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2024年 統計データ分析コンペティション | 審査員奨励賞 [高校生の部]

顎・足・枕が多様な観光客にどのような影響を及ぼすのか

⏱️ 推定読了時間: 約30分
原田理矢(鳥取城北高等学校)
📝 3行で分かる要約

目次

  1. 研究概要:「顎足枕」とは
  2. データと変数
  3. 相関行列:3要素と満足度の関係
  4. 食事満足度と全体満足度(外国人観光客)
  5. 外国人 vs 国内観光客の係数比較
  6. 都道府県別強みランキング
  7. まとめと鳥取県への示唆
  8. 📥 データの準備
  9. 💼 実社会での応用
  10. ⚠️ よくある誤解
  11. 📖 用語集
  12. 📐 手法ガイド
  13. 🚀 発展の可能性
  14. 🎯 自分でやってみよう
  15. 🤔 Q&A

🎯 この記事を読むと何ができるようになるか

📥 データの準備(再現コードを動かす前に)

このページの分析を自分で再現するには、以下の手順でデータを準備してください。コードの編集は不要です。

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データをダウンロードする 統計センターの SSDSE 配布ページから、以下のファイルをダウンロードします。
SSDSE-B-2026.csv ← SSDSE-B(都道府県データ)📥 直接DL
⬇ SSDSEダウンロードページを開く
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ファイルを所定のフォルダに配置する ダウンロードしたCSVを、プロジェクトの data/raw/ フォルダに入れます。
2026 統計・データ解析コンペ/ ├── code/ │ └── 2024_H5_6_shorei.py ← 実行するスクリプト └── data/ └── raw/ SSDSE-B-2026.csv ← ここに置く
3
スクリプトをそのまま実行する ターミナルでプロジェクトルートに移動し、以下を実行します。
python3 code/2024_H5_6_shorei.py
図は html/figures/ に自動保存されます。
研究概要:「顎足枕」とは

観光業の業界用語「顎足枕(あごあしまくら)」

あご
食事(食)
グルメ体験
あし
交通(移動)
アクセス
まくら
宿泊(泊)
ホテル・旅館

観光業では「顎(食事)・足(交通)・枕(宿泊)」の3要素が旅行の質を決める重要因子とされる。本研究では観光庁データを用い、外国人・国内それぞれの観光客にとってどの要素が「全体満足度」に最も影響するかを重回帰分析で検証した。

まず「顎・足・枕が多様な観光客にどのような影響を及ぼすのか」を統計的にとらえることが有効だと考えられる。 その理由は感覚や経験則だけでは、複雑な社会要因の中で「何が本当に効いているか」を見極めにくいからである。 本研究では公開データと統計手法を組み合わせ、この問いに定量的な答えを出すことを目指す。

研究の問い
  • 顎・足・枕のどれが外国人観光客の満足度に最も効くか?
  • 国内観光客では答えが違うか?
  • 鳥取県の強みはどの要素か?(著者は鳥取城北高校生)

重回帰分析 標準化係数 サブグループ比較 観光データ

データと変数

使用データ一覧

データ出典内容
訪日外国人消費動向調査観光庁食事・交通・宿泊・全体満足度(外国人)
旅行・観光消費動向調査観光庁食事・交通・宿泊・全体満足度(国内)
SSDSE-B統計数理研究所都道府県別観光地数・観光客数

変数の定義

種別変数名尺度
目的変数全体満足度(overall satisfaction)5点満点
説明変数(3要素)食事満足度(顎)5点満点
交通アクセス満足度(足)5点満点
宿泊満足度(枕)5点満点

分析単位は都道府県(N=47)。外国人・国内の2サブグループを別々に重回帰分析する。

本教育用コードは合成データを使用(np.random.seed(42))。鳥取県の食事・宿泊スコアは実際の強みを反映して設定。

やってみよう■ データ読み込み(SSDSE-B-2026)
📝 コード
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df_b = pd.read_csv(DATA_PATH, encoding='cp932', header=1)
df_b = df_b[df_b['地域コード'].str.match(r'^R\d{5}$', na=False)]
df = df_b[df_b['年度'] == 2022].copy().reset_index(drop=True)

print("=" * 60)
print(f"■ SSDSE-B-2026 読み込み完了: {len(df)}都道府県(2022年度)")
print("=" * 60)
▼ 実行結果
============================================================
■ SSDSE-B-2026 読み込み完了: 47都道府県(2022年度)
============================================================
💡 解説
  • pd.read_csv(...) でCSVを読み込みます。encoding='cp932' は日本語Windows由来の文字コード、header=1 は「2行目を列名として使う」。
  • df['地域コード'].str.match(r'^R\d{5}', ...) — 正規表現で「R+数字5桁」の行(47都道府県)だけTrueにし、真偽値で行をフィルタ。
💡 Python TIPS df['A'] / df['B'] — pandasの列同士の四則演算は要素ごと(element-wise)。forループ不要なのが強み。
やってみよう■ 派生変数の作成
📝 コード
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num_cols = [
    '総人口', '65歳以上人口',
    '延べ宿泊者数', '外国人延べ宿泊者数',
    '旅館営業施設数(ホテルを含む)', '旅館営業施設客室数(ホテルを含む)',
    '食料費(二人以上の世帯)', '消費支出(二人以上の世帯)',
    '交通・通信費(二人以上の世帯)',
    '年平均気温',
]
for c in num_cols:
    df[c] = pd.to_numeric(df[c], errors='coerce')
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS Seriesの .map() は「1対1の置き換え」、.apply() は「関数を当てる」。辞書なら .map()、ロジックなら .apply()
やってみよう■ 派生変数の作成 — 目的変数
📝 コード
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# 目的変数
df['宿泊者数_per_capita'] = df['延べ宿泊者数'] / df['総人口']          # 一人当たり宿泊需要
df['外国人比率']          = df['外国人延べ宿泊者数'] / df['延べ宿泊者数']  # 外国人シェア

# 説明変数
df['食料費割合']    = df['食料費(二人以上の世帯)'] / df['消費支出(二人以上の世帯)']   # 顎(食)
df['交通費割合']    = df['交通・通信費(二人以上の世帯)'] / df['消費支出(二人以上の世帯)']  # 足(交通)
df['旅館数密度']    = df['旅館営業施設数(ホテルを含む)'] / df['総人口'] * 10000          # 枕(宿泊インフラ)
df['客室数_per_施設'] = df['旅館営業施設客室数(ホテルを含む)'] / df['旅館営業施設数(ホテルを含む)']  # 施設規模
df['気温']          = df['年平均気温']
df['高齢化率']      = df['65歳以上人口'] / df['総人口']
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS [式 for x in リスト]リスト内包表記。forループでappendする代わりに1行でリストを作れます。
やってみよう■ 派生変数の作成 — 分析列を揃えてNaN行を削除
📝 コード
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# 分析列を揃えてNaN行を削除
FEATURES = ['食料費割合', '交通費割合', '旅館数密度', '客室数_per_施設', '気温', '高齢化率']
OUTCOMES = ['宿泊者数_per_capita', '外国人比率']
df_model = df[['都道府県'] + FEATURES + OUTCOMES].dropna().reset_index(drop=True)

print(f"■ 欠損除去後: {len(df_model)}都道府県\n")
print(df_model[FEATURES + OUTCOMES].describe().round(4))
▼ 実行結果
■ 欠損除去後: 47都道府県

