False ).head(10))
やってみよう■ 図の生成(4枚)
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fig1, ax1 = plt.subplots(figsize=(10, 12))

sort_idx = np.argsort(y)
y_sorted = y[sort_idx]
names_sorted = pref_names[sort_idx]

top10_threshold = np.sort(y)[-10]
colors_bar = ['#C62828' if v >= top10_threshold else '#1565C0' for v in y_sorted]
alphas_bar = [0.95 if v >= top10_threshold else 0.65 for v in y_sorted]

bars = ax1.barh(
    np.arange(N), y_sorted,
    color=colors_bar,
    alpha=0.75,
    edgecolor='white',
    height=0.7
)
for bar, alpha in zip(bars, alphas_bar):
    bar.set_alpha(alpha)

ax1.set_yticks(np.arange(N))
ax1.set_yticklabels(names_sorted, fontsize=9)
ax1.set_xlabel('大学進学率(%)', fontsize=12)
ax1.set_title('都道府県別 大学進学率(2022年度)\n(赤:上位10都道府県)',
              fontsize=13, fontweight='bold', pad=12)
ax1.axvline(y.mean(), color='#FF8F00', linestyle='--', linewidth=1.5,
            label=f'全国平均 {y.mean():.1f}%')
ax1.grid(axis='x', alpha=0.3)
ax1.legend(fontsize=10)

for i, (v, name) in enumerate(zip(y_sorted, names_sorted)):
    ax1.text(v + 0.3, i, f'{v:.1f}%', va='center', fontsize=7.5,
             color='#C62828' if v >= top10_threshold else '#555')

plt.tight_layout()
fig1.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2023_H5_2_fig1_bar.png'), bbox_inches='tight', dpi=150)
plt.close(fig1)
print("\n図1保存: 2023_H5_2_fig1_bar.png")
▼ 実行結果
図1保存: 2023_H5_2_fig1_bar.png
💡 解説
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
  • ax.axhline / ax.axvline — 水平/垂直の点線。平均線や基準線として定番。
💡 Python TIPS r, p = stats.pearsonr(...) — Pythonは複数戻り値を同時に受け取れる(タプルアンパック)。
4. 相関分析
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相関分析:学力格差の要因探索

8つの説明変数候補と大学進学率のピアソン相関係数を算出し、無相関検定(帰無仮説相関係数 = 0)を実施した。

相関係数棒グラフ
図2:各説明変数と大学進学率の相関係数(赤:p<0.05で有意)。
📌 この回帰係数プロットの読み方
このグラフは
重回帰分析の各説明変数係数(影響の強さと向き)をバーや点で表したグラフ。
読み方
右(プラス方向)に伸びるバーは「この変数が増えると目的変数も増える」正の影響。左(マイナス方向)は逆。
なぜそう解釈できるか
エラーバー(誤差棒)が0をまたいでいない変数が統計的に有意(p < 0.05)。バーが長いほど影響が大きい。
変数相関係数 rp値有意水準方向
住宅地価格0.672<0.001***
中学教員/生徒比−0.592<0.001***
高齢化率−0.588<0.001***
小学教員/児童比−0.524<0.001***
教育費割合0.4640.001**
消費支出0.4460.002**
宿泊者per capita−0.1430.337n.s.
平均気温0.1060.478n.s.
相関分析の結果 住宅地価格(r=0.672)・中学教員/生徒比(r=−0.592)・高齢化率(r=−0.588)が特に強い相関を示す。「教員/生徒比が高い(=クラスが大きい)ほど進学率が低い」という逆説的な結果は、地域の人口構造と経済力の複合的な交絡を示唆している。

DS LEARNING POINT 2

相関と因果の違い・交絡変数

「教員/生徒比が高いと進学率が低い」は一見「クラスが大きいと成績が悪い」に見えるが、実際には第三の変数(過疎・高齢化・経済力)が両者に影響している交絡(confounding)の可能性がある。回帰分析で複数変数を同時に制御することでより正確な推定が可能となる。

from scipy import stats # 無相関検定 r, p = stats.pearsonr(X['中学教員生徒比'], y) print(f"r={r:.4f}, p={p:.4f}") # r=-0.5919, p=0.0000 → 強い負相関 # ただし、交絡変数高齢化率・住宅地価格)が # 両変数に影響している可能性に注意! # → 重回帰で制御することが重要
やってみよう図図2: 相関係数棒グラフ(全説明変数 vs 大学進学率)
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fig2, ax2 = plt.subplots(figsize=(9, 5))

corr_list = [corr_vals[n] for n in VAR_NAMES]
pval_list = [pval_vals[n] for n in VAR_NAMES]
colors2 = ['#C62828' if p < 0.05 else '#9E9E9E' for p in pval_list]
y_pos2 = np.arange(len(VAR_NAMES))

ax2.barh(y_pos2, corr_list, color=colors2, alpha=0.75, edgecolor='white', height=0.6)
ax2.axvline(0, color='gray', linestyle='--', linewidth=1.0)
ax2.set_yticks(y_pos2)
ax2.set_yticklabels(VAR_NAMES, fontsize=10)
ax2.set_xlabel('ピアソン相関係数', fontsize=11)
ax2.set_title('各説明変数と大学進学率の相関係数\n(無相関検定: 赤=p<0.05)',
              fontsize=12, fontweight='bold')
ax2.invert_yaxis()
ax2.grid(axis='x', alpha=0.3)

from matplotlib.patches import Patch
ax2.legend(
    handles=[
        Patch(color='#C62828', alpha=0.75, label='有意(p<0.05)'),
        Patch(color='#9E9E9E', alpha=0.75, label='非有意'),
    ],
    fontsize=9
)

for i, (r, p) in enumerate(zip(corr_list, pval_list)):
    sig = '***' if p < 0.001 else '**' if p < 0.01 else '*' if p < 0.05 else ''
    offset = 0.01 if r >= 0 else -0.01
    ha = 'left' if r >= 0 else 'right'
    ax2.text(r + offset, i, f' {r:.3f}{sig}', va='center', ha=ha, fontsize=8.5)

plt.tight_layout()
fig2.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2023_H5_2_fig2_corr.png'), bbox_inches='tight', dpi=150)
plt.close(fig2)
print("図2保存: 2023_H5_2_fig2_corr.png")
▼ 実行結果
図2保存: 2023_H5_2_fig2_corr.png
💡 解説
  • import pandas as pd など — 必要なライブラリをまとめて呼び出します。as pd は短い別名(alias)。
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
  • ax.axhline / ax.axvline — 水平/垂直の点線。平均線や基準線として定番。
💡 Python TIPS x if cond else y三項演算子。リスト内包表記と組み合わせると、forとifを1行で書けます。
5. ステップワイズ
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ステップワイズ変数選択(バックワードAIC

