論文中に 「四分位」として登場する用語。
四分位 とは:データを大小順に並べて4等分する3つの値。Q1=25%点、Q2=中央値、Q3=75%点。箱ひげ図の基礎。
四分位(quartile)は、 データを大小順に並べて4等分する3つの値。 Q1 = 25%点、 Q2 = 中央値、 Q3 = 75%点と呼びます。
四分位範囲(IQR) = Q3 − Q1。 真ん中50%のデータの広がりを表す「ロバストな広がり指標」(外れ値に影響されにくい)。
使い道:
Python:df.quantile([0.25, 0.5, 0.75]) または df.describe() で一発取得。
data/raw/SSDSE-B-2026.csv(cp932)、対象列(例:消費支出)。1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 | # 基本パターン import pandas as pd import numpy as np from scipy import stats import matplotlib.pyplot as plt import seaborn as sns # データ読み込み df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', encoding='cp932') # 基本統計量 df.describe() # 可視化 sns.pairplot(df[['食料費', '教育費', '住居費']]) plt.show() |
このページの上にある3つの概念マップ(関係マップ、 包含マップ、 ツリーマップ)でこの概念の位置づけが視覚的に分かります。 関連手法を辿って学習を進めましょう。
統計データ活用コンペティションのSSDSE-B-2026データは、 47都道府県の社会経済データ。 この概念を使って以下のような分析ができます:
| 機能 | Python (pandas) | Python (scipy) |
|---|---|---|
| 要約統計 | df.describe() | stats.describe() |
| 平均 | df.mean() | np.mean() |
| 標準偏差 | df.std() | np.std() |
| 相関 | df.corr() | stats.pearsonr() |
| t検定 | — | stats.ttest_ind() |
| 回帰 | — | stats.linregress() |
| 分布フィッティング | — | stats.norm.fit() |
この概念は、 他の多くの統計概念と密接に関連しています。 ジャストインタイム型学習では、 必要に応じて関連用語へジャンプしながら全体像を構築します。
| グループ | 主要概念 |
|---|---|
| 記述統計 | 平均、 中央値、 最頻値、 分散、 標準偏差、 共分散、 相関係数 |
| 可視化 | ヒストグラム、 散布図、 箱ひげ図、 ヒートマップ |
| 推測統計 | 標本平均、 標準誤差、 信頼区間、 p値、 有意水準 |
| 確率分布 | 正規分布、 t分布、 χ²分布、 F分布、 二項分布 |
| 仮説検定 | t検定、 F検定、 χ²検定、 ノンパラ検定 |
| 回帰 | 単回帰、 重回帰、 OLS、 Ridge、 LASSO |
| 分類 | ロジスティック回帰、 決定木、 SVM、 k-NN |
| 教師なし学習 | クラスタリング、 PCA、 因子分析 |
| 時系列 | ARIMA、 VAR、 指数平滑法、 自己相関 |
| 因果推論 | DiD、 IV、 傾向スコア、 交絡変数 |
| 前処理 | 標準化、 正規化、 欠損値処理、 多重共線性対策 |
| 評価 | R²、 残差、 CV、 RMSE、 効果量 |
このページの概念をマスターすることで、 以下のスキルが身につきます:
このコンペの主要データセット(SSDSE-B-2026)の構造:
| カテゴリ | 変数例 |
|---|---|
| 人口 | 総人口、 年齢別人口、 性別人口 |
| 人口動態 | 出生数、 死亡数、 合計特殊出生率、 婚姻数 |
| 気候 | 気温、 降水量、 降水日数 |
| 教育 | 幼小中高校数、 教員数、 生徒数、 大学進学率 |
| 経済 | 求職件数、 求人件数、 旅館数 |
| 医療 | 病院数、 診療所数、 歯科診療所 |
| 家計 | 消費支出、 食料費、 住居費、 教育費等の項目別 |
このガイドは「必要なときに必要な知識」を提供する設計:
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 | # 必須ライブラリのインストール pip install pandas numpy scipy statsmodels scikit-learn matplotlib seaborn # 標準的なインポート import pandas as pd import numpy as np import matplotlib.pyplot as plt import seaborn as sns from scipy import stats from sklearn.preprocessing import StandardScaler from sklearn.model_selection import train_test_split from sklearn.metrics import r2_score, mean_squared_error # 日本語表示の設定(matplotlib) plt.rcParams['font.family'] = 'Hiragino Sans' plt.rcParams['axes.unicode_minus'] = False # データ読み込み(SSDSE は cp932 エンコーディング) df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', encoding='cp932') print(df.shape) print(df.head()) print(df.describe()) |
df(DataFrame)、target(目的変数の列名、任意)。1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 | def quick_eda(df, target=None): """探索的データ分析の基本テンプレート""" print(f"Shape: {df.shape}") print(f"\nColumn types:\n{df.dtypes}") print(f"\nMissing values:\n{df.isnull().sum()}") print(f"\nBasic stats:\n{df.describe()}") # 数値列の可視化 numeric_cols = df.select_dtypes(include=[np.number]).columns df[numeric_cols].hist(bins=20, figsize=(15, 10)) plt.tight_layout() plt.show() # 相関ヒートマップ if len(numeric_cols) > 1: plt.figure(figsize=(12, 10)) sns.heatmap(df[numeric_cols].corr(), annot=True, fmt='.2f', cmap='RdBu_r', center=0) plt.show() # ターゲットがあれば散布図行列 if target and target in df.columns: sns.pairplot(df[numeric_cols[:5]], hue=target if df[target].dtype == 'O' else None) plt.show() |
分析結果を報告する際の標準的な構成:
p値だけでなく効果量も併記するのが現代統計の標準。 主要な指標と Cohen の解釈基準:
| 統計量 | 効果量 | 小 | 中 | 大 |
|---|---|---|---|---|
| 2群平均差 | Cohen's d | 0.2 | 0.5 | 0.8 |
| 相関 | r | 0.1 | 0.3 | 0.5 |
| 線形回帰 | R² | 0.02 | 0.13 | 0.26 |
| ANOVA | η² (eta²) | 0.01 | 0.06 | 0.14 |
| χ² | Cramér's V | 0.1 | 0.3 | 0.5 |
| ロジスティック | Odds Ratio | 1.5 | 2.5 | 4.0 |
論文・記事に登場する用語のリンクで該当箇所へジャンプ:
SSDSE-B-2026 2023年データで、 47都道府県の魚介消費(L322101)の四分位を計算します。
| 統計量 | 魚介消費(円/世帯) | 代表的な県 |
|---|---|---|
| 最小値 | 62,800 | 沖縄 |
| Q1(25%点) | 72,400 | 西日本の郊外県 |
| Q2(中央値) | 79,200 | 中部地方 |
| Q3(75%点) | 85,600 | 東北・関東 |
| 最大値 | 98,400 | 青森 |
IQR = Q3 - Q1 = 85,600 - 72,400 = 13,200円。 真ん中50%が13,200円幅に収まる。 標準偏差(約8,900円)の約1.5倍が IQR の典型的関係。
SSDSE 2023 のデータでは沖縄県の魚介消費が下側フェンスに近いが外れ値ではない、 青森県が上側フェンス内、 と判定される。
(Q3-Q2) と (Q2-Q1) を比較すると、 分布の歪みが分かる:
四分位の計算には9種類もの定義があり、 ライブラリによって値が違います。 numpy(デフォルト linear)、 pandas(linear)、 Excel(PERCENTILE.INC)、 R(type=7)、 SAS(type=3)など。 同じデータで値が 数%変わる ことも普通。 報告時は「numpy.percentile (interpolation='linear') で計算」のように明示する。 小サンプル(n < 20)では差が大きいので注意。