         食料費割合    交通費割合    旅館数密度  ...     高齢化率  宿泊者数_per_capita    外国人比率
count  47.0000  47.0000  47.0000  ...  47.0000          47.0000  47.0000
mean    0.2647   0.1435   5.6553  ...   0.3135           3.2647   0.0170
std     0.0139   0.0198   3.7709  ...   0.0327           1.5530   0.0197
min     0.2330   0.1012   0.9418  ...   0.2281           0.5631   0.0034
25%     0.2541   0.1319   3.1993  ...   0.2985           2.3946   0.0071
50%     0.2653   0.1433   5.1036  ...   0.3142           2.9508   0.0096
75%     0.2730   0.1553   6.8670  ...   0.3372           3.6315   0.0166
max     0.3051   0.1910  20.5926  ...   0.3860           9.9295   0.1105

[8 rows x 8 columns]
💡 解説
  • .describe() — 件数・平均・標準偏差・四分位・最大/最小を一括計算。データの素性チェックに必須。
💡 Python TIPS r, p = stats.pearsonr(...) — Pythonは複数戻り値を同時に受け取れる(タプルアンパック)。
3. 相関行列
1
相関行列:3要素と満足度の関係

まず外国人・国内観光客それぞれについて「食事・交通・宿泊・全体満足度」の4変数の相関行列を求め、どの要素が全体満足度と最も強く相関するかを確認する。

3要素と全体満足度の相関行列
図1:外国人(左)と国内(右)観光客の4変数相関行列。外国人は食事(顎)と全体満足度の相関が特に高く、国内は宿泊(枕)と全体満足度の相関が相対的に高い。
📌 この相関ヒートマップの読み方
このグラフは
複数の変数ペア間の相関係数(−1〜+1)を色の濃淡で示した行列図。
読み方
濃い赤(または青)が強い正(または負)の相関。対角線は自分自身との相関なので常に1.0。
なぜそう解釈できるか
説明変数どうしの相関が高い(|r| > 0.8)」マスが多いと多重共線性の警告サイン。目的変数との相関が高い変数が候補として重要。
相関行列から読み取れること
  • 外国人観光客:食事(顎)と全体満足度の相関が最強
  • 国内観光客:宿泊(枕)と食事(顎)が全体満足度と高相関
  • 交通(足)は両グループで相対的に相関が低い
  • 3要素間にも相関あり(多重共線性の潜在的リスク)

DS LEARNING POINT 1

相関行列のヒートマップ可視化

複数変数の相関を一覧するにはヒートマップが便利。色の濃さで正負・強弱を直感的に把握できる。

import numpy as np import matplotlib.pyplot as plt # 4変数の相関行列 data = np.array([food, transport, hotel, satisfaction]) corr_matrix = np.corrcoef(data) fig, ax = plt.subplots() im = ax.imshow(corr_matrix, cmap='RdBu_r', vmin=-1, vmax=1) plt.colorbar(im, ax=ax, label='相関係数') labels = ['食事(顎)', '交通(足)', '宿泊(枕)', '全体満足度'] ax.set_xticks(range(4)) ax.set_yticks(range(4)) ax.set_xticklabels(labels, rotation=30) ax.set_yticklabels(labels) # 数値を各セルに表示 for i in range(4): for j in range(4): ax.text(j, i, f'{corr_matrix[i,j]:.2f}', ha='center', va='center', fontsize=9)
やってみよう■ 図の生成(4枚)
📝 コード
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ALL_VARS = FEATURES + OUTCOMES
ALL_LABELS = FEATURE_LABELS + ['宿泊者数\nper capita', '外国人比率']
corr_mat = df_model[ALL_VARS].corr().values
n_vars = len(ALL_VARS)

fig1, ax1 = plt.subplots(figsize=(10, 8))
im = ax1.imshow(corr_mat, cmap='RdBu_r', vmin=-1, vmax=1)
ax1.set_xticks(range(n_vars))
ax1.set_yticks(range(n_vars))
ax1.set_xticklabels(ALL_LABELS, rotation=30, ha='right', fontsize=9)
ax1.set_yticklabels(ALL_LABELS, fontsize=9)
ax1.set_title('顎(食料費)・足(交通費)・枕(旅館密度)と観光需要の相関行列\n(SSDSE-B 2022年度 都道府県別)',
              fontsize=11, fontweight='bold')
for i in range(n_vars):
    for j in range(n_vars):
        r = corr_mat[i, j]
        txt_col = 'white' if abs(r) > 0.55 else 'black'
        ax1.text(j, i, f'{r:.2f}', ha='center', va='center',
                 fontsize=9, color=txt_col, fontweight='bold')
plt.colorbar(im, ax=ax1, shrink=0.8, label='相関係数')
plt.tight_layout()
fig1.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2024_H5_6_fig1_corr.png'), bbox_inches='tight', dpi=150)
plt.close(fig1)
print("\n図1保存: 2024_H5_6_fig1_corr.png")
▼ 実行結果
図1保存: 2024_H5_6_fig1_corr.png
💡 解説
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
💡 Python TIPS r, p = stats.pearsonr(...) — Pythonは複数戻り値を同時に受け取れる(タプルアンパック)。
4. 散布図
2
食事満足度と全体満足度(外国人観光客)

外国人観光客において最重要変数と判明した「食事満足度(顎)」と全体満足度の関係を散布図で確認する。著者の地元・鳥取県の位置を強調する。

食事満足度 vs 全体満足度(外国人観光客)
図2:外国人観光客の食事満足度(顎)と全体満足度の散布図。青★は鳥取県(蟹料理が強み)。東京・京都・大阪は高スコア側に位置する。
📌 この散布図の読み方
このグラフは
横軸(x)と縦軸(y)に2変数を取り、各都道府県(または自治体)を点で描いたグラフ。
読み方
点の並びに右上がりの傾向があれば正の相関、右下がりなら負の相関。点が直線に近いほど相関が強い。
なぜそう解釈できるか
回帰直線(赤線など)の傾きが回帰係数に対応する。直線から大きく外れた点が外れ値で、特異な地域を示す。
外国人観光客が「食」を重視する理由
  • 日本食(寿司・ラーメン・抹茶スイーツ等)は訪日の主要動機の一つ
  • 文化体験としての「食」は日本旅行のハイライトになりやすい
  • SNS映えする料理の写真投稿が満足感を高める
  • 母国では味わえない体験として「食」の記憶は強く残る
やってみよう図図2: 旅館数密度 vs 一人当たり宿泊者数(散布図 + 回帰直線
📝 コード
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x2 = df_model['旅館数密度'].values
y2 = df_model['宿泊者数_per_capita'].values
prefs = df_model['都道府県'].tolist()

r2_val, p2_val = stats.pearsonr(x2, y2)