8変数全投入モデルを出発点とし、変数を1つ除外したときにAICが最も改善する変数を繰り返し除外する。AICが改善しなくなった時点で選択を終了する。

AIC = 2k − 2 ln(L)

バックワード:全変数投入 → argmin_{c} AIC(除外c) の変数を除外 → AICが改善する間繰り返す
変数選択の経緯
  • Step1: 教育費割合 を除外(AIC: 293.8 → 291.8)
  • Step2: 年平均気温 を除外(AIC: 291.8 → 290.0)
  • Step3: 高齢化率 を除外(AIC: 290.0 → 288.6)
  • Step4: 宿泊者per capita を除外(AIC: 288.6 → 287.1)
  • Step5: 消費支出 を除外(AIC: 287.1 → 286.4)
  • 最終モデル:小学教員/児童比・中学教員/生徒比・住宅地価格
標準化係数棒グラフ
図3:バックワードAIC選択後の最終OLSモデルの標準化係数β(±1.96SE)。=0.545, N=47都道府県。
📌 この回帰係数プロットの読み方
このグラフは
重回帰分析の各説明変数係数(影響の強さと向き)をバーや点で表したグラフ。
読み方
右(プラス方向)に伸びるバーは「この変数が増えると目的変数も増える」正の影響。左(マイナス方向)は逆。
なぜそう解釈できるか
エラーバー(誤差棒)が0をまたいでいない変数が統計的に有意(p < 0.05)。バーが長いほど影響が大きい。
変数標準化係数 β標準化係数p値有意水準
住宅地価格(千円/m²)+0.563+0.0001<0.001***
中学教員/生徒比−0.711−4340.011*
小学教員/児童比+0.475+3710.097

= 0.545, Adj. = 0.513, AIC = 286.4, N = 47都道府県

結果の解釈
  • 住宅地価格(β=+0.563):地域の経済的豊かさが大学進学率と最も強く関連。富裕な地域では教育環境・意欲・投資が高い。
  • 中学教員/生徒比(β=−0.711):教員1人あたりの生徒数が多い(大規模クラス)地域ほど進学率が低い傾向。地域格差と教育資源配分の問題。
  • 小学教員/児童比(β=+0.475, p=0.097):AIC選択後も残存したが有意水準5%をわずかに超える。小学校段階の教育配置の重要性を示唆。

DS LEARNING POINT 3

バックワードAIC変数選択の実装

AIC基準のバックワード選択は、p値基準と異なりモデル全体のバランス(適合度とパラメータ数のトレードオフ)を評価する。少数変数で良く当てはまるモデルを選ぶ。

import statsmodels.api as sm def backward_aic(X_df, y): cols = list(X_df.columns) while len(cols) > 1: full_aic = sm.OLS(y, sm.add_constant(X_df[cols])).fit().aic aic_drop = {} for c in cols: sub = [x for x in cols if x != c] m = sm.OLS(y, sm.add_constant(X_df[sub])).fit() aic_drop[c] = m.aic best_drop = min(aic_drop, key=aic_drop.get) if aic_drop[best_drop] < full_aic: cols.remove(best_drop) else: break return cols selected = backward_aic(X_df, y) # → ['小学教員児童比', '中学教員生徒比', '住宅地価格']

DS LEARNING POINT 4

標準化係数(β係数)による変数比較

説明変数の単位が異なる(円・比率・℃など)場合、非標準化回帰係数の大小を直接比較することはできない。すべての変数を平均0・標準偏差1に標準化してから回帰すると、β係数の絶対値がそのまま「効果の大きさ」を示し、変数間の比較が可能になる。

# 目的変数説明変数標準化 y_std = (y - y.mean()) / y.std() X_std = X_df[selected].copy() for c in selected: X_std[c] = (X_std[c] - X_std[c].mean()) / X_std[c].std() # 標準化済みOLS推定 std_model = sm.OLS(y_std, sm.add_constant(X_std)).fit() beta = std_model.params[1:] # β係数 print(beta) # → 中学教員生徒比: β=-0.711 が最大の効果量
やってみよう図図3: 最終OLSモデルの標準化係数
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fig3, ax3 = plt.subplots(figsize=(9, max(4, len(selected_cols) * 0.9)))

colors3 = ['#C62828' if p < 0.01 else '#FF8F00' if p < 0.05 else '#9E9E9E'
           for p in beta_pvals]
y_pos3 = np.arange(len(selected_cols))

ax3.barh(y_pos3, beta_coefs, color=colors3, alpha=0.75, edgecolor='white', height=0.6)
ax3.errorbar(beta_coefs, y_pos3, xerr=1.96 * beta_ses,
             fmt='none', color='#333', capsize=4, linewidth=1.2)
ax3.axvline(0, color='gray', linestyle='--', linewidth=1.0)
ax3.set_yticks(y_pos3)
ax3.set_yticklabels(selected_cols, fontsize=10)
ax3.set_xlabel('標準化係数 β(±1.96SE)', fontsize=11)
ax3.set_title(
    f'バックワードAIC選択後の重回帰 — 標準化係数\n'
    f'R²={final_model.rsquared:.3f}  Adj.R²={final_model.rsquared_adj:.3f}  N={N}都道府県',
    fontsize=12, fontweight='bold'
)
ax3.invert_yaxis()
ax3.grid(axis='x', alpha=0.3)

ax3.legend(
    handles=[
        Patch(color='#C62828', alpha=0.75, label='p<0.01'),
        Patch(color='#FF8F00', alpha=0.75, label='p<0.05'),
        Patch(color='#9E9E9E', alpha=0.75, label='n.s.'),
    ],
    fontsize=9
)

for i, (b, p) in enumerate(zip(beta_coefs, beta_pvals)):
    sig = '***' if p < 0.001 else '**' if p < 0.01 else '*' if p < 0.05 else ''
    offset = 0.01 if b >= 0 else -0.01
    ha = 'left' if b >= 0 else 'right'
    ax3.text(b + offset, i, f' {b:.3f}{sig}', va='center', ha=ha, fontsize=8.5)

plt.tight_layout()
fig3.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2023_H5_2_fig3_beta.png'), bbox_inches='tight', dpi=150)
plt.close(fig3)
print("図3保存: 2023_H5_2_fig3_beta.png")
▼ 実行結果
図3保存: 2023_H5_2_fig3_beta.png
💡 解説
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
  • ax.axhline / ax.axvline — 水平/垂直の点線。平均線や基準線として定番。
💡 Python TIPS df[col](1列)と df[[col1, col2]](複数列)でカッコの数が違います。リストを渡していると覚えるとミスを減らせます。
6. 散布図
4
教育費割合と大学進学率の関係