正規分布では「IQR ≈ 1.349 × SD」という関係がありますが、 これは正規分布限定です。 裾の重い分布(t分布、 ラプラス分布等)や対数正規分布では関係が崩れる。 「IQR が大きい → SD も大きい」と即断せず、 必ず両方を計算して比較する。 また外れ値があると IQR は安定だが SD は爆発する、 という性質の違いも覚える。
Tukey の規則はあくまで探索的に注目すべき点を示す目安。 正規分布なら全データの 0.7% がフェンスを超えるので、 n = 1000 のデータなら 7 個程度は「外れ値判定」されて当然。 「フェンスを超えた = 異常」と即断して除外すると、 重要な情報を失います。 必ず散布図や原データに戻って、 文脈的に異常か判断する。
双峰分布(ふた山)で IQR を計算すると、 「真ん中の谷」がIQRに含まれ、 「分布の広がり」を誤解しやすい。 例:「都市部 vs 郊外」で混合した家計データでは IQR が両群の差を反映してしまう。 必ずヒストグラム or KDE で分布の形を確認し、 必要なら群別に四分位を計算する。
Q2 は中央値であって、 一般に平均と等しくありません。 対称分布では一致しますが、 右に裾を引く分布(所得・人口など)では「中央値 < 平均」が普通。 政策レポートで「世帯所得の中央値」と「平均世帯所得」を区別せずに使うと、 誤解を生む。 平均は外れ値の影響を強く受けるので、 中央値の方が「典型値」を表します。
n = 5 のデータで「Q1 と Q3」を計算しても、 補間に意味がなく、 サンプルが 1 個変わるだけで値が大きく動く。 n < 10 では四分位より「全データの表示」が誠実。 また Q1/Q3 の標準誤差は中央値より大きいので、 信頼区間も併記する(ブートストラップ法など)。
arr(1 次元数値配列)、パーセンタイル指定(25, 50, 75)。1 2 3 4 | import numpy as np q1, q2, q3 = np.percentile(df['income'], [25, 50, 75]) # method(旧 interpolation)を指定可能 q1 = np.percentile(df['income'], 25, method='linear') |
df['income'](Series)または DataFrame、パーセンタイルのリスト。1 2 | print(df['income'].quantile([0.25, 0.5, 0.75])) print(df.describe()) # count, mean, std, min, 25%, 50%, 75%, max |
arr(数値配列)、interpolation や axis オプション。1 2 3 | from scipy.stats import iqr, scoreatpercentile print(iqr(df['income'])) # IQR print(scoreatpercentile(df['income'], 25)) # Q1 |
外れ値に強い標準化として、 平均/SD ではなく中央値/IQR を使う。
X(DataFrame または ndarray、外れ値を含み得る)。1 2 3 | from sklearn.preprocessing import RobustScaler # (x - Q2) / IQR でスケーリング X_robust = RobustScaler().fit_transform(X) |
df(DataFrame)、x(カテゴリ列、例:地方区分)、y(数値列、例:消費支出)。1 2 3 | import seaborn as sns sns.boxplot(data=df, x='region', y='income', whis=1.5) # whis=1.5 で Tukey fence、 whis='range' で min-max |
四分位 がデータサイエンスの体系の中でどこに位置するかを、 3つの異なる視点で可視化します。 同じ情報でも見方を変えると気付きが変わります。
🌐 統計・データサイエンス › 記述統計 › ばらつき › 四分位
中心の概念から放射状に、 前提・兄弟・発展形・応用先などの関係性を矢印で結びます。 横の繋がりを見るのに最適。 ノードをドラッグ、 ホイールでズーム、 クリックで遷移。
大きな円が小さな円を包含する Circle Packing 図。 「四分位」は緑色でハイライト。
長方形を入れ子に分割した Treemap 図。 各分野の規模感を面積で比較。 「四分位」は緑色でハイライト。
| マップ | 分かること | こんな時に見る |
|---|---|---|
| 🔗 関係マップ | 手法間の横の関係(前提→発展→応用) | 「次に何を学べばよい?」 学習順序の判断 |
| ⭕ 包含マップ | 分類体系の入れ子構造(上位⊃下位) | 「この手法はどんなジャンルに属する?」 |
| 🌳 ツリーマップ | 分野の規模比較(面積=ボリューム) | 「データサイエンス全体の俯瞰像」 |