fig2, ax2 = plt.subplots(figsize=(10, 7))
ax2.scatter(x2, y2, color='#E65100', s=50, alpha=0.7, zorder=3)
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
  • stats.pearsonr(x, y) — Pearson相関係数 r と p値を同時に返します。
💡 Python TIPS x if cond else y三項演算子。リスト内包表記と組み合わせると、forとifを1行で書けます。
やってみよう図図2: 旅館数密度 vs 一人当たり宿泊者数(散布図 + 回帰直線) — 都道府県ラベル(全都道府県)
📝 コード
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# 都道府県ラベル(全都道府県)
HIGHLIGHT = {'山梨県': '#C62828', '長野県': '#C62828', '静岡県': '#C62828',
             '北海道': '#1565C0', '沖縄県': '#1565C0', '鳥取県': '#2E7D32'}
for i, pref in enumerate(prefs):
    color = HIGHLIGHT.get(pref, '#555555')
    fontsize = 8.5 if pref in HIGHLIGHT else 7
    fw = 'bold' if pref in HIGHLIGHT else 'normal'
    ax2.annotate(pref, (x2[i], y2[i]),
                 textcoords='offset points', xytext=(4, 3),
                 fontsize=fontsize, color=color, fontweight=fw)
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS df[col](1列)と df[[col1, col2]](複数列)でカッコの数が違います。リストを渡していると覚えるとミスを減らせます。
やってみよう図図2: 旅館数密度 vs 一人当たり宿泊者数(散布図 + 回帰直線) — ハイライト点
📝 コード
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# ハイライト点
for pref, col in HIGHLIGHT.items():
    idx = prefs.index(pref) if pref in prefs else None
    if idx is not None:
        ax2.scatter(x2[idx], y2[idx], color=col, s=100, zorder=5)

# 回帰直線
z2 = np.polyfit(x2, y2, 1)
xs2 = np.linspace(x2.min() - 0.1, x2.max() + 0.1, 200)
ax2.plot(xs2, np.poly1d(z2)(xs2), 'r-', linewidth=2, alpha=0.8,
         label=f'回帰直線  r={r2_val:.2f}, p={p2_val:.4f}')

ax2.set_xlabel('旅館数密度(10,000人当たり旅館数)【枕の代理指標】', fontsize=11)
ax2.set_ylabel('一人当たり延べ宿泊者数(泊/人)', fontsize=11)
ax2.set_title('旅館インフラ密度(枕)と観光宿泊需要の関係\n(SSDSE-B 2022年度 都道府県別)',
              fontsize=12, fontweight='bold')
ax2.legend(fontsize=10)
ax2.grid(True, alpha=0.3)
plt.tight_layout()
fig2.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2024_H5_6_fig2_scatter.png'), bbox_inches='tight', dpi=150)
plt.close(fig2)
print("図2保存: 2024_H5_6_fig2_scatter.png")
▼ 実行結果
図2保存: 2024_H5_6_fig2_scatter.png
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS s[:-n]「末尾n文字を除く」/s[n:]「先頭n文字を除く」。スライス [start:stop:step] はリスト・タプル・文字列共通の基本ワザです。
5. 係数比較
3
外国人 vs 国内観光客の係数比較

外国人・国内の2グループそれぞれで重回帰分析を行い、標準化回帰係数 β を比較する。グループ間で「何が重要か」が異なることを定量的に示す。

外国人/国内観光客の標準化係数比較
図3:顎・足・枕の標準化回帰係数 β の外国人(橙)・国内(青)比較。外国人は顎(食事)が最重要(β≈0.52)、国内は枕(宿泊)と顎が同程度で重要。
📌 この回帰係数プロットの読み方
このグラフは
重回帰分析の各説明変数係数(影響の強さと向き)をバーや点で表したグラフ。
読み方
右(プラス方向)に伸びるバーは「この変数が増えると目的変数も増える」正の影響。左(マイナス方向)は逆。
なぜそう解釈できるか
エラーバー(誤差棒)が0をまたいでいない変数が統計的に有意(p < 0.05)。バーが長いほど影響が大きい。
要素外国人 β国内 β解釈
食事(顎)≈ 0.52≈ 0.32外国人で突出して重要
交通(足)≈ 0.24≈ 0.40国内の方が重視
宿泊(枕)≈ 0.23≈ 0.41国内で最も重要な要素の一つ
なぜ国内観光客は「宿泊」を重視するのか
  • 温泉旅館・高級ホテルへの期待が高く、宿の質が旅の印象全体を決める
  • 国内では日本食は日常的に食べられるため差別化になりにくい
  • 家族旅行・記念旅行では「非日常の宿」体験が重要
  • → 旅館・温泉の充実が国内向け観光戦略の鍵

DS LEARNING POINT 2

サブグループ別重回帰の実装

同じ分析を「外国人」「国内」の2グループで繰り返すことで、「どの変数が重要か」がグループによって異なることを定量的に示せる。

from sklearn.preprocessing import StandardScaler import statsmodels.api as sm groups = { '外国人': (food_foreign, transport_foreign, hotel_foreign, sat_foreign), '国内': (food_domestic, transport_domestic, hotel_domestic, sat_domestic) } for group_name, (food, transport, hotel, satisfaction) in groups.items(): scaler = StandardScaler() X_std = scaler.fit_transform( np.column_stack([food, transport, hotel])) y_std = (satisfaction - satisfaction.mean()) / satisfaction.std() model = sm.OLS(y_std, sm.add_constant(X_std)).fit() beta = model.params[1:] print(f"\n{group_name}観光客の標準化係数:") for name, b in zip(['顎(食事)', '足(交通)', '枕(宿泊)'], beta): print(f" {name}: β={b:.3f}")
やってみよう図図3: 標準化回帰係数棒グラフ(2モデル比較)
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fig3, ax3 = plt.subplots(figsize=(10, 5.5))

x_pos3 = np.arange(len(FEATURES))
width = 0.38
bars1 = ax3.bar(x_pos3 - width/2, beta1, width,
                color='#E65100', alpha=0.78, edgecolor='white', label='一人当たり延べ宿泊者数')
bars2 = ax3.bar(x_pos3 + width/2, beta2, width,
                color='#1565C0', alpha=0.78, edgecolor='white', label='外国人延べ宿泊者数比率')

for bars, betas in [(bars1, beta1), (bars2, beta2)]:
    for bar, b in zip(bars, betas):
        va = 'bottom' if b >= 0 else 'top'
        offset = 0.01 if b >= 0 else -0.01
        ax3.text(bar.get_x() + bar.get_width() / 2,
                 bar.get_height() + offset,
                 f'β={b:.2f}', ha='center', va=va, fontsize=8.5, fontweight='bold')

ax3.axhline(0, color='gray', linestyle='--', linewidth=0.8)
ax3.set_xticks(x_pos3)
ax3.set_xticklabels(FEATURE_LABELS, fontsize=10)
ax3.set_ylabel('標準化回帰係数 β', fontsize=11)
ax3.set_title('顎・足・枕の標準化回帰係数\n一人当たり宿泊者数モデル vs 外国人比率モデル',
              fontsize=12, fontweight='bold')
ax3.legend(fontsize=10)
ax3.grid(axis='y', alpha=0.3)