家計の消費支出に占める教育費の割合(教育費割合)と大学進学率の散布図。教育費割合は最終モデルでは除外されたが、単純相関ではr=0.464(p=0.001)の有意な正相関が存在する。

教育費割合 vs 大学進学率 散布図
図4:教育費割合(%)と大学進学率(%)の散布図。各点が1都道府県(2022年度)。回帰直線を付記。
📌 この散布図の読み方
このグラフは
横軸(x)と縦軸(y)に2変数を取り、各都道府県(または自治体)を点で描いたグラフ。
読み方
点の並びに右上がりの傾向があれば正の相関、右下がりなら負の相関。点が直線に近いほど相関が強い。
なぜそう解釈できるか
回帰直線(赤線など)の傾きが回帰係数に対応する。直線から大きく外れた点が外れ値で、特異な地域を示す。
なぜ教育費割合は最終モデルから除外されたか? 教育費割合は単純相関ではr=0.464で有意だが、住宅地価格(r=0.672)や消費支出(r=0.446)と重複する情報を多く持っている(多重共線性)。バックワードAIC選択では教育費割合を除いてもモデルの適合が改善したため除外された。これは「教育費を多くかける余裕がある都道府県が進学率も高い」という経済力の交絡効果を示している。
やってみよう共通設定
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import pandas as pd
import numpy as np
import matplotlib
matplotlib.use('Agg')
import matplotlib.pyplot as plt
import statsmodels.api as sm
from scipy import stats
import warnings
warnings.filterwarnings('ignore')

plt.rcParams['font.family'] = 'Hiragino Sans'
plt.rcParams['axes.unicode_minus'] = False
plt.rcParams['figure.dpi'] = 150

import os
FIG_DIR = 'html/figures'
DATA_DIR = 'data/raw'
os.makedirs(FIG_DIR, exist_ok=True)
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • import pandas as pd など — 必要なライブラリをまとめて呼び出します。as pd は短い別名(alias)。
  • matplotlib.use('Agg') — グラフを画面表示せずファイルに保存するためのおまじない。
  • plt.rcParams['font.family'] — グラフの日本語表示用フォント指定(Macは Hiragino Sans、Windowsなら Yu Gothic 等)。
  • os.makedirs('html/figures', exist_ok=True) — 図の保存先フォルダを作る(既にあってもOK)。
💡 Python TIPS f"...{x}..."f-string。文字列の中に {変数} と書くだけで埋め込めて、{x:.2f} のように書式も指定できます。
やってみよう■ Step1. 相関係数(ピアソン)
📝 コード
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print("\n" + "=" * 60)
print("■ Step1. ピアソン相関係数(目的変数:大学進学率)")
print("=" * 60)
print(f"\n  {'変数':<20} {'r':>8} {'p値':>10} {'有意':>6}")
print("  " + "-" * 48)
corr_vals = {}
pval_vals = {}
for name in VAR_NAMES:
    r, p = stats.pearsonr(X_df[name].values, y)
    corr_vals[name] = r
    pval_vals[name] = p
    sig = '***' if p < 0.001 else '**' if p < 0.01 else '*' if p < 0.05 else 'n.s.'
    print(f"  {name:<20} {r:>8.4f} {p:>10.4f} {sig:>6}")
▼ 実行結果
============================================================
■ Step1. ピアソン相関係数(目的変数:大学進学率)
============================================================

  変数                          r         p値     有意
  ------------------------------------------------
  教育費割合                  0.4644     0.0010     **
  消費支出                   0.4464     0.0017     **
  小学教員児童比               -0.5243     0.0002    ***
  中学教員生徒比               -0.5919     0.0000    ***
  住宅地価格                  0.6717     0.0000    ***
  高齢化率                  -0.5879     0.0000    ***
  宿泊者per capita         -0.1432     0.3369   n.s.
  年平均気温                  0.1061     0.4776   n.s.
💡 解説
  • stats.pearsonr(x, y) — Pearson相関係数 r と p値を同時に返します。
💡 Python TIPS Seriesの .map() は「1対1の置き換え」、.apply() は「関数を当てる」。辞書なら .map()、ロジックなら .apply()
やってみよう■ Step2. バックワードAIC変数選択
📝 コード
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def backward_aic(X_df, y):
    """バックワードAIC変数選択。AICが改善しなくなるまで変数を除外する。"""
    cols = list(X_df.columns)
    step = 0
    print("\n" + "=" * 60)
    print("■ Step2. バックワードAIC変数選択")
    print("=" * 60)
    while len(cols) > 1:
        full_model = sm.OLS(y, sm.add_constant(X_df[cols])).fit()
        full_aic = full_model.aic
        aic_drop = {}
        for c in cols:
            sub = [x for x in cols if x != c]
            m = sm.OLS(y, sm.add_constant(X_df[sub])).fit()
            aic_drop[c] = m.aic
        best_drop = min(aic_drop, key=aic_drop.get)
        if aic_drop[best_drop] < full_aic:
            step += 1
            print(f"  Step{step}: '{best_drop}' を除外"
                  f"(AIC: {full_aic:.3f}{aic_drop[best_drop]:.3f})")
            cols.remove(best_drop)
        else:
            break
    return cols