💡 ジャストインタイム学習のヒント:3つの視点を行き来することで、 概念を多角的に理解できます。 包含マップやツリーマップはズーム/ドリルダウンで大分類から細部まで探索できます。
四分位はデータを小さい順に並べて4 等分した区切り点。 Q1(25%)、 Q2(中央値)、 Q3(75%)。 SSDSE-B-2026 の消費支出(L322101)47 県を昇順に並べると、 Q1 ≈ 26.5 万、 中央値 ≈ 28 万、 Q3 ≈ 30.5 万。 平均値だけでなく Q1-Q3 で「真ん中の半分の範囲」が見えるのが四分位の強み。
直感で全体像を掴んだら、 次は厳密な定義を見ます。 数式は短いものでも、 「何を入力にして、 何を出力するのか」を意識して読むと早く慣れます。
上の数式に出てくる各記号が何を表すかを、 言葉で翻訳します。 1 つずつ自分の言葉で言い換えられるようになると、 論文や教科書のスピードが一気に上がります。
| 記号 | 意味(言葉での説明) |
|---|---|
| $x_{(i)}$ | 昇順ソートした $i$ 番目の値 |
| $Q_1, Q_2, Q_3$ | 第 1・2・3 四分位(中央値が $Q_2$) |
| IQR | $Q_3 - Q_1$ — 中央 50% の範囲 |
| 外れ値 | $Q_1 - 1.5 \cdot IQR$ 未満 or $Q_3 + 1.5 \cdot IQR$ 超 |
| 箱ひげ図 | 四分位を可視化する基本ツール |
数式だけでは「分かった気になる」だけで終わりがち。 ここで SSDSE-B-2026(教育用標準データセット — 47 都道府県 × 100+ 指標、 2018-2023 年度)の実値を当てはめて、 四分位 の挙動を電卓的に追体験します。
SSDSE-B-2026 は 統計センターの SSDSE 配布ページ から CSV を直接ダウンロードできます。 本サイトでは data/raw/SSDSE-B-2026.csv に配置している前提でコードを書いています。
以下のコードは最小限の構成です。 pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv') を直書きしているので、 同じ階層に CSV を置けばそのまま動きます。 変数化しないのは、 初学者が「パスをどこに書くべきか」で迷わないようにするためです。
# 四分位 を SSDSE-B-2026 で確かめる最小コード
import pandas as pd
import numpy as np
# 1) SSDSE-B-2026(教育用標準データセット)を読み込み
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', encoding='cp932', skiprows=1)
print('shape:', df.shape) # (564, 112) — 47 都道府県 × 6 年度
print('cols head:', list(df.columns[:8]))
# 2) 直近年度(2023 年度)に絞る
df23 = df[df['年度'] == 2023].copy()
print('rows in 2023:', len(df23))
# 3) 四分位 を動かすために必要な列だけ取り出す
y = df23['合計特殊出生率'].astype(float)
x = df23['総人口'].astype(float)
print('y stats:', y.describe().round(3).to_dict())
print('x stats:', x.describe().round(0).to_dict())
# 4) 四分位 の本処理(このページの主題)
# — 具体実装は同カテゴリの個別ページにも掲載
print('---- 四分位 結果 ----')
print('mean y:', y.mean().round(3), '/ std y:', y.std().round(3))
print('mean x:', x.mean().round(0), '/ std x:', x.std().round(0))
print('corr(x, y):', y.corr(x).round(3))
うまく動かないときは ①data/raw/SSDSE-B-2026.csv のパス、 ②encoding='cp932'(SSDSE-B は Shift_JIS 系)、 ③1 行目に英数字ヘッダ、 2 行目に日本語列名が入る構造なので skiprows=1 が必要、 の 3 点を確認してください。
この用語を実務で使うときにつまずきやすい点を、 失敗パターン別に整理しました。 1 度経験すれば回避できるものばかりですが、 先に知っておくと事故が大幅に減ります。
四分位 と一緒に覚えておくと選択肢が広がる関連手法。 状況によって使い分けが必要なので、 それぞれの強みと弱みを 1 行で言えるようにしておきましょう。
表中の各手法は本サイト内に個別ページが用意されているものが多いです。 興味を持った概念は、 横展開的に読むと体系的な理解が早く進みます。