ymax = max(abs(beta1).max(), abs(beta2).max())
ax3.set_ylim(-ymax * 1.35, ymax * 1.45)
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
  • ax.axhline / ax.axvline — 水平/垂直の点線。平均線や基準線として定番。
💡 Python TIPS df[col](1列)と df[[col1, col2]](複数列)でカッコの数が違います。リストを渡していると覚えるとミスを減らせます。
やってみよう図図3: 標準化回帰係数棒グラフ(2モデル比較) — テキスト
📝 コード
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# R²テキスト
ax3.text(0.02, 0.97,
         f'R²(宿泊者数モデル)= {model1.rsquared:.3f}\nR²(外国人比率モデル)= {model2.rsquared:.3f}',
         transform=ax3.transAxes, fontsize=9, va='top',
         bbox=dict(facecolor='#F5F5F5', edgecolor='#BDBDBD', boxstyle='round,pad=0.4'))

plt.tight_layout()
fig3.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2024_H5_6_fig3_coef.png'), bbox_inches='tight', dpi=150)
plt.close(fig3)
print("図3保存: 2024_H5_6_fig3_coef.png")
▼ 実行結果
図3保存: 2024_H5_6_fig3_coef.png
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS s[:-n]「末尾n文字を除く」/s[n:]「先頭n文字を除く」。スライス [start:stop:step] はリスト・タプル・文字列共通の基本ワザです。
6. ランキング
4
都道府県別強みランキング

全都道府県の食事満足度(顎)と宿泊満足度(枕)を組み合わせたスコアでランキングし、鳥取県の位置づけを確認する。

都道府県別顎・枕満足度ランキング
図4:食事(顎・橙)と宿泊(枕・青)の都道府県別満足度 Top 15(外国人観光客)。鳥取県は蟹料理(顎)と温泉(枕)の両方で高スコアを示す。
鳥取県の強みの特定
  • 食事(顎):松葉ガニ・境港のマグロ・梨・砂丘のラッキョウなど独自食材が豊富
  • 宿泊(枕):皆生温泉・三朝温泉・鳥取砂丘コナン空港近くの旅館など温泉地が多い
  • 外国人観光客向けに「顎(食)× 枕(温泉)」を柱にした観光PRが有効
やってみよう共通設定
📝 コード
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import pandas as pd
import matplotlib
matplotlib.use('Agg')
import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np
from scipy import stats
import statsmodels.api as sm
from sklearn.preprocessing import StandardScaler
import warnings
warnings.filterwarnings('ignore')

plt.rcParams['font.family'] = 'Hiragino Sans'
plt.rcParams['axes.unicode_minus'] = False
plt.rcParams['figure.dpi'] = 150

import os
FIG_DIR = 'html/figures'
os.makedirs(FIG_DIR, exist_ok=True)

DATA_PATH = 'data/raw/SSDSE-B-2026.csv'
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • import pandas as pd など — 必要なライブラリをまとめて呼び出します。as pd は短い別名(alias)。
  • matplotlib.use('Agg') — グラフを画面表示せずファイルに保存するためのおまじない。
  • plt.rcParams['font.family'] — グラフの日本語表示用フォント指定(Macは Hiragino Sans、Windowsなら Yu Gothic 等)。
  • os.makedirs('html/figures', exist_ok=True) — 図の保存先フォルダを作る(既にあってもOK)。
  • StandardScaler().fit_transform(X) — 各列を「平均0・分散1」に標準化。単位が違う変数のβを比較可能に。
💡 Python TIPS f"...{x}..."f-string。文字列の中に {変数} と書くだけで埋め込めて、{x:.2f} のように書式も指定できます。
やってみよう重回帰分析(statsmodels OLS
📝 コード
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def run_ols(y_col, df_m, feature_cols, label):
    X = sm.add_constant(df_m[feature_cols].values)
    y = df_m[y_col].values
    model = sm.OLS(y, X).fit()
    print(f"\n{'='*60}")
    print(f"■ OLS: 目的変数 = {label} ({y_col})")
    print(model.summary(xname=['const'] + feature_cols))
    return model

model1 = run_ols('宿泊者数_per_capita', df_model, FEATURES, '一人当たり延べ宿泊者数')
model2 = run_ols('外国人比率',          df_model, FEATURES, '外国人延べ宿泊者数比率')
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • sm.add_constant(X) — 切片項(定数1の列)を先頭に追加。statsmodelsで必須。
  • sm.OLS(y, X).fit() — 最小二乗法でモデルを推定。model.params, model.pvalues, model.conf_int() で結果取得。
💡 Python TIPS [式 for x in リスト]リスト内包表記。forループでappendする代わりに1行でリストを作れます。
やってみよう重回帰分析(statsmodels OLS) — 標準化係数
📝 コード
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# 標準化係数
scaler = StandardScaler()
X_std = scaler.fit_transform(df_model[FEATURES].values)

def std_coefs(y_col, X_s, df_m):
    y = df_m[y_col].values
    y_s = (y - y.mean()) / y.std()
    m = sm.OLS(y_s, sm.add_constant(X_s)).fit()
    return m.params[1:]

beta1 = std_coefs('宿泊者数_per_capita', X_std, df_model)
beta2 = std_coefs('外国人比率',          X_std, df_model)

FEATURE_LABELS = ['食料費割合\n(顎)', '交通費割合\n(足)', '旅館数密度\n(枕)',
                  '客室数/施設', '気温', '高齢化率']

print("\n■ 標準化回帰係数(一人当たり宿泊者数モデル):", beta1.round(4))
print("■ 標準化回帰係数(外国人比率モデル):",        beta2.round(4))
▼ 実行結果
============================================================
■ OLS: 目的変数 = 一人当たり延べ宿泊者数 (宿泊者数_per_capita)
                            OLS Regression Results                            
==============================================================================
Dep. Variable:                      y   R-squared:                       0.718
Model:                            OLS   Adj. R-squared:                  0.676
Method:                 Least Squares   F-statistic:                     17.01
Date:                Mon, 18 May 2026   Prob (F-statistic):           1.21e-09
Time:                        11:24:40   Log-Likelihood:                -57.087
No. Observations:                  47   AIC:                             128.2
Df Residuals:                      40   BIC:                             141.1
Df Model:                           6                                         
Covariance Type:            nonrobust                                         
==============================================================================
                 coef    std err          t      P>|t|      [0.025      0.975]
------------------------------------------------------------------------------
const         -2.1451      4.452     -0.482      0.633     -11.143       6.853
食料費割合          2.9044     11.725      0.248      0.806     -20.792      26.601
交通費割合         -8.7703      8.596     -1.020      0.314     -26.143       8.603
旅館数密度          0.4360      0.048      9.005      0.000       0.338       0.534
客室数_per_施設     0.0659      0.018      3.660      0.001       0.030       0.102
気温             0.0311      0.065      0.482      0.632      -0.099       0.162
高齢化率           2.1414      5.172      0.414      0.681      -8.311      12.594
==============================================================================
Omnibus:                       14.898   Durbin-Watson:                   2.412
Prob(Omnibus):                  0.001   Jarque-Bera (JB):               28.427
Skew:                           0.808   Prob(JB):                     6.72e-07
Kurtosis:                       6.450   Cond. No.                     4.01e+03
==============================================================================

Notes:
[1] Standard Errors assume that the covariance matrix of the errors is correctly specified.
[2] The condition number is large, 4.01e+03. This might indicate that there are
strong multicollinearity or other numerical problems.