selected_cols = backward_aic(X_df, y)
print(f"\n  最終選択変数: {selected_cols}")
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • sm.add_constant(X) — 切片項(定数1の列)を先頭に追加。statsmodelsで必須。
  • sm.OLS(y, X).fit() — 最小二乗法でモデルを推定。model.params, model.pvalues, model.conf_int() で結果取得。
💡 Python TIPS [式 for x in リスト]リスト内包表記。forループでappendする代わりに1行でリストを作れます。
やってみよう■ Step2. バックワードAIC変数選択 — ── 最終モデルの推定 ──────────────────────────────────────────────
📝 コード
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# ── 最終モデルの推定 ──────────────────────────────────────────────
X_final = sm.add_constant(X_df[selected_cols])
final_model = sm.OLS(y, X_final).fit()
print(f"\n  R² = {final_model.rsquared:.4f}")
print(f"  Adj. R² = {final_model.rsquared_adj:.4f}")
print(f"  AIC = {final_model.aic:.3f}")
print()
print(final_model.summary2())
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • sm.add_constant(X) — 切片項(定数1の列)を先頭に追加。statsmodelsで必須。
  • sm.OLS(y, X).fit() — 最小二乗法でモデルを推定。model.params, model.pvalues, model.conf_int() で結果取得。
💡 Python TIPS r, p = stats.pearsonr(...) — Pythonは複数戻り値を同時に受け取れる(タプルアンパック)。
やってみよう■ Step2. バックワードAIC変数選択 — ── 標準化係数(βeta) ──────────────────────────────────────────
📝 コード
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# ── 標準化係数(βeta) ──────────────────────────────────────────
y_std = (y - y.mean()) / y.std()
X_sel_std = X_df[selected_cols].copy()
for c in selected_cols:
    X_sel_std[c] = (X_sel_std[c] - X_sel_std[c].mean()) / X_sel_std[c].std()

std_model = sm.OLS(y_std, sm.add_constant(X_sel_std)).fit()
beta_coefs = std_model.params[1:].values  # 定数項除く
beta_ses   = std_model.bse[1:].values
beta_pvals = std_model.pvalues[1:].values

print("\n標準化係数(β):")
for name, b, p in zip(selected_cols, beta_coefs, beta_pvals):
    sig = '***' if p < 0.001 else '**' if p < 0.01 else '*' if p < 0.05 else 'n.s.'
    print(f"  {name:<20}: β={b:.4f}  p={p:.4f}  {sig}")
▼ 実行結果
============================================================
■ Step2. バックワードAIC変数選択
============================================================
  Step1: '教育費割合' を除外(AIC: 293.823 → 291.823)
  Step2: '年平均気温' を除外(AIC: 291.823 → 290.002)
  Step3: '高齢化率' を除外(AIC: 290.002 → 288.554)
  Step4: '宿泊者per capita' を除外(AIC: 288.554 → 287.116)
  Step5: '消費支出' を除外(AIC: 287.116 → 286.406)

  最終選択変数: ['小学教員児童比', '中学教員生徒比', '住宅地価格']

  R² = 0.5445
  Adj. R² = 0.5127
  AIC = 286.406

                 Results: Ordinary least squares
=================================================================
Model:              OLS              Adj. R-squared:     0.513   
Dependent Variable: y                AIC:                286.4061
Date:               2026-05-18 11:24 BIC:                293.8067
No. Observations:   47               Log-Likelihood:     -139.20 
Df Model:           3                F-statistic:        17.13   
Df Residuals:       43               Prob (F-statistic): 1.82e-07
R-squared:          0.545            Scale:              23.917  
-----------------------------------------------------------------
              Coef.   Std.Err.    t    P>|t|    [0.025    0.975] 
-----------------------------------------------------------------
const         62.0325   8.3498  7.4292 0.0000   45.1934   78.8716
小学教員児童比      370.6683 218.2791  1.6981 0.0967  -69.5333  810.8700
中学教員生徒比     -433.9107 163.7779 -2.6494 0.0112 -764.2003 -103.6212
住宅地価格          0.0001   0.0000  4.2480 0.0001    0.0000    0.0001
-----------------------------------------------------------------
Omnibus:             0.133       Durbin-Watson:          1.299   
Prob(Omnibus):       0.936       Jarque-Bera (JB):       0.038   
Skew:                0.060       Prob(JB):               0.981   
Kurtosis:            2.928       Condition No.:          30238466
=================================================================
Notes:
[1] Standard Errors assume that the covariance matrix of the
errors is correctly specified.
[2] The condition number is large, 3.02e+07. This might indicate
that there are strong multicollinearity or other numerical
problems.

標準化係数(β):
  小学教員児童比             : β=0.4747  p=0.0967  n.s.
  中学教員生徒比             : β=-0.7113  p=0.0112  *
  住宅地価格               : β=0.5632  p=0.0001  ***
💡 解説
  • sm.add_constant(X) — 切片項(定数1の列)を先頭に追加。statsmodelsで必須。
  • sm.OLS(y, X).fit() — 最小二乗法でモデルを推定。model.params, model.pvalues, model.conf_int() で結果取得。
💡 Python TIPS x if cond else y三項演算子。リスト内包表記と組み合わせると、forとifを1行で書けます。
やってみよう図図4: 散布図(教育費割合 vs 大学進学率)+ 回帰直線 + 都道府県ラベル
📝 コード
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fig4, ax4 = plt.subplots(figsize=(11, 7))

x4 = X_df['教育費割合'].values
r4, p4 = stats.pearsonr(x4, y)

ax4.scatter(x4, y, color='#1565C0', s=50, alpha=0.7, zorder=3, edgecolors='white', linewidth=0.5)
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
  • stats.pearsonr(x, y) — Pearson相関係数 r と p値を同時に返します。
💡 Python TIPS s[:-n]「末尾n文字を除く」/s[n:]「先頭n文字を除く」。スライス [start:stop:step] はリスト・タプル・文字列共通の基本ワザです。
やってみよう図図4: 散布図(教育費割合 vs 大学進学率)+ 回帰直線 + 都道府県ラベル回帰直線
📝 コード
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# 回帰直線
z4 = np.polyfit(x4, y, 1)
xs4 = np.linspace(x4.min() - 0.05, x4.max() + 0.05, 200)
ax4.plot(xs4, np.poly1d(z4)(xs4), color='#C62828', linewidth=1.8, alpha=0.85,
         label=f'回帰直線  r={r4:.3f}(p={p4:.4f})')