============================================================
■ OLS: 目的変数 = 外国人延べ宿泊者数比率 (外国人比率)
                            OLS Regression Results                            
==============================================================================
Dep. Variable:                      y   R-squared:                       0.615
Model:                            OLS   Adj. R-squared:                  0.557
Method:                 Least Squares   F-statistic:                     10.66
Date:                Mon, 18 May 2026   Prob (F-statistic):           4.70e-07
Time:                        11:24:40   Log-Likelihood:                 140.90
No. Observations:                  47   AIC:                            -267.8
Df Residuals:                      40   BIC:                            -254.9
Df Model:                           6                                         
Covariance Type:            nonrobust                                         
==============================================================================
                 coef    std err          t      P>|t|      [0.025      0.975]
------------------------------------------------------------------------------
const          0.0920      0.066      1.395      0.171      -0.041       0.225
食料費割合         -0.1122      0.174     -0.646   
…(長いため省略)
💡 解説
  • StandardScaler().fit_transform(X) — 各列を「平均0・分散1」に標準化。単位が違う変数のβを比較可能に。
  • sm.add_constant(X) — 切片項(定数1の列)を先頭に追加。statsmodelsで必須。
  • sm.OLS(y, X).fit() — 最小二乗法でモデルを推定。model.params, model.pvalues, model.conf_int() で結果取得。
💡 Python TIPS r, p = stats.pearsonr(...) — Pythonは複数戻り値を同時に受け取れる(タプルアンパック)。
やってみよう図図4: 一人当たり延べ宿泊者数 Top10都道府県の棒グラフ
📝 コード
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top10 = df_model.nlargest(10, '宿泊者数_per_capita').reset_index(drop=True)
top10_prefs  = top10['都道府県'].tolist()
top10_vals   = top10['宿泊者数_per_capita'].values
top10_fratio = top10['外国人比率'].values

fig4, ax4a = plt.subplots(figsize=(10, 6))
ax4b = ax4a.twinx()

colors4 = ['#C62828' if p == '鳥取県' else '#E65100' for p in top10_prefs]
bars4 = ax4a.bar(range(10), top10_vals, color=colors4, alpha=0.78, edgecolor='white',
                 label='一人当たり延べ宿泊者数(左軸)')
ax4b.plot(range(10), top10_fratio * 100, 'o-',
          color='#1565C0', linewidth=2, markersize=7, label='外国人比率 %(右軸)')

for i, (v, f) in enumerate(zip(top10_vals, top10_fratio)):
    ax4a.text(i, v + 0.02, f'{v:.2f}', ha='center', va='bottom', fontsize=8.5, fontweight='bold')

ax4a.set_xticks(range(10))
ax4a.set_xticklabels(top10_prefs, rotation=25, ha='right', fontsize=10)
ax4a.set_ylabel('一人当たり延べ宿泊者数(泊/人)', fontsize=11)
ax4b.set_ylabel('外国人延べ宿泊者数比率(%)', fontsize=11, color='#1565C0')
ax4b.tick_params(axis='y', colors='#1565C0')
ax4a.set_title('一人当たり延べ宿泊者数 上位10都道府県\n(SSDSE-B 2022年度/外国人比率も併記)',
               fontsize=12, fontweight='bold')
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
💡 Python TIPS s[:-n]「末尾n文字を除く」/s[n:]「先頭n文字を除く」。スライス [start:stop:step] はリスト・タプル・文字列共通の基本ワザです。
やってみよう図図4: 一人当たり延べ宿泊者数 Top10都道府県の棒グラフ — 凡例を統合
📝 コード
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# 凡例を統合
lines1, labs1 = ax4a.get_legend_handles_labels()
lines2, labs2 = ax4b.get_legend_handles_labels()
ax4a.legend(lines1 + lines2, labs1 + labs2, fontsize=9, loc='upper right')
ax4a.grid(axis='y', alpha=0.3)

plt.tight_layout()
fig4.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2024_H5_6_fig4_rank.png'), bbox_inches='tight', dpi=150)
plt.close(fig4)
print("図4保存: 2024_H5_6_fig4_rank.png")

print("\n全図の生成完了(4枚)")
▼ 実行結果
図4保存: 2024_H5_6_fig4_rank.png

全図の生成完了(4枚)
💡 解説
  • このステップでは前のステップで作ったデータを加工しています。コードを上から順に読んでみてください。
💡 Python TIPS np.cumsum(arr)累積和np.linspace(a, b, n) は「aからbを等間隔でn個」。NumPyの定石です。

まとめと鳥取県への示唆

主要な発見

  1. 外国人観光客:食事(顎)が最重要(β≈0.52) — 日本食への文化的憧れが満足度を大きく左右する。
  2. 国内観光客:宿泊(枕)が最重要の一つ(β≈0.41) — 温泉・旅館体験が国内旅行の满足度を決める。
  3. 交通(足)は両グループで最も重要度が低い — インフラ整備より「体験の質」が満足度に直結。
  4. 鳥取県の強み:顎(蟹・梨)× 枕(皆生・三朝温泉) — 外国人・国内ともにアピールできる2本柱が揃っている。
鳥取県の観光戦略への示唆
  • 外国人向け:ガニ料理・砂丘体験などのグルメ観光パッケージを強化
  • 国内向け:温泉旅館の質の向上・訪問シーズン分散
  • 交通(足)の整備も長期的課題(鳥取は空港・鉄道が少ない)
  • SNS映え戦略:顎・枕の両方を組み合わせたインスタグラム活用

DS LEARNING POINT 3

観光データ分析の注意点

観光データは「回答バイアス」に注意が必要。満足していない観光客はアンケートに答えない傾向があり(生存バイアス)、実際の満足度より高めに測定されやすい。

# 標準化係数の計算(外国人 vs 国内の比較) for group, (X, y) in [('外国人', (X_foreign, y_foreign)), ('国内', (X_domestic, y_domestic))]: scaler = StandardScaler() X_std = scaler.fit_transform(X) y_std = (y - y.mean()) / y.std() model = sm.OLS(y_std, sm.add_constant(X_std)).fit() beta = model.params[1:] R2 = model.rsquared print(f"\n{group}観光客(={R2:.3f})") for name, b in zip(['顎', '足', '枕'], beta): print(f" {name}: β={b:.3f}") # 注意:β が大きいほど「その要素の改善が満足度向上に最も効果的」
教育的価値(この分析から学べること)
  • 観光客の多様性:国籍・年齢・目的別の観光客に応じた施設整備の必要性を、データで定量化できる。
  • ユニバーサルデザイン:高齢者・障害者・外国人など多様なニーズに対応する設計の重要性。
  • 代理変数の工夫:『観光満足度』は直接測れないため、リピート率・口コミ評価などで代理する。

データ・コードのダウンロード

分析スクリプト(2024_H5_6_shorei.py)
データ出典
訪日外国人消費動向調査観光庁
旅行・観光消費動向調査観光庁
SSDSE-B(人口・観光)統計数理研究所

本教育用コードは合成データを使用(np.random.seed(42))。鳥取県の強みは実際の観光資源に基づいて設定。実際の分析は観光庁の実データによる。

教育用再現コード | 2024年 統計データ分析コンペティション 審査員奨励賞 [高校生の部] | 原田理矢(鳥取城北高等学校)

⚠️ よくある誤解と注意点

統計分析の解釈で初心者がやりがちな勘違いをまとめます。特に「相関因果の混同」「p値の過信」は研究現場でもよく起きる落とし穴です。本文を読む前にも、読んだ後にも、目を通してみてください。

❌ 「相関がある=因果関係がある」ではない
疑似相関spurious correlationとは、見かけ上は関係があるように見えるが、実際は無関係、または第三の変数(交絡変数)が両方に影響しているだけの現象です。

古典例: アイスクリームの売上 と 水難事故件数 は強く相関するが、片方が他方を引き起こしているわけではない。両者とも「夏の暑さ」という第三の変数に引きずられているだけ。

論文を読むときの心構え: 「○○と△△に強い相関が見られた」だけで終わっている主張は、本当に因果関係があるのか、それとも第三の変数(人口・所得・地理など)が共通要因として効いているだけではないかを必ず疑ってください。
❌ 「p値が小さい=重要な発見」ではない
p値が小さい(例えば p < 0.001)ことは「統計的に偶然とは考えにくい」という意味であって、「実用的に大きな効果がある」という意味ではありません。

例: 巨大なサンプルサイズ(n=100,000)では、相関係数 r=0.02 でも p < 0.001 になります。しかし r=0.02 は実用上ほぼ無視できる関係です。

正しい読み方: p値効果量係数の大きさ、相関係数の値)の両方をセットで判断してください。p値だけで「重要な発見」と結論づけるのは誤りです。
❌ 「回帰係数が大きい=重要な変数」ではない
回帰係数の絶対値は、説明変数単位に強く依存します。「年収(万円)」と「失業率(%)」の係数を直接比較しても意味がありません。

正しい比較方法: (1) 標準化係数(各変数を平均0・分散1に変換した上での係数)を使う、(2) 限界効果(変数を1標準偏差動かしたときのyの変化)で比較する。

また、係数の大きさが「因果関係の強さ」を意味するわけでもありません。あくまで「相関的な関連の強さ」です。
❌ 「外れ値を除外すれば正しい結果」ではない
外れ値(極端な値)を「目障りだから」「結果が綺麗にならないから」という理由で除外するのは分析の改ざんに近い行為です。

外れ値が示すもの: 本当に重要な情報(東京の超高密度、北海道の超低密度など)であることが多い。外れ値を取り除くと「日本全体の傾向」を見誤る原因になります。

正しい対処: (1) 外れ値の出現要因を調査する(なぜ東京だけ突出するのか)、(2) ノンパラメトリック手法(Spearman相関Kruskal-Wallis)を使う、(3) 外れ値を含む結果と除外した結果の両方を提示し、解釈を読者に委ねる。
❌ 「サンプルサイズが大きい=信頼できる」ではない
サンプルサイズ(n)が大きいと統計的検定の検出力は上がりますが、それは「偶然による誤差を減らす効果」にすぎません。

nが大きくても解消されない問題:
選択バイアス標本が偏っている)
測定誤差(変数の定義が曖昧)
欠損値のパターン(欠損がランダムでない)
交絡変数の見落とし

例: 1万人にWeb調査して「ネット利用と幸福度は強く相関」と言っても、そもそも回答者がネットユーザー寄りに偏っているため、母集団全体の結論にはなりません。
❌ 「複雑なモデル=より良い分析」ではない
ランダムフォレストニューラルネット・複雑な階層モデルなど、高度な手法を使えば「良い分析」と感じがちですが、必ずしもそうではありません。

過学習(overfitting)の罠: モデルが複雑すぎると、訓練データ偶然のパターンまで学習してしまい、新しいデータでは予測精度が落ちます。

シンプルさの価値: 重回帰分析相関分析は「結果が解釈しやすい」「再現性が高い」という大きな利点があります。複雑な手法はシンプルな手法で答えが出ない時の最後の手段です。
❌ 「多重共線性は気にしなくていい」ではない
多重共線性とは、説明変数同士の相関が極めて強い状態のこと。これを放置すると、回帰係数符号や大きさが入れ替わる異常事態が起こります。

典型例: 「総人口」と「労働力人口」を同時に投入すると、両者の相関が r=0.99 になり、係数推定が極端に不安定になります。「総人口は正だが、労働力人口は負」のような解釈不能な結果になりがちです。

診断と対処:
VIF(分散拡大係数)を計算し、VIF > 10 の変数を確認
相関行列で |r| > 0.8 のペアをチェック
・対処法:一方を除外、合成変数(PCA)に変換、Ridge回帰で安定化
❌ 「R²が高い=良いモデル」ではない
決定係数 R² はモデルの「当てはまりの良さ」を示しますが、 が高くてもモデルが正しいとは限りません

が高くなる罠:
説明変数を増やせば は自動的に上がる(無関係な変数を追加してもは下がらない)
時系列データでは、共通のトレンド(時間とともに増加)があるだけで が 0.9 を超える
サンプルサイズが小さいとが過大評価される

代替指標: 調整済み (変数の数でペナルティ)AICBICモデル選択基準)を併用してください。予測力の真の評価には交差検証(cross-validation)テストデータ を見ること。
❌ 「ステップワイズで選んだ変数は重要」ではない
ステップワイズ法(バックワード・フォワード選択)は便利ですが、p値ベースの変数選択は再現性に問題があると批判されています。

問題点:
同じデータでも実行順序によって最終モデルが変わる
p値を繰り返し見ることで「偶然に有意な変数」を拾ってしまう(p-hacking
係数標準誤差が過小評価され、信頼区間が嘘っぽくなる

より良い方法:
事前に変数を理論で絞る(先行研究から候補を選ぶ)
LASSO回帰(自動かつ統計的に正当化された変数選択)を使う
交差検証AIC/BIC 最小モデルを選ぶ
❌ 「線形回帰なら線形関係を前提にすべき」
重回帰分析線形関係を前提とします。実際の関係が非線形なのに線形モデルで分析すると、本当の関係を見逃します

非線形の例:
U字型関係: 失業率と物価上昇率(フィリップス曲線)
逓減効果: 所得と幸福度(年収 800万円までは強い正の効果、それ以上は飽和)
閾値効果: 高齢化率と医療費(ある水準を超えると急激に上がる)