# 都道府県ラベル
for xi, yi, name in zip(x4, y, pref_names):
    # 短縮ラベル
    label = name.replace('都', '').replace('道', '').replace('府', '').replace('県', '')
    ax4.text(xi + 0.01, yi + 0.15, label, fontsize=7, color='#333',
             ha='left', va='bottom', alpha=0.85)

ax4.set_xlabel('教育費割合(消費支出に占める割合 %)', fontsize=12)
ax4.set_ylabel('大学進学率(%)', fontsize=12)
ax4.set_title('教育費割合と大学進学率の関係(2022年度・47都道府県)',
              fontsize=13, fontweight='bold')
ax4.legend(fontsize=10)
ax4.grid(True, alpha=0.3)

plt.tight_layout()
fig4.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2023_H5_2_fig4_scatter.png'), bbox_inches='tight', dpi=150)
plt.close(fig4)
print("図4保存: 2023_H5_2_fig4_scatter.png")

print("\n全図の生成完了(4枚)")
print("  fig1_bar.png    : 都道府県別大学進学率(横棒グラフ)")
print("  fig2_corr.png   : 各変数との相関係数棒グラフ")
print("  fig3_beta.png   : 最終OLSモデル標準化係数")
print("  fig4_scatter.png: 教育費割合 vs 大学進学率 散布図")
▼ 実行結果
図4保存: 2023_H5_2_fig4_scatter.png

全図の生成完了(4枚)
  fig1_bar.png    : 都道府県別大学進学率(横棒グラフ)
  fig2_corr.png   : 各変数との相関係数棒グラフ
  fig3_beta.png   : 最終OLSモデル標準化係数
  fig4_scatter.png: 教育費割合 vs 大学進学率 散布図
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS np.cumsum(arr)累積和np.linspace(a, b, n) は「aからbを等間隔でn個」。NumPyの定石です。

まとめ

主要な発見

SSDSE-B(47都道府県、2022年度)を用いた重回帰分析(バックワードAIC選択)の結果:

  1. 学力格差は大きい(最大27ポイント差):京都・東京等の上位と地方圏の下位の間に顕著な格差が存在する。
  2. 住宅地価格(経済力)が最重要(β=+0.563):地域の経済的豊かさが教育機会・意欲・投資の格差を通じて学力格差に最も大きく寄与している。
  3. 中学段階の教員/生徒比が影響(β=−0.711):1人の教員が担当する生徒が多い地域では進学率が低く、教育資源の不均等配分が格差を生んでいる可能性がある。
  4. 最終モデルの=0.545:3変数で進学率の分散の約55%を説明。残りは通学文化・地域の進学意欲・大学の立地など、本分析で扱えなかった要因が寄与していると考えられる。
政策への示唆 学力格差の縮小には、教育費補助(奨学金・無償化)だけでなく、教員配置の地域間均等化(特に中学段階)と地域経済の活性化(所得向上・住環境整備)の複合的な対策が統計的に支持される。
教育的価値(この分析から学べること)
  • 学力の都道府県差:全国学力テストの結果に明確な地域差がある。教員配置・教育費・家庭環境が主要因。
  • 平均分散平均点だけでなく『散らばり』も重要。同じ平均でも格差が大きい県と小さい県では意味が違う。
  • 交絡の制御:経済水準・親の学歴など家庭要因を制御しないと、学校教育の効果は見えない。

データ・コードのダウンロード

分析スクリプト(2023_H5_2_shorei.py)
データ出典
SSDSE-B 都道府県データ(2022年度)統計センター SSDSE(社会・人口統計体系)B版
高校卒業後進学者数・卒業者数E4602 / E4601(文部科学省学校基本調査)
家計消費支出・教育費L3221 / L322108(総務省家計調査)
住宅地標準価格・教員数・生徒数C5401 / E2401 / E2501 / E3401 / E3501

分析スクリプトは実データ(SSDSE-B-2026.csv)のみ使用。np.random等の合成データは一切使用していません。

教育用再現コード | 2023年 統計データ分析コンペティション 審査員奨励賞 [高校生の部] | 都道府県ごとの学力の差

⚠️ よくある誤解と注意点

統計分析の解釈で初心者がやりがちな勘違いをまとめます。特に「相関因果の混同」「p値の過信」は研究現場でもよく起きる落とし穴です。本文を読む前にも、読んだ後にも、目を通してみてください。

❌ 「相関がある=因果関係がある」ではない
疑似相関spurious correlationとは、見かけ上は関係があるように見えるが、実際は無関係、または第三の変数(交絡変数)が両方に影響しているだけの現象です。

古典例: アイスクリームの売上 と 水難事故件数 は強く相関するが、片方が他方を引き起こしているわけではない。両者とも「夏の暑さ」という第三の変数に引きずられているだけ。

論文を読むときの心構え: 「○○と△△に強い相関が見られた」だけで終わっている主張は、本当に因果関係があるのか、それとも第三の変数(人口・所得・地理など)が共通要因として効いているだけではないかを必ず疑ってください。
❌ 「p値が小さい=重要な発見」ではない
p値が小さい(例えば p < 0.001)ことは「統計的に偶然とは考えにくい」という意味であって、「実用的に大きな効果がある」という意味ではありません。

例: 巨大なサンプルサイズ(n=100,000)では、相関係数 r=0.02 でも p < 0.001 になります。しかし r=0.02 は実用上ほぼ無視できる関係です。

正しい読み方: p値効果量係数の大きさ、相関係数の値)の両方をセットで判断してください。p値だけで「重要な発見」と結論づけるのは誤りです。
❌ 「回帰係数が大きい=重要な変数」ではない
回帰係数の絶対値は、説明変数単位に強く依存します。「年収(万円)」と「失業率(%)」の係数を直接比較しても意味がありません。

正しい比較方法: (1) 標準化係数(各変数を平均0・分散1に変換した上での係数)を使う、(2) 限界効果(変数を1標準偏差動かしたときのyの変化)で比較する。

また、係数の大きさが「因果関係の強さ」を意味するわけでもありません。あくまで「相関的な関連の強さ」です。
❌ 「外れ値を除外すれば正しい結果」ではない
外れ値(極端な値)を「目障りだから」「結果が綺麗にならないから」という理由で除外するのは分析の改ざんに近い行為です。