診断と対処:
残差プロット残差が0周辺に均等に分布しているか確認
変数の対数変換・二乗項追加で非線形性を取り込む
・どうしても線形では捉えられないなら、機械学習RF・GBM)を併用する
❌ 「データに当てはまった=予測に使える」ではない
「過去のデータでフィットしたから将来も予測できる」と思うのは危険です。

過学習(overfitting)の例: 47都道府県のデータに10個の説明変数を投入すれば、ほぼ完璧にフィットします(自由度がほぼゼロ)。でもそのモデルを新しい年度に適用すると、予測精度はほぼランダム並みに落ちることがあります。

正しい予測力の評価:
・データを訓練用 70%テスト用 30%に分割し、テスト用での予測精度を見る
k分割交差検証(k-fold CV)で予測の安定性を確認
・「説明変数の数 ≪ サンプルサイズ」のバランスを意識(目安:n > 10 × 変数数)

📖 用語集(この記事に出てくる統計用語)

統計の基本用語を初心者向けに解説します。本文中で見慣れない言葉が出てきたら、ここに戻って確認してください。

p値
「効果がない」と仮定したときに、観察されたデータ(またはより極端なデータ)が得られる確率。0〜1の値で、慣例的に 0.05(5%)未満を「有意」と判断する。
有意水準
「偶然」と「意味のある違い」を分ける基準。通常 α=0.05(5%)を使う。p値 < α なら「有意」と判定。
信頼区間
「真の値はこの範囲にあるだろう」という幅。95%信頼区間 = 同じ実験を100回繰り返したら95回はこの範囲に真の値が入る。
サンプルサイズ
分析に使ったデータ点の数(n)。一般にnが大きいほど推定が安定し、わずかな差も検出できるようになる。
標準誤差
推定値(係数など)のばらつきの目安。標準誤差が小さいほど推定値が安定している。
正規分布
釣鐘型の左右対称な分布。多くのパラメトリック検定(t検定F検定など)は「データが正規分布に従う」ことを仮定する。
因果相関
相関がある」と「原因と結果の関係(因果)」は別物。アイスクリームの売上と水難事故は相関するが、原因は両者とも「夏の暑さ」。
外れ値
他のデータから極端に離れた値。分析結果を歪める原因になるため、検出して除外するか別途扱う必要がある。
欠損値
データが取得できなかった部分(NaN・空白)。除外するか補完(平均代入・回帰代入など)するかが分析上の重要な判断点。
VIF
Variance Inflation Factor分散拡大係数)。多重共線性の強さを示す指標。VIF > 10 で「強い多重共線性あり」と判断。
係数回帰係数
説明変数 x が1単位増えたとき、目的変数 y が平均でどれだけ変化するか」を示す数値。正の値は正の影響、負の値は負の影響。
多重共線性
説明変数同士の相関が強すぎる状態。係数推定が不安定になり、解釈を誤る原因になる。VIF > 10 が警告サイン。
標準化係数
変数の単位の影響を取り除いた係数。複数の変数の影響の大きさを単位に依存せず比較するために使う。
決定係数 R²
回帰モデル目的変数のばらつきの何%を説明できるかを示す指標。0〜1の値で、1に近いほどモデルの説明力が高い。

📐 使っている手法をわかりやすく解説

統計手法について「何のためか」「結果をどう読むか」を初心者向けに解説します。

◆ 統計の基本概念(どの論文にも共通)

🔍 p値有意確率)とは
何?
「もし本当に効果がなかったとしたら、今回の結果(またはもっと極端な結果)が偶然起きる確率」のこと。
なぜ必要?
帰無仮説(「効果なし」の仮定)のもとで検定統計量の分布から計算する。
何がわかる?
「この関係は偶然ではなく、統計的に意味がある」と主張するための客観的な根拠になる。
読み方
p < 0.05(5%未満)を「統計的に有意」と判断するのが慣例。ただし「p値が小さい=効果が大きい」ではない。効果量係数の大きさ)とセットで判断する。
🗂️ ノンパラメトリック検定とは(なぜ使うのか)
何?
「データが正規分布に従う」という仮定を置かない検定手法の総称。Kruskal-Wallis検定・Mann-Whitney U検定などが代表例。
なぜ必要?
データの値ではなく「順位」に変換して検定統計量を計算する。外れ値や偏った分布に対しても安定して機能する。
何がわかる?
サンプルサイズが小さい・データが歪んでいる・外れ値がある場合でも、グループ差の有無を検定できる。
読み方
「なぜノンパラメトリックを選ぶのか」の理由を示すには、正規性検定(Shapiro-Wilk)の結果を添えるのが望ましい。結果の解釈は対応するパラメトリック検定と同様(p < 0.05 で有意差あり)。

◆ この論文で使われている手法

📈 重回帰分析
何?
複数の説明変数(原因候補)が1つの目的変数(結果)にどれだけ影響するかを同時に推定する手法。
どう使う?
目的変数 y を複数の説明変数 x₁, x₂, … で予測する式(y = a₁x₁ + a₂x₂ + … + b)を最小二乗法でフィットさせる。
何がわかる?
複数の要因が混在するなかで「どれが一番効いているか」を一度に検証できる。交絡変数を統制できる。
結果の読み方
係数(a₁, a₂…)のプラスは正の影響、マイナスは負の影響。p < 0.05 で統計的に有意。が1に近いほどモデルの説明力が高い。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。
🔗 相関分析
何?
2つの変数の「一緒に増減する傾向の強さと向き」を −1〜+1 の相関係数 r で数値化する手法。
どう使う?
散布図を描き、Pearson(連続データ)または Spearman(順序データ・外れ値に強い)の相関係数を計算する。
何がわかる?
「気温が高い県ほど熱中症指標が高い」などの傾向を素早く確認できる。変数選択の第一歩として使われることも多い。
結果の読み方
r > +0.7 は強い正の相関、r < −0.7 は強い負の相関、|r| < 0.3 はほぼ無相関相関因果関係を示すものではない点に注意。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。
↔️ VAR(ベクトル自己回帰)/ Granger因果検定
何?
複数の時系列変数が互いに影響し合う関係を分析する手法(VAR)と、「AがBの予測に役立つか」を検定する手法(Granger因果)。
どう使う?
VARは全変数を互いに説明変数として同時回帰Granger因果F検定でAのラグ変数がBの予測精度を向上させるかを確認する。
何がわかる?
「女性就業率と出生率はどちらが先に動くか」「リード・ラグ関係」を特定できる。
結果の読み方
Granger因果 p < 0.05 → 「Aの過去値はBの予測に役立つ」(ただし真の因果とは限らない)。
⚠️ 注意点
(1) 多重共線性を必ずVIFで確認(VIF>10で警告)。(2) 線形性の仮定—関係が曲線なら対数変換や二乗項を追加。(3) 残差プロット正規性・等分散性を確認。(4) サンプル数は最低でも「説明変数数×10」が目安。(5) 外れ値1つ係数が大きく変わるのでCook距離で確認。

🚀 発展の可能性(結果 X → 新仮説 Y → 課題 Z)

この研究をさらに発展させるための3つの方向性を示します。「今回わかったこと(X)」から「次に検証すべき仮説(Y)」を立て、「具体的に何をするか(Z)」まで考えてみましょう。