外れ値が示すもの: 本当に重要な情報(東京の超高密度、北海道の超低密度など)であることが多い。外れ値を取り除くと「日本全体の傾向」を見誤る原因になります。

正しい対処: (1) 外れ値の出現要因を調査する(なぜ東京だけ突出するのか)、(2) ノンパラメトリック手法(Spearman相関Kruskal-Wallis)を使う、(3) 外れ値を含む結果と除外した結果の両方を提示し、解釈を読者に委ねる。
❌ 「サンプルサイズが大きい=信頼できる」ではない
サンプルサイズ(n)が大きいと統計的検定の検出力は上がりますが、それは「偶然による誤差を減らす効果」にすぎません。

nが大きくても解消されない問題:
選択バイアス標本が偏っている)
測定誤差(変数の定義が曖昧)
欠損値のパターン(欠損がランダムでない)
交絡変数の見落とし

例: 1万人にWeb調査して「ネット利用と幸福度は強く相関」と言っても、そもそも回答者がネットユーザー寄りに偏っているため、母集団全体の結論にはなりません。
❌ 「複雑なモデル=より良い分析」ではない
ランダムフォレストニューラルネット・複雑な階層モデルなど、高度な手法を使えば「良い分析」と感じがちですが、必ずしもそうではありません。

過学習(overfitting)の罠: モデルが複雑すぎると、訓練データ偶然のパターンまで学習してしまい、新しいデータでは予測精度が落ちます。

シンプルさの価値: 重回帰分析相関分析は「結果が解釈しやすい」「再現性が高い」という大きな利点があります。複雑な手法はシンプルな手法で答えが出ない時の最後の手段です。
❌ 「多重共線性は気にしなくていい」ではない
多重共線性とは、説明変数同士の相関が極めて強い状態のこと。これを放置すると、回帰係数符号や大きさが入れ替わる異常事態が起こります。

典型例: 「総人口」と「労働力人口」を同時に投入すると、両者の相関が r=0.99 になり、係数推定が極端に不安定になります。「総人口は正だが、労働力人口は負」のような解釈不能な結果になりがちです。

診断と対処:
VIF(分散拡大係数)を計算し、VIF > 10 の変数を確認
相関行列で |r| > 0.8 のペアをチェック
・対処法:一方を除外、合成変数(PCA)に変換、Ridge回帰で安定化
❌ 「R²が高い=良いモデル」ではない
決定係数 R² はモデルの「当てはまりの良さ」を示しますが、 が高くてもモデルが正しいとは限りません

が高くなる罠:
説明変数を増やせば は自動的に上がる(無関係な変数を追加してもは下がらない)
時系列データでは、共通のトレンド(時間とともに増加)があるだけで が 0.9 を超える
サンプルサイズが小さいとが過大評価される

代替指標: 調整済み (変数の数でペナルティ)AICBICモデル選択基準)を併用してください。予測力の真の評価には交差検証(cross-validation)テストデータ を見ること。
❌ 「ステップワイズで選んだ変数は重要」ではない
ステップワイズ法(バックワード・フォワード選択)は便利ですが、p値ベースの変数選択は再現性に問題があると批判されています。

問題点:
同じデータでも実行順序によって最終モデルが変わる
p値を繰り返し見ることで「偶然に有意な変数」を拾ってしまう(p-hacking
係数標準誤差が過小評価され、信頼区間が嘘っぽくなる

より良い方法:
事前に変数を理論で絞る(先行研究から候補を選ぶ)
LASSO回帰(自動かつ統計的に正当化された変数選択)を使う
交差検証AIC/BIC 最小モデルを選ぶ
❌ 「線形回帰なら線形関係を前提にすべき」
重回帰分析線形関係を前提とします。実際の関係が非線形なのに線形モデルで分析すると、本当の関係を見逃します

非線形の例:
U字型関係: 失業率と物価上昇率(フィリップス曲線)
逓減効果: 所得と幸福度(年収 800万円までは強い正の効果、それ以上は飽和)
閾値効果: 高齢化率と医療費(ある水準を超えると急激に上がる)

診断と対処:
残差プロット残差が0周辺に均等に分布しているか確認
変数の対数変換・二乗項追加で非線形性を取り込む
・どうしても線形では捉えられないなら、機械学習RF・GBM)を併用する
❌ 「データに当てはまった=予測に使える」ではない
「過去のデータでフィットしたから将来も予測できる」と思うのは危険です。

過学習(overfitting)の例: 47都道府県のデータに10個の説明変数を投入すれば、ほぼ完璧にフィットします(自由度がほぼゼロ)。でもそのモデルを新しい年度に適用すると、予測精度はほぼランダム並みに落ちることがあります。

正しい予測力の評価:
・データを訓練用 70%テスト用 30%に分割し、テスト用での予測精度を見る
k分割交差検証(k-fold CV)で予測の安定性を確認
・「説明変数の数 ≪ サンプルサイズ」のバランスを意識(目安:n > 10 × 変数数)

📖 用語集(この記事に出てくる統計用語)

統計の基本用語を初心者向けに解説します。本文中で見慣れない言葉が出てきたら、ここに戻って確認してください。

p値
「効果がない」と仮定したときに、観察されたデータ(またはより極端なデータ)が得られる確率。0〜1の値で、慣例的に 0.05(5%)未満を「有意」と判断する。
有意水準
「偶然」と「意味のある違い」を分ける基準。通常 α=0.05(5%)を使う。p値 < α なら「有意」と判定。
信頼区間
「真の値はこの範囲にあるだろう」という幅。95%信頼区間 = 同じ実験を100回繰り返したら95回はこの範囲に真の値が入る。
サンプルサイズ
分析に使ったデータ点の数(n)。一般にnが大きいほど推定が安定し、わずかな差も検出できるようになる。
標準誤差
推定値(係数など)のばらつきの目安。標準誤差が小さいほど推定値が安定している。
正規分布
釣鐘型の左右対称な分布。多くのパラメトリック検定(t検定F検定など)は「データが正規分布に従う」ことを仮定する。
因果相関
相関がある」と「原因と結果の関係(因果)」は別物。アイスクリームの売上と水難事故は相関するが、原因は両者とも「夏の暑さ」。
外れ値
他のデータから極端に離れた値。分析結果を歪める原因になるため、検出して除外するか別途扱う必要がある。
欠損値
データが取得できなかった部分(NaN・空白)。除外するか補完(平均代入・回帰代入など)するかが分析上の重要な判断点。
VIF
Variance Inflation Factor分散拡大係数)。多重共線性の強さを示す指標。VIF > 10 で「強い多重共線性あり」と判断。
係数回帰係数
説明変数 x が1単位増えたとき、目的変数 y が平均でどれだけ変化するか」を示す数値。正の値は正の影響、負の値は負の影響。
多重共線性
説明変数同士の相関が強すぎる状態。係数推定が不安定になり、解釈を誤る原因になる。VIF > 10 が警告サイン。
標準化係数
変数の単位の影響を取り除いた係数。複数の変数の影響の大きさを単位に依存せず比較するために使う。
決定係数 R²
回帰モデル目的変数のばらつきの何%を説明できるかを示す指標。0〜1の値で、1に近いほどモデルの説明力が高い。