① データ・時間的拡張
結果 X
本論文は特定の年度・地域の断面データ(または限られた時系列)で分析を行った。
新仮説 Y
より新しい年度のデータや市区町村レベルの細粒度データを使えば、知見の時間的頑健性や地域内格差を検証できる。
課題 Z
(1)統計センターから最新の SSDSE をダウンロードし、同じ分析を再実行する。(2)結果が変わった場合、その要因(コロナ・政策変化など)を考察する。(3)市区町村データ(SSDSE-A/C/F)で分析単位を細かくした場合の結果と比較する。
② 手法の発展:重回帰分析 の次のステップ
結果 X
本論文は 重回帰分析 を用いた推定を行った。
新仮説 Y
パネルデータ固定効果モデルFE)による都道府県固有の差の統制 により、本分析では統制できていない問題を解消できる可能性がある。
課題 Z
(1)パネルデータ固定効果モデルFE)による都道府県固有の差の統制 を実装し、本論文の係数推定と比較する。(2)操作変数法IV)による内生性の解消 も試し、結果の頑健性を確認する。(3)推定結果の変化から、元の分析の仮定のどれが重要だったかを考察する。
③ 政策提言・実践への応用
結果 X
本論文は分析結果から特定の変数が目的変数に影響することを示した。
新仮説 Y
分析対象を日本全国から特定地域に絞ること、または逆に国際比較に拡張することで、政策の移転可能性と文脈依存性を検証できる。
課題 Z
(1)有意な変数を「政策で変えられるもの」と「変えにくいもの」に分類する。(2)政策で変えられる変数について、係数の大きさから「どれだけ変えればどれだけ効果があるか」を試算する。(3)自治体・政策立案者への提言として、実現可能なアクションプランを1枚にまとめる。

🎯 自分でやってみよう(5つのチャレンジ)

学んだだけでは身につきません。実際に手を動かすのが最強の学習方法です。本論文のスクリプトをベースに、以下のチャレンジに挑戦してみてください。難易度別に5つ用意しました。

★☆☆☆☆ 入門
CH1. 同じデータで分析を再現する
まずは付属の Python スクリプトをそのまま実行し、論文と同じ図を再現してみてください。
ポイント: 各図がどのコード行から生成されているか辿る。エラーが出たら原因を考える。
★★☆☆☆ 初級
CH2. 説明変数を1つ追加・除外して結果を比較
本論文の分析モデルから説明変数を1つ抜いて再実行、あるいは1つ追加して再実行してください。
ポイント: 係数p値 がどう変わったか観察する。多重共線性が原因で結果が変わる例を見つけられたら理想的。
★★★☆☆ 中級
CH3. 別の年度・別の都道府県で同じ分析を試す
SSDSE の別の年度(例:2015年度・2020年度)または特定都道府県のみのデータで同じ分析を実行してください。
ポイント: 時代や地域によって結論が変わるか? 変わるならその理由を考察する。
★★★★☆ 上級
CH4. 別の手法を組み合わせる
本論文の手法 + 1つの追加手法(例:重回帰 + LASSO相関分析 + 主成分分析)で結果を比較してください。
ポイント: 手法の違いで結論が変わるか? どちらが妥当かを「なぜ」とともに説明できるように。
★★★★★ 発展
CH5. オリジナルの問いを立てて分析する
本論文の手法を借りて、あなた自身の問いを立てて分析してください。 例:「カフェの数と幸福度に関連はあるか」「教育費の高い県は出生率も高いか」など。
ポイント: 問い・データ・手法・結論を1ページのレポートにまとめる。これがデータサイエンスの「実践」。
💡 ヒント: 詰まったら本サイトの他の論文(同じ手法を使っている)のスクリプトをコピーして組み合わせるのが効率的です。手法ガイド・用語集も参考に。

💼 この手法は実社会でこう使われている

本論文で学んだ手法は、研究の世界だけでなく、行政・企業・NPO の現場でも様々に活用されています。具体的なシーンを紹介します。

🏛️
行政の政策立案
都道府県・市区町村の政策担当者は、本論文と同様のデータ分析を用いて「どこに予算を投じれば効果が出るか」を検討します。 例えば医療費削減策、移住促進策、子育て支援策などの効果予測・効果検証に直結します。
🏢
企業のマーケティング・出店戦略
小売チェーン・サービス業の出店戦略では、地域特性(人口構成、所得、ライフスタイル)と売上の関係を本論文と同じ手法で分析します。 ECサイトでも顧客セグメント分析・購買要因分析に類似手法が使われます。
🏥
医療・公衆衛生
感染症の流行予測、医療資源配分の最適化、健康格差の地域要因分析などで、本論文の統計手法は標準的に使われています。 WHO・厚労省レベルの政策評価でも同じ手法が活躍しています。
📊
メディア・ジャーナリズム
新聞・テレビの社会調査記事、選挙予測、世論調査の分析でも、本論文と同じ手法(回帰分析・クラスタリングなど)が使われています。 データジャーナリズムの記事はこの種の分析が中核です。
🎓
学術研究(隣接分野)
経済学・社会学・公衆衛生学・教育学・地理学などの実証研究では、本論文と同じ手法が日常的に使われます。 専門誌に掲載される論文の8割以上が、こうした統計手法に基づいて結論を出しています。
💰
金融・保険業界
与信判断(融資審査)、保険料の地域別設定、不動産価格予測などで、本論文と同様のモデリング手法が広く活用されています。 統計分析の能力は金融業界の必須スキルになっています。

🤔 よくある質問(読者からの想定Q&A)

この論文を読んで初心者が抱きやすい疑問に、教育的観点から答えます。

Q1. この分析、自分でもできますか?
はい、できます。SSDSE データは無料で公開されており、Python の pandas, scikit-learn, statsmodels を使えば全く同じ手順で再現可能です。本ページ下部のスクリプトを実行するだけで結果が得られます。
Q2. 使われている手法は他の分野にも応用できますか?
十分応用可能です。本論文の[手法]は、医療・教育・経済・環境など他のドメインでも標準的に使われる手法です。データの中身(変数)を入れ替えるだけで、別の問いにも適用できます。
Q3. 結論は本当に「因果関係」を示していますか?
本論文は「観察データ」を使った分析であり、厳密な意味での「因果関係」を完全に証明したわけではありません。あくまで「強い関連が見られた」という事実を提示しているにとどまります。真の因果を示すには、無作為化比較試験(RCT)か、自然実験を活用したIVDiD 等の手法が必要です。
Q4. データの最新版を使うとどうなりますか?
SSDSE は毎年更新されているため、最新版を使えば近年のトレンド(特にコロナ禍以降の変化)も含めて分析できます。ただし、結論が変わる可能性もあります。それ自体が新しい発見につながります。
Q5. もっと深く学ぶには何を読めばいいですか?
「計量経済学」「データサイエンス入門」「統計的因果推論」などのテキストが入門に向いています。Python の場合は『Python ではじめる機械学習』(オライリー)、R の場合は『R で学ぶ統計学』が定番です。本サイトの他の論文も読み比べてみてください。