📐 使っている手法をわかりやすく解説

統計手法について「何のためか」「結果をどう読むか」を初心者向けに解説します。

◆ 統計の基本概念(どの論文にも共通)

🔍 p値有意確率)とは
何?
「もし本当に効果がなかったとしたら、今回の結果(またはもっと極端な結果)が偶然起きる確率」のこと。
なぜ必要?
帰無仮説(「効果なし」の仮定)のもとで検定統計量の分布から計算する。
何がわかる?
「この関係は偶然ではなく、統計的に意味がある」と主張するための客観的な根拠になる。
読み方
p < 0.05(5%未満)を「統計的に有意」と判断するのが慣例。ただし「p値が小さい=効果が大きい」ではない。効果量係数の大きさ)とセットで判断する。
🗂️ ノンパラメトリック検定とは(なぜ使うのか)
何?
「データが正規分布に従う」という仮定を置かない検定手法の総称。Kruskal-Wallis検定・Mann-Whitney U検定などが代表例。
なぜ必要?
データの値ではなく「順位」に変換して検定統計量を計算する。外れ値や偏った分布に対しても安定して機能する。
何がわかる?
サンプルサイズが小さい・データが歪んでいる・外れ値がある場合でも、グループ差の有無を検定できる。
読み方
「なぜノンパラメトリックを選ぶのか」の理由を示すには、正規性検定(Shapiro-Wilk)の結果を添えるのが望ましい。結果の解釈は対応するパラメトリック検定と同様(p < 0.05 で有意差あり)。

◆ この論文で使われている手法

📈 重回帰分析
何?
複数の説明変数(原因候補)が1つの目的変数(結果)にどれだけ影響するかを同時に推定する手法。
どう使う?
目的変数 y を複数の説明変数 x₁, x₂, … で予測する式(y = a₁x₁ + a₂x₂ + … + b)を最小二乗法でフィットさせる。
何がわかる?
複数の要因が混在するなかで「どれが一番効いているか」を一度に検証できる。交絡変数を統制できる。
結果の読み方
係数(a₁, a₂…)のプラスは正の影響、マイナスは負の影響。p < 0.05 で統計的に有意。が1に近いほどモデルの説明力が高い。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。
🔗 相関分析
何?
2つの変数の「一緒に増減する傾向の強さと向き」を −1〜+1 の相関係数 r で数値化する手法。
どう使う?
散布図を描き、Pearson(連続データ)または Spearman(順序データ・外れ値に強い)の相関係数を計算する。
何がわかる?
「気温が高い県ほど熱中症指標が高い」などの傾向を素早く確認できる。変数選択の第一歩として使われることも多い。
結果の読み方
r > +0.7 は強い正の相関、r < −0.7 は強い負の相関、|r| < 0.3 はほぼ無相関相関因果関係を示すものではない点に注意。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。
🌿 Ward法クラスタリング
何?
データをグループ(クラスター)に自動分類する手法。グループ内のばらつきが最小になるよう統合していく。
どう使う?
統合後の「ばらつき増加」が最小になるペアを繰り返し合体させ、デンドログラム樹形図)で可視化する。
何がわかる?
都道府県を「都市型」「農村型」などのグループに自動分類し、グループ間の特徴比較ができる。
結果の読み方
デンドログラムの切り位置でクラスター数を決める。各クラスターの変数平均を見てグループを命名・解釈する。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。
🎛️ AIC基準によるステップワイズ変数選択
何?
多数の候補変数からモデルの「精度」と「複雑さ」のバランスが最良な変数の組み合わせを自動選択する手法。
どう使う?
バックワード(全変数から除去)またはフォワード(空から追加)で、AIC最小を目指して変数を探索する。
何がわかる?
「30変数中で最も説明力が高い5変数はどれか」を客観基準で決められる。恣意的な変数選択を回避できる。
結果の読み方
AICは小さいほど良い。最終的に残った変数がモデルに「有効」と判断された変数。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。
↔️ VAR(ベクトル自己回帰)/ Granger因果検定
何?
複数の時系列変数が互いに影響し合う関係を分析する手法(VAR)と、「AがBの予測に役立つか」を検定する手法(Granger因果)。
どう使う?
VARは全変数を互いに説明変数として同時回帰Granger因果F検定でAのラグ変数がBの予測精度を向上させるかを確認する。
何がわかる?
「女性就業率と出生率はどちらが先に動くか」「リード・ラグ関係」を特定できる。
結果の読み方
Granger因果 p < 0.05 → 「Aの過去値はBの予測に役立つ」(ただし真の因果とは限らない)。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。

🚀 発展の可能性(結果 X → 新仮説 Y → 課題 Z)

この研究をさらに発展させるための3つの方向性を示します。「今回わかったこと(X)」から「次に検証すべき仮説(Y)」を立て、「具体的に何をするか(Z)」まで考えてみましょう。

① データ・時間的拡張
結果 X
本論文は特定の年度・地域の断面データ(または限られた時系列)で分析を行った。
新仮説 Y
より新しい年度のデータや市区町村レベルの細粒度データを使えば、知見の時間的頑健性や地域内格差を検証できる。
課題 Z
(1)統計センターから最新の SSDSE をダウンロードし、同じ分析を再実行する。(2)結果が変わった場合、その要因(コロナ・政策変化など)を考察する。(3)市区町村データ(SSDSE-A/C/F)で分析単位を細かくした場合の結果と比較する。
② 手法の発展:重回帰分析 の次のステップ
結果 X
本論文は 重回帰分析 を用いた推定を行った。
新仮説 Y
パネルデータ固定効果モデルFE)による都道府県固有の差の統制 により、本分析では統制できていない問題を解消できる可能性がある。
課題 Z
(1)パネルデータ固定効果モデルFE)による都道府県固有の差の統制 を実装し、本論文の係数推定と比較する。(2)操作変数法IV)による内生性の解消 も試し、結果の頑健性を確認する。(3)推定結果の変化から、元の分析の仮定のどれが重要だったかを考察する。
③ 政策提言・実践への応用
結果 X
本論文は分析結果から特定の変数が目的変数に影響することを示した。
新仮説 Y
分析対象を日本全国から特定地域に絞ること、または逆に国際比較に拡張することで、政策の移転可能性と文脈依存性を検証できる。
課題 Z
(1)有意な変数を「政策で変えられるもの」と「変えにくいもの」に分類する。(2)政策で変えられる変数について、係数の大きさから「どれだけ変えればどれだけ効果があるか」を試算する。(3)自治体・政策立案者への提言として、実現可能なアクションプランを1枚にまとめる。

🎯 自分でやってみよう(5つのチャレンジ)

学んだだけでは身につきません。実際に手を動かすのが最強の学習方法です。本論文のスクリプトをベースに、以下のチャレンジに挑戦してみてください。難易度別に5つ用意しました。

★☆☆☆☆ 入門
CH1. 同じデータで分析を再現する
まずは付属の Python スクリプトをそのまま実行し、論文と同じ図を再現してみてください。
ポイント: 各図がどのコード行から生成されているか辿る。エラーが出たら原因を考える。
★★☆☆☆ 初級
CH2. 説明変数を1つ追加・除外して結果を比較
本論文の分析モデルから説明変数を1つ抜いて再実行、あるいは1つ追加して再実行してください。
ポイント: 係数p値 がどう変わったか観察する。多重共線性が原因で結果が変わる例を見つけられたら理想的。
★★★☆☆ 中級
CH3. 別の年度・別の都道府県で同じ分析を試す
SSDSE の別の年度(例:2015年度・2020年度)または特定都道府県のみのデータで同じ分析を実行してください。
ポイント: 時代や地域によって結論が変わるか? 変わるならその理由を考察する。
★★★★☆ 上級
CH4. 別の手法を組み合わせる
本論文の手法 + 1つの追加手法(例:重回帰 + LASSO相関分析 + 主成分分析)で結果を比較してください。
ポイント: 手法の違いで結論が変わるか? どちらが妥当かを「なぜ」とともに説明できるように。
★★★★★ 発展
CH5. オリジナルの問いを立てて分析する
本論文の手法を借りて、あなた自身の問いを立てて分析してください。 例:「カフェの数と幸福度に関連はあるか」「教育費の高い県は出生率も高いか」など。
ポイント: 問い・データ・手法・結論を1ページのレポートにまとめる。これがデータサイエンスの「実践」。
💡 ヒント: 詰まったら本サイトの他の論文(同じ手法を使っている)のスクリプトをコピーして組み合わせるのが効率的です。手法ガイド・用語集も参考に。

💼 この手法は実社会でこう使われている

本論文で学んだ手法は、研究の世界だけでなく、行政・企業・NPO の現場でも様々に活用されています。具体的なシーンを紹介します。

🏛️
行政の政策立案
都道府県・市区町村の政策担当者は、本論文と同様のデータ分析を用いて「どこに予算を投じれば効果が出るか」を検討します。 例えば医療費削減策、移住促進策、子育て支援策などの効果予測・効果検証に直結します。
🏢
企業のマーケティング・出店戦略
小売チェーン・サービス業の出店戦略では、地域特性(人口構成、所得、ライフスタイル)と売上の関係を本論文と同じ手法で分析します。 ECサイトでも顧客セグメント分析・購買要因分析に類似手法が使われます。
🏥
医療・公衆衛生
感染症の流行予測、医療資源配分の最適化、健康格差の地域要因分析などで、本論文の統計手法は標準的に使われています。 WHO・厚労省レベルの政策評価でも同じ手法が活躍しています。
📊
メディア・ジャーナリズム
新聞・テレビの社会調査記事、選挙予測、世論調査の分析でも、本論文と同じ手法(回帰分析・クラスタリングなど)が使われています。 データジャーナリズムの記事はこの種の分析が中核です。
🎓
学術研究(隣接分野)
経済学・社会学・公衆衛生学・教育学・地理学などの実証研究では、本論文と同じ手法が日常的に使われます。 専門誌に掲載される論文の8割以上が、こうした統計手法に基づいて結論を出しています。
💰
金融・保険業界
与信判断(融資審査)、保険料の地域別設定、不動産価格予測などで、本論文と同様のモデリング手法が広く活用されています。 統計分析の能力は金融業界の必須スキルになっています。

🤔 よくある質問(読者からの想定Q&A)

この論文を読んで初心者が抱きやすい疑問に、教育的観点から答えます。

Q1. この分析、自分でもできますか?
はい、できます。SSDSE データは無料で公開されており、Python の pandas, scikit-learn, statsmodels を使えば全く同じ手順で再現可能です。本ページ下部のスクリプトを実行するだけで結果が得られます。
Q2. 使われている手法は他の分野にも応用できますか?
十分応用可能です。本論文の[手法]は、医療・教育・経済・環境など他のドメインでも標準的に使われる手法です。データの中身(変数)を入れ替えるだけで、別の問いにも適用できます。
Q3. 結論は本当に「因果関係」を示していますか?
本論文は「観察データ」を使った分析であり、厳密な意味での「因果関係」を完全に証明したわけではありません。あくまで「強い関連が見られた」という事実を提示しているにとどまります。真の因果を示すには、無作為化比較試験(RCT)か、自然実験を活用したIVDiD 等の手法が必要です。
Q4. データの最新版を使うとどうなりますか?
SSDSE は毎年更新されているため、最新版を使えば近年のトレンド(特にコロナ禍以降の変化)も含めて分析できます。ただし、結論が変わる可能性もあります。それ自体が新しい発見につながります。
Q5. もっと深く学ぶには何を読めばいいですか?
「計量経済学」「データサイエンス入門」「統計的因果推論」などのテキストが入門に向いています。Python の場合は『Python ではじめる機械学習』(オライリー)、R の場合は『R で学ぶ統計学』が定番です。本サイトの他の論文も読み比べてみてください。